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OCTOPATH TRAVELERをクリアしました

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プレイ期間は約1か月、およそ80時間弱のプレイでした
ストーリー内容に関するネタバレは控えめにしています。

前々からやりかったゲーム

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最初の主人公は、一番南だからという理由でオルベリクにした。

このゲームは2018年にNintendo Switchで発売された、昔ながらの剣と魔法の世界のRPG。キャラクターの造形はこれも昔ながらのドット絵で、個人的には昔のファイナルファンタジー(注:筆者は30代なので昔のFFはSFC以前のものを指す)で、特に前情報等がない状態でもこれはやればハマると確信していた一作で、かねてよりバケットリストに入っていた。昨年冬にNintendo Switchを入手し、今年のGWのセールで本ソフトを購入。

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ふわっとした風景の表現とドット絵がうまく溶け合う感じが良い

このソフトを起動してまず驚いたのは、起動画面に映る「UNREAL ENGINE」…え?ドット絵のRPGに美麗な3Dゲームでよく使われるアンリアルエンジン、しかもキングダムハーツ3と同じUE4が使われているって?またまたご冗談を。と思っていたが、実際プレイしてみてまたびっくり。このゲームは「HD-2D」というR2-D2みたいな響きのする、昔ながらのドット絵と近年のHDゲームの表現を融合させた今までにないジャンルだった。

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戦闘の技のエフェクトもゲームエンジンのおかげで映える

キャラや風景やオブジェクトはどれもドット絵であることは間違いないのだが、風景の遠近がよくわかる表現、光の射す表現、技のエフェクトなど、ドット絵では表現できない要素をゲームエンジン側がうまく支えており、ここ最近フルHDの3Dゲームばかりやっていた私にとって、新鮮味のあるものだった。

出自も境遇も違う8人の主人公たちの物語

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開始する主人公は8人の誰からでも良い

ゲームの内容に話を移そう。
このゲームはタイトルの通り「8つの道の物語」ということで、物語の舞台「オルステラ大陸」の8つの地方から出自も境遇も違う8人の主人公が、それぞれの思いや使命をもって大陸を旅するRPGだ。また、OCTOPATHの頭文字がそれぞれの主人公の頭文字にあてられており、各主人公にはテーマが定められ、下記のようになっている。

O…Ophilia(オフィーリア):試練
C…Cyrus(サイラス):真実
T…Tressa(トレサ):宝物
O…Olberic(オルベリク):再起
P…Primrose(プリムロゼ):復讐
A…Alfyn(アーフェン):治療
T…Therion(テリオン):自由
H…H'aanit(ハンイット):師匠

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加入時のモノローグ

「彼には、仲間が必要だ—―。」

上記のモノローグとともに、主人公たちは、旅の道中でたまたま出会い、特に大きなやり取りもなく手助けをし、そして旅をともにする仲間となっていく。各主人公たちのストーリーにおける他の主人公は完全なる脇役であり、危険なところに何も言わずについていき、パーティみんなで罠にはまったりするし、たとえ仲間が町人に盗みを働こうが、試合という名の暴力行為をはたらこうが、魔物をけしかけようが、誘惑して勝手にメンバーを増やそうが、良いも悪いも一切のコメントがない。酒場でのパーティチャットやストーリー道中のパーティーチャットである程度の交流があるのだが、シーンごとにやり取りをするキャラの組み合わせが決まっており、その組み合わせを引かない限りは一切の交流を覗き見ることができないし、さらに言えば聞く、聞かないの選択は任意である。主人公どうしの交流はパーティチャットにしかないため、何も聞かずにいれば、彼らの関わり方はまるでキャラのドット絵の粗さと同じくらいの解像度のようになる。初代FFかな?

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最年長のオルベリクが最年少のトレサを評価するシーン

道中で発生するパーティチャットを見れば、決して他の主人公たちが無反応ではなく、ときにアドバイスをしたり、手出ししそうになっていたり、異なる考えを持っているが、互いに尊重はしていることがわかったりする。

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だからこそ、酒場でリザーブされている仲間たちは「必要なときは呼んでほしい、いつでも力を貸そう」と言ってくれるのである。それぞれの主人公が対峙する問題はそれぞれの主人公が解決すべき問題で、仲間は積極的に手を出さず脇役に徹している。というのが正しい表現かもしれない。

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このようなシーンに他の主人公は混ざることはない

こういった手法は、上述の通り、キャラの解像度が低いことで実現可能だと思っている。そこにいないことをさも当然のごとく扱えるのは、細かな所作や表情を必要とする近頃のフルHDの3DRPGにはなかなか難しく、やったところで滑稽に見えるだろう。こまけぇことはいいんだよ!って思いきれるのはドット絵やローポリのいいところだろう。

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ストーリーについてだが、8人の主人公にそれぞれ4章あり、合計で32話あると考えたら良い。一般的なRPGで32話と言えばかなり内容が多いように思えるが、各章のボリュームはそんなに多くはなく、また、ストーリー攻略におけるレベリング作業も必要でない。そのため、最後の直前までレベル上げ作業はすることなくゲームを進めることができた(ただし、バランスよく使うように心がけないと、使う頻度の高いキャラと低いキャラのレベル差がとんでもないことになる)
ストーリーの内容についてもキャラ間で異なり、プリムロゼのように積年の復讐劇という重めの内容から、トレサのように「水平線の外の世界を見てみたい」レベルの軽い内容まで様々で、どれもそれなりに見ごたえはあると思う。(一部ぽっと出のキャラやボスが出てなんでいきなり出てきた?みたいなところも多少はあるのだが、裏では何かしらの繋がりがある)。基本的には少し暗めのストーリーが多く、これは中世ヨーロッパを想起させるオクトラの世界観全体に言えることでもある。

詳細は割愛するが、プリムロゼのストーリーが復讐劇とあって力が入ってると感じたし、個人的にはアーフェンの3章、オルベリクの3章が好きです。やはり人間って面白いよね。

シンプルだけどバトルが面白い!

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弱点、シールドポイント、BP、バトルジョブなどを駆使するバトル

このゲームは基本的にはターン制RPGで、特筆すべき点として、敵には「弱点」と「シールドポイント」が設定されており、こちらには武器やアビリティを司る「ジョブ」、スタックすることで行動回数や技の威力を増大させる「ブーストポイント(BP)」技を使うための「SP」が設定されている。「シールドポイント」は、数値があるうちは攻撃のダメージを大幅に軽減するが、弱点の武器/属性で攻撃すると、Hit数に応じて減少し、0になると「ブレイク」状態になり、その間は全ての攻撃のダメージが倍になる。同じスクエニRPGではFF13のブレイク、FF7Rのバーストに似通ったシステムであるが、それをよりシンプルにしたものになる。クラシックなRPGらしくていいじゃない。

このゲームのバトルで面白いところは、行動順の調整、行動回数(ブースト)の管理、シールドポイントの管理、ジョブの組み合わせとまあバトルの全ての要素なんですけど、特に面白いなーと思ったのが、「防御」コマンドの仕様。
このゲームはターン制RPGで、画像の通り次のターンまでの各キャラの行動順が表示されるようになっている。行動が回ってくる順番はキャラの行動速度順ではあるのだが、乱数幅が大きいのか、純粋に行動速度順でターンが回ってこないときが多い。例えば火力キャラにバフを付与したり、火力キャラの前に敵にデバフをかけたりする際に、先のターンで防御を選べばよい。このゲームの「防御」コマンドはポケモンでいう「ふいうち」のような仕様で、防御を選ぶと防御を選んでいないキャラに対し次のターンに先んじて行動することができるようになる(一部例外もあり)。そうすることで、自分の思い描く戦術を組めるようになる。

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ブレイクしてブーストした大技を叩き込め

もう一つ面白いなーと思ったのが、「ブレイク」状態の仕様。ブレイク状態は「ブレイクしたターンと、次のターンの行動を封じ、その間のダメージは弱点に関わらず2倍になる」効果がある。すなわち、ターンの最後にブレイクすることが基本的には損であるということだ。もちろん、早期ブレイクを狙うケースもあるので絶対にこうしないといけないということはないが、ブレイクしたターン中にバフを整えたり、BPを回復したりすることができれば、前ターンでバフを整えて次ターンにブレイクして火力キャラの攻撃チャンスを2ターンに増やしたりといった芸当もできる。また、弱点に関わらずといったのが良いポイントで、弱点を突きシールドを削る役目と、ブレイク後に大ダメージを与える役割を完全に独立させることができる。前者はあくまでもシールド削りに特化すれば火力を必要としないから最悪武器を装備する必要さえない(何も装備しないと、ただの〇〇といった武器になる)、後者は火力ジョブである学者や剣士がもつ威力の高い技を、威力増加補正のある装備を使ってブレイク中に撃てばよい。私はこれでダブルトマホークおよび盗公子エベルの鈎爪の信者になった(既プレイにはわかる)

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アーフェン編3章のボスのミゲルはブレイクの大事さを教えてくれる

各章のボスキャラは、HPが減るごとに行動回数が増えたり、大技に備えたりする。食らえば致命的なダメージをくらうことになるが、これもブレイクすることで封じることができる。そのためにどう行動するか考える作業は本当に楽しかった。

柔軟な育成、充実の装備

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キャラのアビリティの取得順が自由

RPGといえばキャラの育成。このゲームは各主人公が持つベースジョブ(例えば、画像のトレサは商人がベースジョブ)に加え、ストーリーを進めていくともう一つジョブを装備できるようになる。そして、各ジョブにはアビリティが設定されているが、アビリティの習得順は自由で、かつ必要なコスト(JP)はアビリティの種類によらず累計の習得個数によってのみ決まる。これが非常に良い仕様で、必要最小限のアビリティを取得するだけである程度使えるキャラが仕上がる(結局はだいたいのジョブのだいたいのアビリティを習得できる状態にはできるのだが、そうするのはかなり稼ぎ作業が要る)。各ジョブには習得個数に応じてサポートアビリティを習得できるのだが、これは一度取得すればジョブの状態にかかわらずキャラに装備できるようになるので、例えば剣士のアビリティ「ダメージ限界突破」はほかの魔法キャラに習得させることが必要だし、バフ/デバフの延長をサポートキャラにスタックしたり、「回復限界突破」を装備して回復の恩恵を最大限に受けたりと、装備ジョブとアビリティの組み合わせで明確な役割分担ができるので、いろいろ考える楽しさがあった。

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テリオンの「盗む」リセマラは何時間もやった

このゲームの特徴として、各キャラにはフィールド、およびバトルで固有のコマンドを持っており、フィールドコマンドの中でもテリオンの「盗む」は非常に有用で、序盤からラスボスどころか裏ボスで使えるような装備品を盗むことができ(ペナルティがないわけではないが、セーブ→ロードの繰り返しで実質ノーペナルティにできる)、低レベルでもステータスの底上げができる重要な手段である。

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町人をバトルに加勢させて、強力な攻撃やデバフをしてもらえる

また、プリムロゼはどんな強いNPCでも確率で「誘惑」することができ、序盤に最強クラスのキャラを引き連れ、ボスを加勢したNPCの一撃で屠ることもできてしまうし、後半になれば強力なデバフをかけてもらうといったサポートにも使えるようになる。使いようによってはめちゃくちゃ強いので、活用しない術はない。

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けしかけるもクリア前にもっといろいろ試してたらよかった

こういったゲームバランスは、おそらく8人の主人公のシナリオのボリュームに対し戦闘面をいかにコンパクトにできるかを模索した結果、ゲームをわかってさえいれば最低限の育成でクリアが十分に可能であるようなバランスにしたかったのではないかと、1周クリアして思う。

最後に

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期待を一切裏切らない、いいゲームでした。ストーリーはキャラの好みにもよると思いますが、全体的には中世のダークファンタジーとして十分なボリュームとがあったと思います。スムースにレベルが上がる仕様もあり、本編は作業感がなく快適にプレイできました(クリア後の歴戦装備集めにめちゃくちゃ時間かかりましたが)、8人の主人公たちの物語も根幹で繋がっているところがあるというのが最後の最後でわかるのですが、あくまでもそれはおまけ要素で、このゲームは8人の主人公がそれぞれの目的を完遂するところまでが本懐だと思います。

戦闘面も本当に楽しく、このジョブこんなところで使えるやん!って最後の最後まで組み合わせに悩むくらいにはいろいろできることがわかったので、まだまだ消化不足感があります。ボスと再戦してぇ~

前日譚として現在スマホ向けに「大陸の覇者」なるものが配信されており、それもある程度プレイしたので次回はそれについて書こうと思っています。

おまけ

オクトラの音楽はどれも素晴らしいのですが、ちょうど面白い動画があったのでリンク貼っておきます。サントラは買いました。

おやつ兄貴の「ひたすら楽して」シリーズはクリア後に見ていますがスマートに倒してて面白いです。ダブルトマホークとエベル最高です


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