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農業について

私の祖父母は、北海道で酪農をしています。

住んでいるのは、北海道の東の方で、空港のある帯広と釧路のちょうど中間地点の浦幌という3000人ほどしか住んでいない小さな町です。

私は元々アメリカに住んでいたのですが、毎年夏には祖父母に会いに北海道へ帰ってきては牛のお仕事の手伝いをしていました。

私の祖父母の仕事は肉牛の子牛を生まれたての赤ちゃんから思春期ぐらいの牛に育て、ある程度大きくなったら、市場に出すお仕事です。愛情持って牛を「かわいい、かわいい」って言いながら育てて、それから可愛い姿のまま「バイバイ」するので、小さいころから北海道で牛のお世話をするのが大好きでした。

(その後にこの子たちはどうなるのかちょっと気になって聞いたことがあったのですが、おばあちゃんも屠殺する現場は実際に見たことはないそうです)

肉というと最近のメディアでは大量生産されている肉に関してはネガティブな面ばっか映りますよね。それがきっかけで肉を食べることに倫理的に反対してビーガンになる人も多くいるくらいです。

私も環境について興味がある身分としては、農業や堆肥がもたらす環境への負荷、大量生産による倫理的に反しているお肉の育て方についてはどうかと思います。でも、知っておいて欲しいのは、そういう現場が全てではないと言うこと。

お肉と関わる仕事って本当はすごく尊いんです。生きる動物を育てるってすごく大変なんです。毎日働いていないとできないし、自分の都合で辞めることもできないし、一匹づつ牛を把握していないといつ牛が調子が病気したのかも気づかないし、いつお産に入って子牛が産まれそうになるかもわからない。みんなが食べてるお肉の裏には必ずこう言った農家さんの顔と血と汗と涙がきっとしみこんで作った肉を食べてるんです。その人たちの努力なしでは、すき焼きも豚丼もハンバーグでさえも食べられません。

でも、今のメディアだけだと、その努力の滲んだ肉を作ってる人たちが全員悪人みたいに見えてしまう。何も知らずにその悪い面だけを見ている人に犬猿され、憎まれ口を叩かれてしまう。それが本当に悲しい。

私は、身近に農業に携わっている人がいるからこそ、おじいちゃんとおばあちゃんがやっていることを悪だと一回も思ったことないし、むしろこの仕事をしてくれている二人を心から誇りに思っている。そして牧場の人たちは、お肉を買ってもらうことで生計が成り立っている。その人たちのことを知ってるし、どういう仕事なのかをちゃんと見てるから、私はやっぱり完璧に肉を絶つことなんてできないと思う。

(まだ見たことはないのですが、屠殺現場の美しさをドキュメンタリーとして撮影した「ある精肉店のはなし」という映画があるので、興味ある人はぜひ見てみてください!)

今日はとりあえずここまで!
②に続きますー!

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