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日本未発売のThinkbookを買った話

なんか面白そうだから買った

淘宝で調べたゲーミングPC

中国駐在時、同年代の日本人駐在員が中国でPCパーツを買い集めて素晴らしいゲーミング環境を構築していたり、スタッフの中国人のゲーム好きはゲーム機よりもゲーミングPC派が多く(PS5とかなかなか買えない状況だったので)、何となくゲーミングPC的なもんがあるといいなぁと思っていた。と言っても、学生時代にパソコン工房で適当にBTOしたタワーは中国赴任の際に処分してしまい、ゲームをするのにPS4/PS5/Switchを揃えている僕にとってそこまで必要なものではないことは分かっていたので、気が向いたらみんなにアドバイスもらいながら組むか~なんて思っていた。

そんなある日、映像制作や画像編集を副業としている中国人スタッフが「潮さん、これどうですか?」とタオバオの画面を見せてきた。

何コレ

それがこれだ。ThinkbookはThinkPadとは違いノートPCでもかなり性能のいいモデル(注:僕のPCに対する素養はこの程度である)なのは知っていたが、なんだこの謎の二画面!?と初見で面白そうな製品だなあと思った。しかし、価格は9000元弱(約18万円)となかなか値が張るため、中国人スタッフもな購入には慎重な感じだった。中国にいるとどうしても日本との価格差を調べてしまうものだが、なんと日本Lenovoの公式サイトにはラインナップされていない。すなわち日本未発売モデルということだ。この事実を知ったときから俄然購入意欲が沸いてしまった。どうしてこうも僕は限定品に弱いのだろう、と。

2020年に買ったThinkPad E495(4万弱) 今も現役

しかしよく考えてほしい。ゲームは専らゲーム機で、ノートPCは3年前にLenovo公式のたたき売りで相当コスパの良いモデルを購入し、日常使いには何も困っていないのに、ノートPCを追加で購入するのは正直言うとアホの所業である。別に映像編集も画像編集もお絵描きもしない人間がこういったクリエイター向けモデルに手を出すこと自体は間違いだと思っていたし、しかも20万円弱ならそこそこのゲーミングPCが組めるのもわかっており、実際結構悩んだ。もし購入するのであれば、フルHDで3Dのゲームがそこそこの描画ができるレベルであれば、今まで手を出していなかったSteamのゲームも選択肢に入るな~と思っていた。

でもこのPC、グラボないからやっぱダメだよなあと思い改めて、Thinkbook Plus Gen 3のスペックを見ていると、CPUはintelのi7-12700H、SSDは1TB、メモリ16GB(増設不可)といった感じ。そしてこれを見るまで知らなかったのだが、最近はNVIDIAのRTXシリーズに代表されるGPUの搭載モデルはハイエンド化の一途を辿った分、エントリー機は内蔵CPUの性能向上によりある程度のグラボとしての役割を果たすという棲み分けができているようだ。

それが「iRIS Xeグラフィックス」というもので、上記記事を読む限りはもちろんGPUとしてはRTX3080などに比べたら貧相なものの、ある程度のゲームなら動くし、まあ妥協できそうだな~と思い。

18万円なり〜

買いました。これには中国人スタッフも本当に買ったんですか!?という反応で、彼の購入意欲を刺激する意味も込めて、事務所に持っていきサイズ感や軽い動作確認をしてもらった。この記事を書いている時点ではまだ購入していないが、メイン機のMacを修理しつつ使っている現状もあり、買い替えにはまだ悩んでいるようだ。

使い勝手とかいう前に、大きな壁がひとつ

で、でかい

実際に届いて軽く触っていたのだが、普通のノートPCの右側に8インチのタブレットが結合しているような形状をしていることもあり、ノートPCのくせにとにかくでかい。各種ポートは本体の背面にあることもあり、このPCは基本的に持ち運ぶことよりも、どちらかといえば作業机に据え置いておくことを想定して作られている。よくある機内持ち込み可のスーツケースの前ポケットに入れようとすると写真のような残念な状態となる。

入らないんだが

それはサイズを知った上で買っているのだから文句を言う筋合いはないのだが、もう一つ大きな問題があった。私はもちろん中国語ネイティブでもないから、OSの言語は中国語から日本語もしくはなじみのある英語にしたいと思っていた。とりあえず言語パックをインストールしてさっさと日本語に…と思ったら、そもそも言語パックにOSの言語が含まれておらず、中国語の設定を変えることができないことが判明した。

家庭中文版というライセンス

これは、中国のWindowsPCにありがちなようで、ライセンス形態が「家庭中文版」となっているものは、OSを安価に提供する代わりにOSの言語設定が中国語オンリーであるということが分かった。となると、これはOSをクリーンインストールしなくてはいけないとわかり、PCド素人の僕はインターネットでひたすら調べる羽目になった。

家庭中文版からHome版への再インストール

当然ですが、保証は切れるのでご注意ください。

lenovo公式

ちなみに、本体のシリアルをもとにLenovoの公式のリカバリーメディアを入手しようとしたら、ライセンス形態が家庭中文版(Win11HomeCNx64)のため、Lenovo公式からリカバリーメディアを手に入れることはあきらめ、Windows公式からインストールメディアを作ることにした。

インストールメディアをUSBメモリに保存したら、次は各種ドライバーをバックアップ。まとめて保存できる方法ないかな~と目の前の板っぺらで調べたら下記のリンクが出たので、これらもすべてUSBに。84個くらいドライバーがバックアップされたので、とりあえずタッチパッドとかWifiアダプタとかも動かせるようになるでしょう。バックアップの過程で、タッチパッドはWacom製だということも知る。

バックアップディスクを作成したので、いよいよBIOSを起動してOSを入れなおすことになる。今回買ったLenovoのThinkbookはF1キーでBIOSが起動するので、BIOSを起動後「Boot>EFI」に移り、USBのほうを選択しF6を押しWindows Boot Managerの上位に置き、「Exit>Exit Save Changes」でリカバリーメディア側からOSを起動させる。

参考リンク

インストール画面

そうすると、Windowsのインストール画面に移るが、「プロダクトキーがありません」で画面を遷移させ、次の画面でインストールするOSを「Windows 11 Home」に選択してライセンス条項に同意、その後、カスタムインストールを選択し、OSをインストールする場所をフォーマットし、そこにインストールすることで、OSが入る。

Wifiアダプタが動かないのでオフラインで

次に、Windows11からはOSを入れる際にネット接続とアカウントログインが求められる。が、この時点でクリーンインストールした僕のPCのWifiアダプタはドライバーがないため動かない。

そのため、オフラインでローカルアカウントを作成する必要があり、上記リンクのように「Shift+F10」でコマンドプロンプトを起動し、「.\oobe\BYPASSNRO.cmd」で再起動することで、次のセットアップ画面で「インターネットに接続していません」が出るため、それで日本語のHome版がインストールができるようになる。

ライセンス認証はアクティブなので問題なし?
ひたすら各々のドライバーを更新

その後は、まったく動かないタッチパネルやサブディスプレイを有効化させるために、「デバイスマネージャー>ドライバーの更新>コンピューターを参照してドライバーを更新」でUSBメモリにバックアップしたドライバのファイルパスをサブフォルダを含めて指定し、あとはひたすら上からドライバーを手作業で更新していく。そうするといつの間にかタッチパッドとかが動くようになり、最終的に完璧とは言えないが日本語環境でのWindows11にすることができた。なお、一応プロダクトキーとかライセンスキーは控えてはいたが、結局使わず終いであった。

ゲーム用として運用…するけど

折角だからSteamをインストール

とりあえず日本語環境になったので、SteamをインストールしてゲーミングPC(弱)として使い始めることとなった。個人的に気になっていた「Hi-Fi Rush」をとりあえずインストールして動かしてみたが、この程度の3Dガチガチでないゲームであれば、そこまで問題なく動くように見える(さすがにフレームレートは落ちることもあるが)

とはいえ、20万弱でゲーミング特化でもない端末をゲームだけに使うのもどうかと思うし、素直にゲーミングPC買ってたらもっとガチガチに3Dゲーもできるやんけという突っ込みはごもっともである。ただ、今回のPC購入でWindowsにはいわゆるSingle Language版というものが存在し、それらをどうしたら多言語対応できるかというのを調べて試してみるのは楽しかった。あと買ったときに中国版のWindowsのプリインストールのアプリの多さとスタートアップアプリを一掃できたのが個人的に一番うれしいことだったり…

Lenovo公式より

(注) 本PCのワイヤレスモジュール(AX211D2W)はLenovo公式の技適マーク取得リストに含まれており、日本での使用は問題ないと思われます

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