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(おでかけレポ)湊川神社で楠木正成の歴史を知る

先日、用事のついでに神戸ハーバーランド付近でどこか散策できないかなぁと探して、湊川神社に行くことにしました。

お正月の初詣には何度か行ったことがあるけれど、あらためてネットで検索すると、どうやら歴史の教科書に出てきた楠木正成(くすのきまさしげ)に関係ありそうな文書があったり、赤い鳥居が連なる映える写真が見えたりしたので、よく読まないままに「行けば何か面白い再発見がありそう」という予感で向かいました。

そしてその予感の通り、知らなかった興味深い事実だらけで、なんとも有意義な散策になりました。

なんと湊川神社は鎌倉幕府倒幕の立役者、楠木正成を祀る神社だったのです。

湊川神社の行き方

今回僕は神戸ハーバーランドから、おしゃれな雑貨店の多い地下街「デュオこうべ」を経由して向かいました。JR神戸駅で地上に出てから山側(北側)に歩いてすぐ見える場所に湊川神社はあります。

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他にも多くの路線の駅が地下で繋がっているので「高速神戸駅」「ハーバーランド駅」からもすぐです。

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立派な門を抜けると境内案内図と

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「日本最古のオリーブ樹」が。。

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説明を読むと、明治の富国強兵・拓産興業政策で積極的に有用植物栽培研究がされるようになり、明治初期にこのオリーブ樹がヨーロッパから持ち帰られたとのこと。神戸の別の場所に植えられた後、この地に移植されたそうです。

以前岡山に旅行したときにオリーブ樹はたくさん見ましたが、こんなに見上げるような木は初めてで驚きました。

そして表門の近くには「大楠公御一代記」の大きな看板で、楠木正成の生涯が挿絵とともにわかりやすく解説されていました。ここで初めて湊川神社と楠木正成との深イイ話に触れることになるのです。。

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楠木正成の生涯

河内国(現大阪府)出身の武将である楠木正成は、鎌倉末期(1331年)に後醍醐天皇の倒幕計画を知った鎌倉幕府の大軍が京に攻めてきた際、後醍醐天皇より命を受け、一生天皇を守ることを誓いました。

赤坂城・千早城の攻防で、幕府の大軍に善戦した楠木氏のことが全国に知れるようになると、幕府に不満を持っていた各地の武将が立ち上がり、ついには新田義貞らによって北条氏の鎌倉幕府は倒れたのです。(元弘の乱:1331〜1333年)

そして後醍醐天皇が自ら政治を行う(建武の新政)も、政情不安が続く中、足利尊氏が反旗を翻します。楠木正成が、少ない軍勢ながら湊川の戦いで足利軍に健闘するも、多勢に無勢。この地で弟と刺し違えて自害したそうです。

その後は足利尊氏が京を制圧し、後醍醐天皇は吉野に逃れ南朝を立て、しばらく二系統の天皇家が存在する南北朝の期間となります。時代としては足利将軍家による二百数十年に及ぶ長い室町幕府になります。

忠臣の精神の広まりから湊川神社創建まで

長い間ひっそり祀られていた楠木正成の墓は、豊臣秀吉の時代に発見され、尼崎藩主の元で管理されていたそうですが、江戸時代になると、楠木正成の尊王の姿勢に感銘した「水戸黄門」で有名な徳川光圀が、「嗚呼忠臣楠子之墓(ああちゅうしんなんしのはか)」との碑文を自ら書いて墓碑を建てたそうです。

その後は、忠義と至誠の象徴として、吉田松陰や西郷隆盛、坂本竜馬など、尊王思想の幕末志士たちが多く訪れる場所となり、明治となってから明治天皇によりこの地に楠木正成を御神体とする「湊川神社」が創建されたそうです。うーん、知らなかったなぁ。

それにしても吉田松陰で思い出すのが小さい頃に夢中になった車田正美先生のボクシングマンガ「リングにかけろ」ですね。なぜか主人公の高嶺竜児が対戦中に、顧問の先生による吉田松陰談義になって、熱戦中にもかかわらず観客一同聞き入るという、、1ラウンドが数十分に感じられる熱い漫画でした。(今までのおでかけレポも漫画の話題を入れていたので、これからも強引に差し込んでいきます)

湊川神社境内

歴史を一通り知った後の境内散策だったので、思いもひとしおでした。

徳川光圀公銅像、、、これが水戸黄門様かぁ。

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そして嗚呼忠臣楠子之墓は立派な屋根がついててちょっと見えにくい感じでした。

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大きな鳥居を抜けると、、


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御本殿が、、今まで意識してなかったですが、木造ではなく鉄筋コンクリート製なんですね。

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創建が明治の初期で比較的新しいからかな?と思ったのですが、書いている今調べてみたら昭和20(1945)年の神戸大空襲で焼失して、後に再建されたのですね。

そしてその近くには地元のお酒の樽がまた、、灘五郷と呼ばれる有名な酒どころなので、並んでいるようですね。

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楠木正成は大楠公、息子の正行は小楠公と呼ばれているようですが、大河ドラマ化を望む声もあるのですね。確かに面白い話だと思いました。

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そしてここが殉節の地、、厳かな雰囲気が漂います。

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楠本稲荷神社

さて、境内にある小さな神社にも立ち寄りました。赤鳥居が連なっていて、若い人たちが交代交代に写真を撮りあっている風景が微笑ましかったです。

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楠本稲荷神社の中はこんな感じで、あかりの灯った真っ赤な提灯が天井いっぱいに掛けられていてとても映(ば)える光景でした。

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こんな感じで、今まで知らなかった湊川神社の魅力と、歴史のドラマを知って良い機会になりました。

出かけた時にその土地、その場所の歴史を知るとおでかけ・旅が楽しくもっと楽しくなりますね。今度からは最初から意識してみたいと思います。

それではまた。


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