KHUX ストーリー最終回を終えて~その1
6月中旬にサービス終了となるスマートフォン向けのキングダムハーツ「キングダム ハーツ ユニオン クロス」のストーリー最終話が5月31日に公開された。最終回をむかえるにあたり、まずは次回作への構想を含蓄している、キングダム ハーツIIIのシークレットレポートについて、ユニオンクロス中で話に挙がったものについて言及していきたい。
#11~#13は筆者不明とは書かれているが、内容はシグバールことルシュが書き記したものだ。その内容について自分なりに整理する。
1)KHIIIシクレの内容との照合 #11
マスターオブマスターによって選ばれた作中のユニオンリーダーは「エフェメラ」「スクルド」「ブレイン」「ラーリアム」そしてその妹の「ストレリチア」の5名。
データ世界から無謀な脱出を計画した「ウイルス」は、アヴァから予知書を引き継いだユニオンリーダーのブレインである。ブレインは予知書に挟まれたメモから、自らが予知書を託される人間ではなかったこと。そしてヴェントゥスはユニオンリーダーに選ばれていなかったことが判明する。
ユニオンクロスの世界は「キーブレード大戦前の世界のバックアップデータ」であり、Codedのようなデータの世界に属する。この世界から現実の世界に戻るためには
①「データ世界の箱舟」を使用し、現実世界へと戻る。
現実世界は闇により崩壊が始まっており、生き延びるためには
②未来へと移動する「現実世界の箱舟」を使用する。
という2ステップを踏む。まどろっこしいねぇ…(マレフィセント)
作中で未来から「誘い込んだ」魔女はマレフィセントのことである。KHUXの作中でマレフィセントと直接接触した描写があるのはラーリアムのみ。ただし、ラーリアムは「なぜあなたがこんな場所に?」と初対面ではないやり取りをしている。これについては推定だが、メインクエストのエンチャンテッド・ドミニオンの物語をラーリアム自身もプレイヤーのように追体験していたからと考えられる。その推定に則ると、プレイヤー含むユニオンリーダーは全員マレフィセントと顔見知りということになり、ユニオンクロス世界の住人の「標」となってもらえるという闇の主張と合致する。
KH世界における復活の定義「肉体を形成する媒介」「自分を記憶する者」の後者の条件はここで整えられたことになる。
改めて、ルシュがなぜブレインの脱出計画を「無謀」と評したのか。「7と13」のムービー中で新たに語られた「13の闇」について、当初の計画であれば13のうち6個の闇は、ユニオンリーダーと共にユニオンクロスの世界(=データの檻)に閉じ込め、闇に飲み込ませて二度と出てこれないようにするというものだった。
ブレインはマレフィセントがとった手法を用いてデータ世界から現実世界への脱出、および未来への移動を画策した。これらから推定されるに、本来異空の世界を移動するために使う「箱舟」を、本来の方法ではなく時間移動の手段として使うことを「無謀」と評していると思われる。そもそもこの方法は、どの時間軸に移動するかわからないうえ、肉体を失い、自発的に復活できる術がないという点では無謀というレベルではない。マレフィセントはKH2の時間軸に運よく行き着いただけというご都合主義なのは忘れよう。
2)KHIIIシクレの内容との照合 #12
「闇」に体を支配されていたヴェントゥスは、本来のユニオンリーダーであるストレリチアを消滅させ、ユニオンリーダーへとすげ変わっていた。そして闇は、ついにユニオンリーダーたちと対峙する。
「キーブレードの継承」とはあるが、マスターオブマスターの計画ではユニオンリーダー5人は闇とともにデータ世界に閉じ込めるつもりだったので、この記載自体はちょっと矛盾があるように思える。ユニオンリーダー以外の人間(エルレナとプレイヤーのこと)が居ることを前提としていたのだろうか。
この話における「犠牲」は、プレイヤーがエフェメラたちを助けるためにデータの世界に残る4つの闇と共にデータ世界内に閉じ込めたことだろう(ほかにヴェントゥスが闇を再度体に取り込んだとか、ストレリチアが犠牲になったとかはあるが)。このシーンでは初代KHのソラとリクが対面でドアを閉じるかの如く、データ世界のデイブレイクタウンとポータルケーブルの鍵をプレイヤーとエフェメラがそれぞれのサイドから閉じるといった展開になっている。
これはゼアノートのことですが、エンディングでゼアノートの生まれに関して新たな展開が示唆されていましたね。
別の世界線に送り出された5人について
んじゃ、6人目…6人目!?シクレやと5人って言うてたやん!!
ブレインは箱舟に乗った描写はないものの、離れた時間軸のスカラアドカエルムにたどり着いています。これについては時間軸の明確な記述がないため、私の勝手な想像です。このスカラアドカエルムはKHIIIで見るような、ギリシャのサントリーニ島モチーフの地中海テイストではない感じですね。イギリス?って感じ。行ったことないけど。地中海モチーフのデイブレイクタウンがオリジナルとしたら、ロンドンチックなこの街の時間軸はいつになるのか…?
(2022/8/1追記)
7人目、スクルドちゃんはどこにいったんですか!!???
シクレの記述の「5人」は、イレギュラー要素としてのストレリチアを除いた5名(エフェメラ、スクルド、ヴェントゥス、ラーリアム、エルレナ)のことだとは思います。
そして最後、ルシュと思しき黒コートは大戦後の世界でその素顔をさらします。はいここ一番の難解ポイント。これについては現状推測以外何もできません。この子はルシュ(の意思を持つ人間)であることは間違いないとは思います。本来データ世界で犠牲になるはずだったダンデライオンのユニオンリーダーたちを、マスターオブマスターの言う「裏切り」によって使命を果たしつつ間接的に助けた。という形でいいんでしょうか。これであれば、「ユニオンリーダーの一人にキーブレードを継承した」というのにも矛盾はしません。しかし、これは今後明かされることだと思いますので、あまり言及はしないでおこうと思います。ブレインと同じ顔をしている+キーブレードマスターは他者に心を移すことができる。というのが推測の材料になりますが。。。
PC版KHχでは、キーブレード戦争の開始の鐘を鳴らす一振りをしたのがアヴァとルシュで、アヴァはマスターの指令を破り予知書を引き継ぐユニオンリーダーを変更し、ルシュもマスターに裏切り者と呼ばれているので、裏切り者の正解はこの二人だったのかもしれませんね。
3)KHIIIシクレの内容との照合 #13
ユニオンマスターたちは何をしていたのかが明らかになりました。
13体いる「始祖の」闇のうち、強力な7体をマスターオブマスターとその弟子たちが引き受け、それぞれが闇を体に宿した状態で別の世界へと飛び、その先で倒すということのようです。各自が行き着く場所がどうやって行くのかということについては明確な描写はありませんが、消える際にキーブレード戦争で真のキングダムハーツを召喚しており、再登場の際にもソラたちが真のキングダムハーツを召喚していることから、真のキングダムハーツが何かしらのポータルになっているのかもしれませんね。
マスターオブマスターの闇への対抗策を鑑みるに、ルシュのアヴァに対するこのセリフも、当初とは違う意味でとらえられますね。
続き
シクレ照合記事の続き。「被験者X」に関する内容を中心に。
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