京太郎と推しと邂逅(京太郎と推しと〇〇シリーズ)


京太郎と学生時代と前置き

京太郎は元々邦ロック、実況、特撮を食って生きていた。
アイドルなんて遠く遠くにあるものだと思っていた。

中学時代、陰キャ寄りの自分とは違い既にお化粧やブランドに興味を持ち、青春に恋愛に興じていた女の子たちがキャアキャアとアイドルの話をしたり歌ったりしているのを「フーン」と思いながら聞いていた。その頃京太郎は仮面ライダーにお熱だったので(今もだけど)、日曜朝に早く起きてはライダーを応援し、その造形美と音楽と物語性を感嘆しながら眺めていた。
同級生のみんなは先輩やら同い年の人やら、人間と恋愛をしていたけれど(一部は二次元と恋人だったけど)京太郎の初恋の相手は美術資料集にデカデカと写されたサモトラケのニケだった。……ただこの話は若干長くなるのでまた別の機会にどこかで書きます。


…と前提はさておき、中学、高校時代は本当にアイドルとの接点なんてひとつもありませんでした。なんなら京太郎は同級生からは「アニオタ」という部類でくくられていたように思います。アニメそんな見ないんやけどな。
ジャニーズやK-POPやJ-POPといった恋愛ソングを歌うような(陰キャオタクにとっては)キラキラピカピカ、王子様のような存在よりかはボカロやロックが好きで、激しく、速度の速い、煽り煽られみたいなエグめの曲の方が大好きだし今も好きです。

今考えると、その頃はかなりアイドルに偏見がありました。
男性アイドルというのは王子様で、かわいい女の子たちが追いかけるもの。キラキラしたもの。疑似恋愛的なもの。あと一部のファンのイメージで「アイドルオタクは怖い」というのもありました。正直未だに一部のファンは怖いけど。


京太郎と1人暮らしとオカン

京太郎は去年から親元を離れ、1人暮らしを始めました。かなりメンタルの弱い人間ゆえ、数ヶ月は泣きながら生活したしリモートもあって友人もできませんでした。コロナ感染への恐怖で実家へも帰れず、正直実家の方がどうなっているかなどは全く知らずに半年以上が経った頃。
毎日欠かさずLINEで連絡を取っているオカンからある一言が送られてきました。


「BTSって知ってる?ママも弟も今ハマってて」

正直、マジで???と思いました。
前述の通り京太郎はロック好きで、それが高じて音楽番組等はほぼチェックしていましたし、過去「血、汗、涙」がリリースされた頃は朝の番組で流れていたのも僅かでしたが記憶していました。それと、あまり良くない理由でニュースに取り上げられていたのも。
だから、グループ自体は知っていました。ただ若干の偏見とそれに家族がはまっているということに多少ビビりました。親はともかく、弟はアイドルなんか好きになるタイプではなかったので。

続けてオカンから送られてきた「今度音楽番組出るから見てね!」の言葉にとりあえず、了解しました!とだけ返事をして、「なんかすげーことになったぞ」と思いました。

その番組のことは未だに覚えています。その時はただオカンが見て、というからという理由で見ていたのでもちろんメンバーの名前なんかわかりませんし、顔も予習してなかったのでほとんどが同じに見えました。
ただ、なんかすげー眼鏡の似合うイケメンがいる。半袖から見える肌が美しくて髪がふわふわで理知的な恐ろしく眼鏡の似合うイケメンがいる。


これです。
私が初めて「BTS」を「BTS」と理解しながらフルで曲を聴いたのは。
そしてもうお気づきでしょうが私が初めて「なんか恐ろしい眼鏡のイケメンがいる」と怯えたのはテテです。
余談ですが、「眼鏡が似合うイケメン」だと思いながら見てたら割と初手で眼鏡投げられて「うおおおおおおおお眼鏡ええええええええ!!!!!?????」ってなりました。眼鏡なくても顔良かったけど。
ちなみにこの時、現在の最推しナムジュン氏に対しては何の感情も抱いておりませんでした。それに関しては次の次の章を読むと理由がわかるかと思います。

そして全編聴き終わった後、タイミングよくオカンから大量のタリョラ切り抜き動画のURLが送られてきました。
もちろん送られてきたんだから見ます。見て感想も言います。だから、以降送られてきたものはバラエティー動画だろうが音楽動画だろうが、全て見ました。

ここからが沼へのカウントダウンでした。


京太郎と動画と7人

陰キャ喪女特有の感覚なのかもしれませんが、全てのアイドルやそこら辺を歩いてる男の子を含め「イケメン、美女は性格が悪い」という偏見があります。少なくとも私には。だからお店などで顔の美しい男性が優しく接客する様を見ても、「どうせ裏では陰口言ってるわ」と思ったり、先ほどの動画で7人を見たときも「顔がいいだけで裏の性格は悪いタイプだ」と疑っていました。

タリョラを見るまでは。

顔のいい人たちがなんかすごいワイワイしてる〜〜〜…仲良い〜〜…衝突なんてほとんどない〜〜〜…え〜〜…
正直めちゃ困惑しました。みんなびっくりするほど仲がいい、ギスギスした感じも誰かを貶める雰囲気もない。誰かが頑張ってる時は応援するし、手伝うし、それが「バラエティー用」のわざとらしい優しさではないのを感じる。
いくつか動画を見ていくうちに、そろそろ顔と名前が一致しないのに危機感とモヤモヤを感じ写真に名前が載っている画像を探してそれと見比べながら動画を見ました。

そして数日が経った頃オカンから、「ママはジンくん推しやけど〇〇(京太郎)は誰が好き?」と聞かれました。
…ついに推しを決める時が来ました。

京太郎と現推しとバラエティ

…なんか1人すごい不器用な子がいる。

ナムジュンへの最初の感想はそれでした。
今もですが、見始めた頃最も好きだったタリョラの回はキムチを漬けるやつ。オカンの推しのジンくんがいる事もあり、テテとナムジュンとジンの3人のグループばかり見ていました。その中にキムチを漬ける箱を壊しそうなガサツそうな大きな子が1人いる。

私は顔の良さよりも「人間味」を感じられる人が好きです。天然だとか、不器用だとかのどこか一つ欠けていて愛らしい子が、「完璧超人」な子よりも遥かに好き。
だから最初お母さんの「誰が推し?」の一言に、「今のところはRMかな?パフォーマンスの時はかっこよかったのに不器用そうで料理が苦手っぽいところがいいね」と返すと「〇〇ちゃんは顔で選ばんもんね」と返ってきてその時は「どういう意味や」と思いました。続けて、

「RMくんはグループのリーダーで英語もペラペラで頭もいいんよ」

と返ってきました。

…え??あのガサツそうで料理回では散々メンバーに色々言われてたあの子が???
直後にオカンから送られてきた国連スピーチの動画を見ると、そこには先ほどまで愛らしい顔でキッチンに立ってメンバーにやんややんや言われていたあの子がキリリとした顔で美しい英語で美しい言葉を述べていました。
とろんと目尻を下げて、年相応の若い男児のように大声で笑い、キムチの箱をバンバン叩いて、慌てたジンくんに「お兄ちゃんがやるよ!」と咎められていたあの子が。

その瞬間、更に知った激しいギャップに打ち砕かれた私はもうナムジュンのことを愛すると決めました。


京太郎と推しとの出会いと最後に

長くなりましたが、これが京太郎がBTSと出会った理由とナムジュンを推し始めた理由になります。正直本当にオカンに推しを聞かれるまで、メンバー全員好きだなあと思いながらタリョラを見ておりました。初めてパフォーマンスを見た際に「どうせみんな性格悪いんやろ?」と疑り深く思っていた自分を殴りたいです。
あと顔で推しを決めなかった理由としては、本当に人間性で好きか嫌いかを決めているというのと7人全員顔が良いので決めることができなかったというのがあります。
そして、7人のうち最もガタイが良く、持て余し気味の大きな体躯で激しいダンスを踊る姿にときめいて、きっと彫刻のように美しい裸体を持ってるんだろうなあと思ったっていうのも正直ある。
ナムジュンの顔がよくない、みたいな話を聞いてびっくりしたのはまた後々の話。

それではここまで読んでいただき、ありがとうございました。
また推しについて語りたくなったら記していきたいと思います。







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