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よこはま・せんしゅめーかん。

新企画(?)。過去にブログにて一軍選手を中心に1年間見た感想をただ書く「つうしんぼ。」という企画をやりましたが、今回は今年への期待を込め、新加入選手についても映像などを見て今感じることを書いていきます。これからキャンプ・オープン戦、そしてシーズンと野球を見ていく上でチェックポイントのひとつにでもなれたら嬉しいです。

毎度毎度になりますが、こんな素人の感覚に興味を持ってくれる・面白がってくれる方には是非読んでいただけたら嬉しいです。
逆にそうでない人はイライラするだけだと思うので、今すぐこんなページ閉じて古畑任三郎でも観ましょう(マジでおもろいから古畑、デアゴスティーニで今買えます)。お互い嫌な思いするよりは数段いいのかなと。w
では、始めます!

選手名(背番号順)

00 宮本 秀明

年々出場機会が減少する瞬足外野手。
盗塁技術のある代走は横浜にいないのでそこを磨いていくしかないだろう。打撃では代打に強い楠本、実績のある神里、長打力を秘めた細川や蝦名らも控えていて別の武器を持って挑む方が一軍枠奪取は近づく。
とはいえ打撃ももっと伸びるのでは、というのが正直な感想だ。ポテンシャルはあるように見える。乙坂に近い打ち方だが、彼と違うのはトップまで手前で取っていることだ。結局耳の後ろまで戻して振るのだから1度でそこまで引いた方がいい。(1度最初から耳の後ろに置いて構える形をやっていたがその時はそこから更に引いてしまっていたので、乙坂くらいを真似るのが1番良さそうな気がする)
あとは一軍に来た時はもっと積極的でいい。丁寧にボールを見て追い込まれさっさと仕留められてたので、コンタクトが不安なら尚更早め早めの勝負に。

0 大田 泰示

オフに日本ハムから獲得。外野守備はやや劣化傾向こそ見えるものの水準が高く、打撃も日本ハムでは2割後半20本くらいは打てていた。
投手の奪三振能力が上がるといの一番に煽りを食うタイプではあるように思うが、昨年の不調は若干差され気味だっただけにも見えた。引っ張り気味のシフト、三振が増えると余計に長く見なきゃなど色々あったとは思うが、これから大田のホームは横浜になる。レフトスタンドに入れてしまえばくらいの割り切りもあっていい。クロスステップ気味に変化球をはらう技術もあり、速球のタイミングにしっかり入れればまだまだ打てる。期待している。
代打起用中心になる可能性などもあるが、日本ハム時代の得点圏打率は2割後半ほどと悪くない。ポイントを必要以上に下げるべきではないが、ここぞでヒット1本というようなアプローチにも期待したい。

1 桑原 将志

ついに開花した1番・センター。というか1度開花したっちゃしたんだが。
真っ直ぐはセンターからライトにも、変化球は下半身が粘れてレフトに残す。才能はあるから使ってほしいと再三言ってきたが、それでも昨年の桑原は想像を遥かに超える打撃を見せてきた。三浦監督の粘り強い起用も功を奏したと言える。
昨年の内容を保ってくれれば言うことはないが、強いて言えばランナーあり、特に1塁の打撃。中畑監督時代からの調教のおかげもあってかポイントが怖いくらい近い。自然に打てば広角に出る形になったのだから気にせず振ってほしい。能力だけならだが、2番だっていける。
もう1度、想像を超えてきてもらいたい。

2 牧 秀悟

想像を超えてきた男、早くも2人目。とにかく驚いた。変化球対応はそれなりに良いと思っていたが決め球になる質の外スラにもついていけるのはかなりの才能。後半にはインサイドも回れるようになり、今では4番打者として相応しいとすら思わせる。面構えといい、とんでもないルーキーがやってきた。
守備面ではハンドリングは非常に柔らかいと感じた。特に経験が浅いはずのファーストは相当に上手く、試合後半のセカンド柴田とのコンビネーションはまさしく守備固めという安定感だった。
今年の課題はまずセカンドの守備だろう。届くところは上手いが、範囲はもう少し広げられたらなお良い。足を使ってしなやかに捌く大和、ポジショニングはピカイチの藤田らからも吸収できるものは多いだろう。あとは出続けることだろうか。ルーキーイヤーの春先から異常な出ずっぱり起用で夏場に腰をやったらしく可哀想だったが…
バットマンとしては言うことはないので、セカンドのレギュラーとして本物になれるかどうかだけ。

3 藤田 一也

楽天から加入。この藤田の補強は大きい。
流石にもうショートというわけにはいかないだろうが、他ポジションの守りは高いレベルでこなしてくれる。藤田がいることで、終盤のセカンド守備固めでも重宝していた柴田がショートのレギュラー競争をやりやすくなる面もあるだろう。
守備固めとして優秀であろうことはもちろん、代打で使うならヒット1本、あるいはバント1つ決めてほしいという場面で頼れる選手になるはずだ。優勝経験があるという点でも横浜には貴重な人材。ベンチリーダー的な役割まで含めて、大いに期待したい。

4 伊藤 裕季也

二軍の映像は常に張り付いて見ているわけではないが、たまに見るとその度に違う打ち方をしている。フェニックスでは形は少し良くなっていたが近めで打つ癖がついてるようにも見えるので、手が出てきてしっかり叩けるようにしてくれたら。守りは良くなったし、打撃も良い時は速い真っ直ぐを潰せるだけに燻るにはもったいない選手。
ちなみに半分冗談半分マジだが、ショート守れたりせんのかと思っている。まぁ、とにかく打て。

5 倉本 寿彦

本人はそこに落ち着く気はないだろうが、第3ショート・ピンチヒッターと適正な起用になってきてその役割をきっちり果たしてくれているように思う。中間球の捌きは相当上手く、合う左投手も多いため使う側次第で十分輝く選手という印象を持っている。
今年は小技や守備技術で上回る藤田が入るため、打撃でとにかくアピールしたい。ピンチヒッターには普通に欲しいので、速い球に最低間に合うくらいにはしておけたらいい。

6 森 敬斗

編成の歪みから早くもキーマン呼ばわりされているプロスペクト。一軍で出番を与えてみたら真っ直ぐは叩ける、ただ速いだけでなく「起点になれる」足、バズーカみたいな肩でBクラス確定でつまんねーなんだこれとなっていた夏の私の心も大いに癒してもらった。
出続ける体力、対左アプローチ、バントなどはレギュラーを目指す上では課題になる。
一軍で通用する可能性、という点では二軍の中でもずっと森がナンバーワンだと思っている。対左は右と少し見方を変えるなど少しの変化で克服できる可能性も感じるし、頑張ってもらいたい。

7 佐野、 8 神里、 99 ソト

ここまで書いてから思い出したが、
#7 佐野 恵太
#8 神里 和毅
#99 ネフタリ・ソト
この3人については昨年シーズン終わりのnoteにて書いているので、ここで繰り返すことは避ける。興味がある方はこちらへ。↓

9 大和

ラミレス監督が1度やって諦めた2番起用が何故か再開し、苦労しているように見えた。大和に限らずだが良い時に右に打てるのもライナー系の打撃で一二塁間を丁寧に抜いたりしているわけではないから2番にすればいいってものでもないとか、そういったことはもっと感じてもらいたいものだ。タイプ的に伊藤光との打順入れ替えは妥当で、本来の勝負強い打撃が生かせる下位に移って大和らしい活躍も多く見られるようになった。
来年も7,8番で打席数の負担は減らしつつその勝負強さでチームに貢献してくれたら嬉しい。走力もそれなりにあるし守備もまだ動けてはいる、まだまだショートのスタメンで出てもらうことになるだろう。仮に森の台頭などあれば、代打起用などにも適応してくれたら将来的にも文句なしか。

10 戸柱 恭孝

ディフェンス面で重宝するベテラン(っぽい風格の)キャッチャー。打撃に関してはポテンシャルに比べ寂しい内容が続いてもいたが、昨年途中からの低い打球を打つアプローチは相当良い。戸柱はホームランを打つ様が綺麗すぎて長距離を期待されたりもしているが、むしろフライで飛ばすより、スイングの線を長く取れるためライナー系の打球を打つことの方が長けている選手だとずっと感じていた。実際今までも内容が良い打席はヒットで良い得点圏の場面などが多かった。
ゲッツー打ったって7番か8番なのだから別に構わない。低く強く、勝負強い打撃を今年も期待したい。守りは配球、フレーミング、盗塁阻止などレベルは十分高い。

11 東 克樹

トミージョンから復活を遂げた左腕。スピンの効いたストレートとチェンジアップのコンビネーションが悪魔的に空振りを奪っていくあのルーキーイヤーの姿からは、少し今の投球は寂しい。トミージョンは靭帯が馴染むまでに年月がかかると聞くし、今年はより強い速球がいけばチェンジアップと相乗効果も大きくなるのではと期待。スライダーはやや山なりのスライダーだったが、カットボールを投げ始めた点は良いと思う。しっかり曲げられてもいたが、東の構成であればそれで良いと思う。

12 阪口 皓亮

開幕したての頃は最も良い(マシ?)とすら感じさせた右腕。想像以上に成長してくれていた矢先で怪我してしまったのが惜しい。
カットが良い投手と認識していたが今年はトップスピン気味のスライダーが凄く良かった。カーブの抜けもよく、スライダー方向の球は仕上がってきたと見ていいだろう。
シュート方向、スプリット系は今ひとつで改善の余地がある。そのあたりをどうクリアしてくるのか期待して見たい。

13 伊勢 大夢

少しずつアングルが変わり、昨年は真っ直ぐの威力に限れば相当のものになった。ミドル〜ハイのあたりで空振りがしっかり取れるのは素晴らしい。
フォークの質は未だ改善の余地があり、スライダー系も一時期封印していたが投げた方が良い(最終盤には投げていた)。なんなら入団時はスライダー系の才能の方が目を引いた投手なので、その辺も伸ばしていってもらいたい。
別選手の項でも記述するが、投手は球種を減らすことのリスクはよく知るべきだ。先発や勝ち試合で投げるリリーフを目指すなら尚更。この伊勢の場合フォークとのツーピッチでビハインド登板、5-6回あたりの登板はなんとかなっていたが抑えを目指すというならスライダー系もしっかり整理するか、それがどうしても嫌ならあの質のフォークは要改善になる。あれだけ真っ直ぐもフォークの良い栗林でさえもカットを投げ、カーブを投げているあたり抑えというポジションに求められる能力について感じ取れるものは大きいのではないか。

14 石田 健大

蓄積した疲労の影響もあったか、昨年は期待値からすると残念なシーズンになってしまった。良い時の石田はパターンが決まっている。コーナーに決められる真っ直ぐのコマンド、スライダーはゴロ質で相手の右左・カウント・場面にも幅広く対応でき、決め球のチェンジは空振りを多く取れる。これでいうところの真っ直ぐ、スライダーは良い時の水準にほぼ到達しないまま終わったように見えた。(若干横振りになってるのもあるのかな〜とかもちょっと思ってる。)
どうしてもスライダーの軌道を真っ直ぐに乗せきれないなら別でカット系を投げてもいい。何故か起用法ばかりが言及されるが石田の良い時の形に戻して初めてどちらに向くかなどと言った話になるのではと思う。(個人的には田口的な使い方ができたらと思うが)まずはそういった調整を本人・チームがしていけたら良いのでは。ポジション、投球について本人がどう考えているのかも興味深く、個人的に今いちばん話を聞いてみたい投手。

15 徳山 壮磨

ドラフト2位ルーキー。大きく分けるとストレート、カット、カーブ、フォークあたりが中心だと思うが完成度は高い。フォークの落差はなかなかのものがあり、またカット(ってかスライダー?)の軌道もそれほど緩くなくこの2つは映像を見た感じでは左右どちらにも投げられていた。決め球はプロでも通用すると思って自信をもって投げていってもらいたい。
速球はシュート投げてんのかってくらいシュート幅が大きく(というか4シームと投げ分けてるかも)、左打者のインサイドにフロントドア気味に入れるっぽいこともやってはいるが今後も使い分け含めどうしていくのかは気になるポイントか。カーブも投げてカウントは丁寧に取っているが、決めにいくまでの道程の整理がプロで活躍するための鍵になってきそうだ。すぐ使える可能性も十分あるので期待している。
参考動画↓

16 大貫 晋一

本人からすれば納得のいかないシーズンだったかもしれないが、それほど心配はしていない。昨年の悪い時期はとにかくスライダー系が決まらず、ツーシームとスプリットの差別化を図った分小さいツーシームを狙われ痛打されていた印象だ。カット・スライダーが再び決まりだしてからはツーシーム系も効果的に決まり、また本来の姿が見られた。
カットと縦気味のスライダーの使い分けは特に一級品で、2シームがあるからこそ4シームの質は大事になってくる。この2つが良くなってからは特に心配ない内容だったので、今年もここがコケないように調整してくれれば2桁近い勝ちは計算できるのでは。DeNAの中ではトップクラスに引き出しの多い器用な投手だと思っているので、今年もその多彩な投球術を是非見せてもらいたい。

17 三嶋 一輝

こちらも昨年言われていた感じほど心配はしていない。スピンの効いた4シーム、スライダー、パワーカーブ、フォーク。フィールディングや牽制も良く本来は抑えとして必要なものを全て持っている。熱さと冷静さを兼ね備えたような精神の部分でも個人的には好みの投手。
昨年は怪我の影響かフォークの質が落ち、栗林がやっていたような決め球フォークに戻れる投球でなくなった分、抑えとしては怖い投球になったのだと思う(6-8回なら普通に見れる投球にはなったと思うが)。万全であれば抑えで心配なく見られるはず。
あと巨人戦はそれにしても打たれすぎていて、単純な投球内容以上に何か見破られているとか色々な可能性を考える必要がある。

18 小園 健太

ドラフト1位ルーキー。高卒で入ってくる投手にしては色々と出来上がってる感がある。新人合同自主トレも生で見させてもらったが、体の使い方などは相当良く見える。
高校時代の投球は試合によって球種の使い方がかなり違っていて正確に判別できるところまでいっていないが、ストレートにカット、スライダー(スラーブっぽい)、チェンジ、カーブ、ツーシームくらい?ストレートはピュッと出て速いみたいなのを感じるし、カットやツーシームを必要な変化量・強度を理解しながら構成にしっかり組み込んでいけたら。決め球のスライダー、落とす球ももう少し質が上がってくると良いか。

19 山﨑 康晃

最後の方でグダグダっとなったが、十分戻してきたシーズンだったのではないか。ツーシームとスプリットの差別化で決め球に必要な変化量などはより徹底できていたと思うし、中盤までは真っ直ぐの走りやコマンドもそれなりに良かった。7-8回を投げるリリーフとしては十分な内容だったと思う。スライダーも悪くないが、一時期は投げすぎた。ある程度ほかの球種と近いラインに乗せつつ上手く混ぜれば有効だ。カットも投げられるなら投げていい。
昨年は五輪などイレギュラーも多いシーズンで苦労も多かっただろうが、今年は1年間一軍勝ちパターンの一角を担ってくれれば。

20 坂本 裕哉

殻を破りきれない、といった印象の左腕。才能は感じるし、カット・スライダー、スプリット系の投げ分けや使う幅にも理解があって丁寧に投げているが安定しない。大貫も一時期困ってここに立ち返っていたが、やはり鍵は4シームになると思う。この強さを出せれば他球種も生きる。4シームが弱い時はだいたい角度も若干寝てスライダー系の縦変化が弱くなり、バットに乗りやすくなって打たれているようにも見える。何十打席かノーヒットの佐藤輝明に打たれたものなどまさに、体勢的には打ち取っているもののバットの下に潜れていない分ヒットになってしまうみたいな感じだった。
そこさえ破れればクレバーな面などはあって一気に伸びてくると個人的には期待している。注目の投手のひとりだ。

21 今永 昇太

何事もなければ2022年の開幕投手になるであろうピッチャー。投球はもちろん、打撃でも貢献し内容どうこうよりとにかく勝利をというその姿勢には頭が下がる。
投球内容を掘り下げると、今年は4シームの質の高さはもちろんだが落ちる球の投げ分けという芸当をやってのけた。理論上は中指、薬指の力の入れ具合でスプリット系を投げ分けることは可能だが、カウントをスイングで増やす逆カットのような球、大きく落とす決め球、少し抜いて見逃しのカウント球などあれだけしっかりやってくるとは流石だ。
一方でスライダー系は課題があるようにも見えた。こちらも使い分けはしているがスプリット系ほど良くなく、小さい変化をゾーンに残し痛打される場面もあった。大きく曲げるスライダーは空振りを取れて十分いいので、より速いカット系の強度、変化量はより徹底出来れば両方向の使い分け変幻自在+4シームが強いという文句なしのピッチャーになれる。エースと呼ぶのはそこまで取っておこうと思う。

22 入江 大生

歴代のドラフト1位スターターに比べ入団時の課題は多いように感じていたが、悪い予感は的中してしまった。とにかく真っ直ぐを!というような投球でとてもプロの先発投手の内容ではなかった。
4シームは良いが、他の改善点は多いように感じる。まずカウントを何で取るのか。ツーシームは落ちきらないフォークという感じでもう少し真っ直ぐに近い強さを出すのか落とすなら落とすのかハッキリしたいし、スライダーはカウントに使いやすい球ではない。別でカットを投げるなどしても良いだろう。決め球のスライダー、フォークも単純にデカいため軌道や制球などは更なる向上が求められる。

23 タイラー・オースティン

NPB2年目にして完全に適応した感じがある。少しゾーンを下げ、より変化球対応は良くなった。かといって極端に速球に差し込まれることもなく素晴らしいバランスで1年間その打撃を見せ続けてくれた。隙をついて盗塁、守備でも積極プレーが目立つなどクレバーさ、メンタリティの面でも素晴らしい外国人選手。
お願いだから怪我しないでね、とかしか言うことがもうない。

26 濵口 遥大

開幕投手に選ぶ采配は自分も賛成だった。今永、東ら本来エース格として頭にもってくる投手が遅れていたため、日本シリーズの支配的投球のようやパッションとポテンシャルに賭けて濵口という選択は悪くなかったが、応えられなかった。
何せあのスライダー封印はあまりに悪手だった。要は速球か抜き球を待てば良いとなり、カウントも丁寧に進めなければならない。スプリットを入れることで解決しようとしていたが強度と変化量の両立という点でスライダーより劣っていた。意図はあったと思うが、有効だった球種をわざわざ減らすリスクを知るべきだった。
構成は整っている上でシーズン持ってくれるかという段階で語りたかった投手。去年もスライダー系を投げ始めてからも結局最後の方はバラつき出してしまっただけに、今年はバランスを整えた上で走りきれる投手になってもらいたい。

27 上茶谷 大河

昨年はとにかく迷いが大きかったように見えた。器用に色々なことができてしまう分、登板ごと、なんなら1球ごとに違うことをしていたようにすら見えた。
2019年、2020年の夏あたりの投球は支配的と言える内容を見せている。カットはカウントと縦の強い決め球、スライダーも大小が使えてバックドアなども可能、カーブも100キロ台まで抜くことができスライダー系に限れば球界でも相当起用な部類に入る。昨年はツーシーム、チェンジアップあたりも投げられてはいたので元々の武器と昨年まで試したそういった球種を合わせ、集大成として今年に出してくれたら良い。
個人的には、彼がキーマンだと思っている。どの投手もなんとなくこのくらい勝つというイメージが出来るが、この上茶谷だけは想像できない。また2勝でしたみたいになる気もしないでもないし、能力的には12個とか勝ってもおかしくない。上茶谷が良い時はチームも強いイメージがあるし、彼が2桁勝つなどがあればAクラスも現実的に見えてくる。

28(028)勝又 温史

後に出る平良とこの2人は、背番号も彼らのために空けるっぽいのもあってあえて元の番号で項目に入れる。投手としても真っ直ぐに近い軌道から大きく切れるスライダーには才能を感じてはいたが野手として再出発することになった。
打撃はフェニックスで既にコンタクトはしっかりできていたし足も速い。近めのポイントでもハードヒットしていてなかなか面白い。それこそ前でも叩いて引っ張り、長打などイメージできるようになったら出てこれそうか。野手転向を決めてから、二軍とはいえ早速結果が出せるその適応能力でどれだけ伸びるか楽しみにしている。

29 伊藤 光

昨年はその柔らかい打撃が評価され2番起用までされたバランス型捕手。年齢もありコンディションは年々調整が難しくなっているようには見えるが、まだまだ必要な存在だ。
守備面では肩は流石に必要最低水準を下回っていたが、手術をしたと聞いた。配球はところどころ頑固さというか強気すぎるところはありつつもバランス感覚などは良いため、先発起用向きだろう。
今年も急に2番で出ずっぱりなどは避けてもらいたいが、上手く他と回しながら使い捕手の中で高い打率と出塁率を保ってくれたら。

30 三浦 銀二

ドラフト4位ルーキー。徳山と構成は近く、抜けのあるカーブ系でカウントを取りつつスライダーとフォークで決める。投げ方はダイナミックだが真っ直ぐを丁寧に隅に投げながら決め球の2つはしっかり変化量を出すというような投手に見える。
出力は単純にもう少しあった方がいい。力感のままの球が来てしまっている感じもある。
良い時の石田健大のような投球が出来たら良いだろうか。
参考動画↓



31 柴田 竜拓

昨年は怪我での離脱も多く、不本意なシーズンだったであろう。いる期間は守備では例年通り貢献してくれたが、打撃では今一つだった。
特にアプローチの面ではところどころよろしくない内容が続いた。積極的に叩いていいところで叩けない、逆に甘めだからとりあえず振ったかのような打席もあり、トータルで安定しなかった。
内角に強い分、進塁打にならないよう外攻めも予想される2番は案外フィットしていない可能性も感じている。
積極的に叩けるものは叩いていいし、近めの速球も捌く能力は持っている。下位で自由に振らせても良いから、とにかく2割後半くらいは欲しい。ショートのレギュラーはそろそろ奪わないと。

32 益子 京右

昨年一軍初出場も果たした若手捕手。スカウティングでも重視されている肩に関しては相当強い。相川コーチも益子をレベルが高いと評価していたし、守備スキルは順調に伸びてきていると見ていいだろう。配球面はエキシビションで見た感想はまだまだ危なっかしいところもある、といった感じだったがまぁこれからだろう。横浜の一軍捕手は総じて配球バランスは良い方なので、色々吸収してくれると良い。
打撃も随分良くなっていた。二軍レベルなら十分やれるだろう。一軍でやるにはもう少し手が出てきてほしいが、逆にそこがクリアされてくると活躍の目も見えてくる。

33 粟飯原 龍之介

ドラフト3位ルーキー。体格、足や肩といった努力では得られないものを持っていることを評価され上位での指名になったようだ。打ち方はソフトバンク柳田あたりを参考にしているのかとにかく強く振り、角度をつけたいというようなスイングをしている。一軍で打つために必要な形、タイミングを守りつつその良さを守って成長していけたら良い。走れるなら盗塁技術の向上も意識しておいてほしい。
現世代の横浜のレギュラーは本当に盗塁ができない。走れるレギュラーの貴重さは痛いほど感じるだけに、そういう選手になってくれたら嬉しい。

34 平田 真吾

毎年数十試合の登板をこなし、ビハインドから人が足りない時は勝ち試合、火消しまでこなすリリーバー。数字ではそれほど凄みを感じさせるわけではないが、こういう投手がいるからチームが回っていく。
内容に関しては強度のあるツーシーム、カット、独特のスライダー、フォークとあるのだから右左関係なくゾーンを広く使ったピッチングが出来るはず。4シームの伸びも含め4方向に割っていくイメージがもっと欲しい。対右は外スラ中心でも十分好成績だが場面によってはより幅を広げても良いと思うし、左にもツーシームをしっかり曲げて、カッターももっと使える。先発してみてもと思っているくらいだが、中継ぎで幅を出しつつチームを要所で助けてくれたら良い。

35 三上 朋也

DeNAのブルペンリーダー。経験豊富で困った時にいないポジションを埋める働きはベテランとして非常にありがたい。
内容で言うとスライダーだけでなくシンカー系なども使ってはいるが強度のある変化球がなく、接戦や火消しなどで使うにはやや怖いというのが正直な感想だ。どこかでカットっぽいスライダーを投げていた気もしたので、ああいう強度のある球はひとつ持っておいてほしい。どのみちぬるくなるならスライダーはもう少し前の抜け感もある独特な軌道の方が有効な気もしないでもない。

36 髙城 俊人

オリックスから再獲得はしたものの、正直戦力になっていない。ブロッキングやスローなどは一定のレベルにはあるのだと思うが、守りは若い山本も出てきているし、正直打つしかないと思う。2017年は2割5分くらいあったと思うが、あの頃は比較的良い打撃をしていた。オリックスでどういう指導を受けたか分からないが再び横浜に来てからは変に腕を絞っていたり手と体が分離してたりで打球が飛ぶイメージも速い球を返すイメージも全く湧かない。

体とか諸々含めて17年くらいの感じに戻してやってくれれば良いのだが。経験と捕手技術があれば試合後半の途中出場などもできるし、頑張ってもらいたい。

37 楠本 泰史

昨年はよく頑張ってくれた。向いているとは思われつつも結果が出なかった代打起用についに応え、控え・若手野手の打撃がいまひとつ伸びないDeNAでだ1人輝きを放った。
今までは何でも当てられる分、体を簡単に崩しやすい印象も持っていたが昨年は芯の通った打撃になっていた。読みと外れてもなんとか手が出てきて、甘めは捕まえにいける。ヒット1本出しにいく打撃はだいぶ覚えてきたのではないか。ポジションはないが次のステップは当然レギュラー、その機会があるかは微妙だが期待したい。
あと、ファーストかサードの練習をやってくれたりしませんかね…?

38 田中 俊太

獲得が決まった時は非常に嬉しい補強だと思っていたが、昨年は苦しいシーズンになった。ここ数年優勝争いが続いた巨人ではしれっと良いところで仕事をしてくるイメージがあったが、横浜ではそういった場面をまず用意してあげられなかった。
アプローチなどはイヤらしいものがあり開幕戦でも見せてくれた通り。順位が上にいけばいくほど使いたい選手ではある。二軍に長く置いたらすっかり二軍用の動作マシマシフォームになっていたが、今年はチームの順位も上げ、田中俊太のヒット1本に歓喜する秋を迎えたい。宮﨑離脱時の貴重なサード候補としても期待する。

39 嶺井 博希

自分はこの選手のポテンシャルを大いに買っている。守備面では戸柱・伊藤(山本もこれに近い)あたりのバランス型配球に比べ嶺井は少し癖があり、使い分けるには面白い捕手だ。基本的なスキルもあって、なによりバッティングにポテンシャルを感じる。対左は中軸選手と変わらないくらい打つし、二軍に置く意味も感じない。右方向にも飛ぶし、2割5分2桁ホームランくらいはやれる選手では?と思ってしまう。

今年こそは一軍で通年見たい。対左の代打などでも全然使えるはず。
(宮﨑が怪我した時のサード候補がコンタクト型の左ばかりなので、大田か嶺井あたりサードの練習できない?とか思ってますが、まぁ、やらないと思います。)

40 松本 龍之介

久々の横浜高校戦士。体もこれからまた大きくなるかもしれないし、変化球系は課題ありとしか言えないがしっかり指にかかった真っ直ぐの走りはなかなかのものがある。高い上背がそう感じさせるのか分からないが、ここは才能と言っていいだろう。少しずつ試合を数こなせるようになっていけると思うので、まずは二軍でしっかり成績を出せたらいい。


41 櫻井 周斗

伊勢と並んでこの2人はシーズン最後まで一軍に食らいつき、内容は大きく改善された。対左は特に変化量と強度を両立したカットを外に集めつつ内角に強いツーシーム、ナックルカーブも挟み抜群の内容だった。対右は決めのチェンジまでの道程をまだ整理する余地があるが、この投手が持つ変化球の強度は日本人投手の中では異質に見える。今年はリハビリからのスタートになるが去年以上の内容を見せてくれるのではと期待している。
12回制になって人が足りないなどあれば、もしかしたら代打や代走で見れるかも…?

42 フェルナンド・ロメロ

正直来て最初の頃の投球を見た感想は、厳しいなというものだった。ツーシームを半分近くか日によってそれ以上投げていたが、MLBとの球の違いからか強度や変化量があまりない。他に警戒すべき球もなく、単なるゾーンの弱い速球として捉えられ苦しくなっていた。
そこに三浦監督の提案と大家コーチの指導(と何かで見た)が入り後半からは見違えるように良くなった。カット・スライダーの投げわけも良くツーシームも生きる。テンポよくストライクを重ね中6日あげるから100球以上いけたらいけというNPB特有の起用にも適応してきた。球速帯はもう少し広げられたらベストだが、今季もバランスよく散らしてくれれば十分勝てると見ている。

43 深沢 鳳介

ドラフト5位ルーキー。一軍でやるには当然体つきなどもう少し大きくしてもらいたいが、内容は意外に面白い。サイドハンド気味で平良と比較されやすいがこの深沢は高めの真っ直ぐを有効に使っている場面が見られる。スライダーも抜けがありつつ軌道はまとまっていてイヤらしく、カーブもかなり遅い。スライダー系、抜く才能などはありそうで良い意味であまり完成系をイメージせず仕上げていきたい選手。いずれは平良などの投球術を参考にすることにもなるだろうが、今は体づくりと先に挙げた深沢らしい良いところを磨いてくれたらと思う。

44 小深田 大地

昨年は仁志ファーム監督の期待を大いに受けていたように思う。まだまだではあるが、スイングは強く逆方向へのホームランも出るなど面白いところもある。コンタクトヒッターに多いようなスイングの線が短い選手なので(若干倉本っぽい)、引っ張り方向は特に右手を長く取れたらより良いのでは。構えも入りすぎたりしている時期があるので良いバランスを掴んで、左"にも"打てるバッターを目指してくれたらいい。

45 マイケル・ピープルズ

格安残留が決まった助っ人。投げ下ろす強い4シームは威力がありビハインドリリーフなどでは重宝するが、変化球はより良くなれる気がする。決めになるチェンジアップはしっかり落とせるようにもなってきたので、特にスライダー方向はもう少し整理したい。もう少ししっかり曲げられたら…と思ってしまう。このあたりもクリアすれば先発もいけるし、もう少しランクを上げたところのリリーフ起用でもいい。穴埋めではなく本物の先発・中継ぎユーティリティーになってくれたら非常にありがたい。

46 田中 健二朗

復活を遂げた横浜ベイスターズ戦士。戻ってくるとアングルなど諸々が変化し、以前のスローカーブが武器の投手からカットボール(スラット質)の良いリリーフに様変わりしていた。生き残るにはむしろこちらの方が使い勝手が良いし、砂田に全て押し付けている対左ワンポイントも田中にも託せるようになる。あの球の精度をとにかくあげ、他球種とのコンビネーションを高めてもらいたい。砂田と田中、対左を2枚持っておけると接戦でも優位に運ぶことができる。期待している。

47 砂田 毅樹

昨年は本当によく投げた。スライダー系頼みな割に一時期これの強度が落ち、むしろ流せる左打者相手には怖い投手になってしまっていたがここを持ちなおし、更に左のインサイドにシンカー系のボールを食い込ませたり、スライダーもフロントドアに使ったりといった芸当もできるようになってきた。メンタリティも火消し要員として年々磨かれてきているようにも感じるし、有難い選手である。打者を名前で見すぎず打ち方などでタイプ分けしているみたいな話は考え方として相当良いとも思った。
引き出しは十分なので、変化球の強度さえ保てれば今年も計算できる。ここ2年Bクラスの割に稼働数がえげつなく勤続疲労も相当心配だが…。

48 京山 将弥

いよいよ開花間近、と言っていいか。昨年は質の良い4シームに加えカットボールも必要な強度・変化量を両立し投球の軸というか、土台はだいぶ作れてきていると思う。(先程から強度と変化量というワードを再三出してしまっているが、下の動画から言いたいことを感じてもらえたら。)

課題はスプリット系含めて変化球全体の再現度と、あとは精神的な部分もあるだろうか。落とすスプリットやチェンジアップも良い時は綺麗に落とせるが、落ちも弱く軌道も少し緩んでただちょっと遅い球として危険な残り方をする時がある。横浜は捕手の傾向として真っ直ぐ偽装の変化球でカウントを重ねる配球が多いだけに、ここが崩れるとどの捕手とも相性が悪くなる。(嶺井なら…ってとこもちょっとあるけど。)
またせっかく好調でも少しアンラッキーな出塁などで崩されやすいのももったいないポイントだ。横浜の若い投手の中では一皮むけた時に通用するイメージは最もしやすいだけに、非常に期待している。今年2桁勝っても驚かないだけのポテンシャルはある。

50 山本 祐大

昨年一軍で本格的に起用が始まったが、想像以上に守りは良いと感じた。まず配球面だが、戸柱や伊藤が持つようなバランス感覚はしっかり持っていて、攻め手の幅も広く考えられるように見えた。相手打者の特性などはまだ理解しきっていないようにも感じたがこここそ場数を踏めば分かってくるところだろう。特にロメロの扱いは相当良く、見てて安心するコンビネーションだった。肩、ブロッキング、フレーミングも軒並み良さそうだ。
若さもあるし、打撃さえもう少し良ければ起用はもっと増えていくだろう。今のところはどう見ても一軍では打てない打ち方をしているのでそこが改善されるかが今年の見どころ。インサイドの球を手元のポイントでも左手を引いてフェアゾーンに入れ込む技はあるので(下動画)、届くところで速い球にもしっかり入れる形になるかどうかだろう。

51 宮﨑 敏郎

頼れる5番打者。昨年もその打順をしっかり守ってくれたと言っていい。速球対応はDeNAの中でもかなり優秀に見えるし、年齢を重ねても強い球に負けない打撃をし続けているあたりは流石だ。外の強度のあるスラット系には流石にやや弱くなってきたが、そっちも気にして手打ちになって速球も差されて…みたいな時期もあったので今の形で打ってくれれば十分良いと思う。
全球種、色々なタイプに対応出来るイメージで言うと牧も出てきたが、最強打者(今ならオースティン)の後ろにつくにはそういった選手が最適だろう。オースティンの後ろか、そこにつく牧をカバーする役割などでコアの後ろを打ってくれたら今年も良い働きをするのでは。

52 細川 成也

なかなかまとまった機会を与えられないこともあるが、「伸びきらない」の代表格とも言えるだろう。彼の場合スイング自体はそこまで悪くなく本当にタイミングに入っていけるかどうかだけ。横浜の二軍には他にも何人もいるが、この動作をシンプルにするというのは簡単なことではない。
タイミングの取り方や形では横浜どころか球界でも屈指の滑らかさを持つオースティン、自主トレでは動き自体を大きく取る分早く始動して1回でカチッとトップを作る浅村に師事していると聞くが非常に良いことだろう。彼らのどちらかに少しでも近づけたら活躍出来る。 

53 池谷 蒼大

昨年一軍で登板機会もあったが、正直あの時点ではまだ通用するレベルではないように感じた。チェンジアップは良く決め球にも使えそうだがスライダー系は緩く、4シームの質や強さも感じなかった。
カットボールを投げ始めたのは非常に良いと思うのでこれの質を高めながら(櫻井のカットあたりが強度と変化量では相当参考になると思う)、4シームも相手と勝負できる球になってくれば面白い。小さいのも武器なので、逆に高めに吹かせて空振りなど取れるようになったら大きいだろうか。阪神岩崎的な。

54 浅田 将汰

正直色々とまだ一軍レベルにはないのだが、110キロ台まで抜くチェンジアップ?とキレのある120中盤くらいまで出るカーブは面白いボールだ。今の横浜の投手ではあまりいないタイプに見える。(加賀美とかっぽい?)
出力・4シームの質を上げる、4シーム偽装の中で振らせるカウント球や決め球を作れるかなどの課題はまだあると思うが、逆にそこが整理出来れば抜き球も良いローテーションのアクセントになる投手になれる可能性も持っている。

55 田部 隼人

アマチュア野球をほとんど見ないので大型野手とだけ聞いていたが、大きいのは背丈だけで入ってきて見たらコンタクトの面で面白い選手だと感じた。ただの中距離打者でなく抜くようなチェンジアップやカーブを待って打つのはちゃんと上手い。二軍の変化球なら十分対応出来るだろうと思う。もう少し体ができて飛ぶ方が良いが、形も比較的綺麗で真っ直ぐを叩けるようにしながら変化球についていくこともできなくはないのではと思う。
究極の理想は宮﨑だろうか。

56 高田 琢登

昨年は二軍で1登板、怪我もあったようでリハビリからスタートとなる左腕。真っスラ気味の直球と質の良いチェンジアップ、大きいスライダーでアマチュアでは多く三振を奪っているのを見た。
大家コーチがいて中間に入るカットボールやツーシームは指導できる自信もあってか決め球の質はこだわってスカウティングしているのだろう。確かにチェンジアップは良い。実際大家コーチが教えるようなカットやツーシームを覚えたいという発言もしているようだし、確かに今の構成だと左打者への攻め手などに欠けるイメージもあるのでその辺をどうしてくるか注目している。

57 東妻 純平

甲子園でも活躍した若手捕手。当時から話題になっていたフレーミング技術があり、また肩も強い。ただ打撃に関しては高校で見た時よりも小さくなってしまっているような印象を受ける。
特別焦らなければいけないような年次の選手ではないが、にしてもポテンシャルからすればもう少し打てる。ソフトバンク甲斐の元で自主トレしているらしいが打ち方など確かに似ているし、彼のようにしっかり体を作ってトップをもう少し深く取れれば打てるのでは、とも思っている。
入団していきなりの紅白戦でも落ち着いた振る舞いをしていたり、精神面は強いものを感じる。これからの選手なので焦らず一軍で見れる日を待っている。

58 梶原 昂希

ドラフト6位ルーキー。粟飯原と同じく肩や足といった身体能力、体の大きさなどといった努力で得られないスケール感を重視して獲得した(と勝手に解釈している)。
大学での打撃を見る感じは大型外野手の割にスイングの線が短く、あの形のまま通用する華道家は正直微妙か。すぐにレギュラーで出てくれないと困るような外野手事情でもないので大きく振れるように修正を重ねてからでも遅くないだろう。右の手がもう少し引けて長くフォローが取れたらもっと引っ張りが飛んだりするようにも見える。
盗塁も多く決めていると聞くが、むしろ早くから一軍出場の取っ掛りになるのは足になるかもしれない。代走で盗塁が決められるとなれば他と違う要素になるし、その技術がどのくらいのものかも注目したい。

59 (059) 平良 拳太郎

トミージョン手術によりほぼ全休が予想される右腕。離脱するまでの投球はエース格にも引けを取らない内容だっただけに惜しいが、万全の状態で戻ってきてくれたら良いと思う。
平良の投球はサイドハンドの投手としてはかなり幅の広いものだ。シンカーは対左だけでなく右にも外から入れるなどで使え、強度も変化量もある。スライダーも縦にも使えるためただ横の揺さぶりがあるだけではなく軌道を複数方向に散らせるピッチャーだ。この投球を見られるのは恐らく来年になるだろうが、復帰が待ち遠しい。

60 知野 直人

スケールの大きさを感じる内野手。守備はある程度見れるものでスピードもある。編成からしてもショートの争いに割って入るチャンスは十分ある。
打撃は皆が言う通りあのフォームで速球に入れるのかどうか。横浜は広島、西武あたりと違って打つ動作の多い少ないはあまりスカウティングで重要視されていなさそうで、二軍に同様の課題を抱えた選手が何人も存在する。
その中では知野は下半身も開き気味にして回りやすくするなどの技はあるので、手さえもう少し間に合う形になれば。ゆったりしたフォームの投手には間に合うこともあるが、今のままだと厳しい投手も多い。
ホームランを見てもスイングの線は良いので期待して見たい。キャンプの打撃練習などでもどうなっているか確認しやすいかと思う。

61 蝦名 達夫

知野と同じようなことを書かなければならない。足があって長打があるという点では確かに魅力的で、プロスペクトランキング1位だ!と持ち上げられてもいたが現状一軍で通用していない。
手の動作がどうしても打つ直前にガッツリ入るのをどうするか。そこ以外の動作は良く、二軍の成績を見ても捉えられる球速帯の中では再現度が高いことも証明できているのでその範囲を上げられるかどうか。手元で打っても飛ぶのだろうが一軍ではもう少しだけ前で捕まえるイメージもあっていい。
またこれは一軍だからかもしれないが、アプローチも良くない。どのカウントで何を捕まえるのかもう少し意識して入ってくれるといい。少しのきっかけで出てこれる可能性もある選手なので、そろそろ二軍の強打者からは卒業したいところ。

62 エドウィン・エスコバー

「男は黙って投げるだけ」などと良くない日本語を仕込まれ、鬼のように働かされている中南米外国人。その起用に応え離脱もしないタフさとパッションは、チームにとって非常に大きな戦力だ。
内容も年々成長が見える。4シームの質も良くなっているように見えるし、スライダーも色々投げているが年々良くなっている。横のスライダーもキレが出てきたし、縦も決め球にはかなり有効な軌道なので使っていってほしい。
↓これ

ツーシームもやろうと思えばより変化を出した球も投げられそうな気がする。
現時点で十分文句ないのだが、インハイ気味の4シームをもう少し使ってもいい。鈴木誠也やなぜか控えのアリエル・マルティネスに打たれたホームランはいずれも手の伸びるところで、それでも2人ともシャープに振って間に合ったくらいのスイングをしている。困ってもう直球勝負しかないとなってもエスコバーの4シームが近め、ベルトより上にくれば叩けるNPB選手はそういないのでは、とも思う。
ま、いずれにせよ怪我なく元気にやってくれればいい。

63 関根 大気

開幕スタメンに抜擢されるなど開花の機会を与えられたが、掴みきれなかったという印象が拭えない。
とにかく差し込まれる場面が多かった。相手にもバレていてストレートが来る割合も多かった。差し込まれている割に角度はつけたいのかポップフライも多く、内容のない打席が増えた。
今年良くなかった若手の右打者たちやこの関根、田中俊太あたりもそうだが速球に差されているというのはそれだけで土俵に立てていない。良い悪いはあっても2割5分くらいは打てる柴田と、そこにすら到達しない選手たちとではこの速球対応が決定的に違う。
良い時は低い角度で強く打ててフィールドを90度使え、小技もきく2番向きの打撃になっている。チームもそういう打者を欲しているだけに今年こそなんとか期待に応えたい。右の肘が抜けて前目で近めの速球を叩けるイメージも持てたらいい。今年は代打スタートだろうからリリーフ相手なら余計にこの速球対応が重要になってくる。

64 中川 虎大

昨年は成長が見える登板もあった。対ソフトバンクでは真っ直ぐを強くゾーンに投じながら軌道の良いスライダー、フォークと徹底し6回を投げきっていた。
中継ぎ起用もされていたが正直先発で見たい。ただでさえ力感通りの真っ直ぐが来るタイプで、中継ぎで出力が上がっているわけでもなかったので余計捉えやすい感じがした。ヤクルト高橋のような成長曲線に乗せる方が成功するのでは、と思っている。
カット系でもカウント管理できるしカーブもあるので上手く構成しながら真っ直ぐの強さが6-7回×毎週持つようなスタミナがつけば文句なく先発で使われると思うが、どういう調整をさせるか。中継ぎ用の指導を入れてそれで活躍できるなら勿論有難いので、そのあたりも注目したい。

65 宮國 椋丞

シーズン途中から出番を与えられ何度か登板を見たが、思っていたより先発らしい投手に様変わりしていて個人的には見応えがあった。
アングルなどが変わりフォークは前ほどのキレではなくなったが落ちはあるし、小さいカット、抜けもありつつ軌道はキュッとしたスライダー、これをバックドアなどにも使いつつ右の内角にシュートなども投じる。巨人時代は良くも悪くもフォークのピッチャーという印象だったが、新しい宮國の姿が見られた。
出力もノッてくれば140後半まで出たり、色々と魅力的な投手になっていた。先発としては少しブランクがあった分、スタミナはもう少し戻したい。それがクリアされれば谷間どころかローテーション入りも普通に狙えると思う。先発の一角として大いに期待している。

66 山下 幸輝 

コンタクトは一定の能力があり一塁の守備も上手かった。良い時は代打で役に立つ選手だろう。
ただこの選手は好不調を慎重に見極める必要がある。
何度も同じ話題で申し訳ないが、速球に差されるという課題はこの山下も持っている。良い時は速球も叩けて変化球もついていける良い代打なのだが、悪いと速球は間に合わずその分四球を取りに行っているのか余計振らなくなる。勝負の一打を求める役割で振らないというのは論外だ。昨年は6月頭には既に厳しいから見切るべきとツイートしたがなんとそこから1ヶ月も粘って起用してしまい、結果も出なかった。
変化球対応と選球眼はそれなりに良いので、常に初球から速球を叩く準備さえできていれば代打で一軍にいられる。そこだけは常に徹底していた元DeNAの後藤武敏などは代打打率もずっと高かったし、そういう代打になってもらいたい。

67 有吉 優樹

国吉との交換トレードで昨年加入。派手さはないが、ナゴヤドームの中日戦では先発としてまとまった内容を見せていた。スライダーは遅めでも左のインローにも投げられるキュッとした軌道、それを軸に目線を変える遅いカーブ、フロントドアなどにも使える2シームもある。その日の伊藤光の配球が良かったということでもあるが、あれを続けてくれれば先発として十分ゲームメイクできる。
2020年のディラン・バンディ(ERA3.29)が近い投球をしていた。この手の投手はスライダーの劣化やカウント取りの順序を間違うだけで大怪我になりやすく、バンディも昨年は大きく数字を落としていた。有吉は昨年二軍で打ち込まれたりなどもしていたが今年どうなるか。

?? ブルックス・クリスキー

こんなこと言ってしまったら元も子もないのだが正直来てみないと分からん。w
今確認できる映像を見た感じでは4シームと大きく落とすフォークか。印象で言うとクルーンに近く、体を大きく横に倒す分安定していない。手も見やすくせっかく速い4シームも空振り率が低い。
クルーンの場合は牛島監督が横振りを縦振りに矯正することで抑えレベルまでもっていったが、このクリスキーをどう指導するのか。注目したい。
そんなに横に体倒したいならそんな一塁側ギリギリ踏むなよ…ともちょっと思うけど。

100 宮城 滝太

注目している選手のひとり。宮城のことを紹介するためにツイートしたら森の肩で軽バズりしてしまいなんとも言えない気分になっている。
下のツイートにあるカット(スラット)、カーブ、落ち球もスプリットとチェンジアップを(たぶん)持っていて先発投手として持っていたい球はとりあえず揃っている。出力がもう少しあったり、構成・配球を覚えていけば面白い投手になるのでは。二軍でたまたま見た時はなかなか面白いピッチングをしていたので、一軍でもとりあえず一度見てみたい。

101 石川 達也

球速表示以上に4シームの速さを感じさせる左腕。ダイナミックな投げ方によるものでもあるだろうが、実際空振り率・ポップフライになる確率も相当高いようだ。
変化球は全体的に小さいものは小さい、大きいものは緩いという感じでまだまだ良くなれるとは思うが、とりあえず真っ直ぐの軌道からきっちり曲げられるor落とせる変化ひとつでも仕上げれば頭を出してきそうだ。支配下登録のチャンスも十分あると思う。

102 加藤 大

ダイナミックな投球フォームから力いっぱい投じる4シームは150キロを超える。実際高めで空振りが取れたりもしているので引き続き球質などに拘って強いボールを投げていってくれれば。あとはパワーカーブのような縦スラを投げていたが、あれだけ大きく曲げられるなら変にカットに寄せようなどとするよりは強度を出しつつ決め球として磨けば良いか。
実戦で使えるレベルの球はこの2つだろう、これを磨きつつ落ちるボールなのかカット系なのかもうひとつあれば中継ぎで出てこれる。

103 村川 凪

育成ドラフト1位で獲得した外野手。スピードが売りという評判の通り確かに速いのだが、ただ速いだけではNPBでは通用しない。一軍のリリーバーや一流の捕手から盗塁を決める技術が必要だ。
最近の代走要員はただ走る以上の仕事を任されることも多い。巨人の増田は内外野と敗戦処理登板の準備まで担当し、ソフトバンクの周東であれば内外野をこなす上、状態によって1番を任されるほど打撃のポテンシャルも見込まれている。
阪神の代走要員は正直本当に走る専門だが、彼らは先に挙げた2人以上に盗塁技術が高い。
村川は外野手でユーティリティ性などを出すには向かないだろうし、盗塁技術は高めつつも、打撃の向上もしっかり目指してもらいたい。流石に打つには細いようにも見えるし、走力と両立出来る範囲で体も作っていけたらいいか。

104 東出 直也

育成ドラフト2位で獲得した捕手。プロに入ってくる選手としてはド級に細くてびっくりしたが、バッティングの形は結構良いなと思った。シンプルなフォームながら手の動きを上手く入れて、しっかり振り切れる。体が出来てくればひょっとしたら結構面白いのでは…と思っている。
横浜のスカウティングがこだわっているだけあって肩も強い。その他諸々のことは体ができてから見たいが、いずれにせよ楽しみな選手だ。

105 大橋 武尊

育成ドラフト3位で獲得した外野手。昨年の横浜のドラフトでは身体能力を重視したようなチョイスが多く、この大橋もバッティングに加え盗塁を多く決められる足を評価されたようだ。
タイミングの取り方はシンプルなので、もう少し長く大きく振れたら打撃ももっと伸びそうだ。体を作ってスイングスピードももう少し上げたい。肩も相当強いと聞く。イチローに憧れているらしいし、彼のようなレギュラーを目指して頑張ってもらいたい。

109 ジョフレック・ディアス

若いが素材としては面白いという印象を持っている。スライダーはキュッとした軌道で場面に関わらず使えるし、チェンジアップ?もスプリームのような軌道でカウントに使いやすい。速球のスピードもあり、決め球としてもう1つ有効な球種など作れたらとりあえず一軍で投げるために必要な道具は揃うのでは。
クイック、フィールディング、牽制などもやっていかなければならないが、可能性は十分感じさせる。

110 スターリン・コルデロ

速いとは思うが、びっくりするくらい長い足を頑張って折って小さいフォームで投げてコントロールが悪いので、もったいないなぁと思いながら見ている。マジで異様に足が長いので、体を大きく使って思いっきり投げ下ろすくらいでも良いのでは。


おわりに

ここまで読んでくれた方、あまりに変態すぎる。いつもありがとうございます。全員分やるか迷ったんですが、それぞれ熱を入れて応援する選手がいたりすると思うのでやってみました。
今年もこんな感じで色々感じたことをツイートしていきます、いよいよキャンプですが1年間よろしくおねげーしやす。

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