見出し画像

読書ログ_「親不孝介護」

Facebookの読書グループで紹介された本です。
50代ぐらいになると そろそろかなと不安になる方が多いのではないかと思います。

裏表紙に、「普通のサラリーマンが、親不孝介護を5年間やってみた結論は『これなら仕事と両立できる』」とあります。

介護は、ある日突然やってくることが多いので イメージトレーニングとして読むのもありなのかなと思います。

私の場合も 10年ぐらい前に実家の父が重い脳梗塞で倒れ、24時間見守りが必要という事態となり、その後は、母も骨折を機に認知症が発覚して、ジェットコースターのような日々が始まりました。(今は落ち着いていますが)

成長神話にとらわれていると、撤退戦を戦っている親との間で バトルが起きてしまいます。

こちらの本で 「距離を取るからうまくいく」ということを学びました。






1.優秀なビジネスマンほど、頑張ってしまう悲劇


優秀なビジネスパーソンは、仕事の課題を解決するように親の認知症を治そうとして、リハビリや食事などをあれこれ試すことも多いのです。そして、元が有能なだけにプロ以上の介護技能を身につけたり、料理を覚えたり、リハビリの手法に通じたりする人も珍しくないんです。

私は、優秀なビジネスマンではないですが、自分の親が出来ないこと(家の片付け、家計管理、健康管理)が増えていく時、ついおせっかいをして、親が嫌がっているのに かたづけてしまったり、子どものくせに偉そうにお説教してみたりしてしまう私のような方は、いらっしゃるのではないでしょうか?

それは、親が撤退戦を戦っている事を分かっていないからだそうです。
撤退戦・・・そうか、そうだよね、と教えられました。

いつか、自分も戦う撤退戦ですが、それを認識するのは、身近な家族だと、すごく難しかったです。

なにかもっとできることがあるのではないか?
努力をさぼっているのではないか?
親の気持ちに寄り添うことは、全くできていませんでした。



2.著者が、「ファンタジスタ」だと感じた介護離職防止策

著者のお一人は企業で働くビジネスパーソンの介護相談に取り組んでいる方です。
介護離職する方々のうち、半分が介護開始から2年でやめているそうです。

会社には、介護休暇制度があるところが多いですよね。
日本は介護が個人的な問題という風に考える方が多いので、この介護休暇制度も キーパーソンが自ら介護に没入し、心配事や愚痴を聞いてくれる人がいない中、頑張ってしまう期間というような使われ方をされているのかもしれません。

介護休暇制度の人事の方が、この介護休暇制度を上手に運用するやり方を紹介されています。

日本人に刷り込まれている 「介護でそばにいるのが親孝行」という先入観を深めるような言動を絶対にしないこと。

それと相談に来た社員に 介護休暇や介護休業を使って「介護が必要になった親のためになる」対策を、プロと一緒に考えてもらうように促すこと(子どもがやるのではなく)。

介護は個人的なことではないという理解を会社として示すことで 社員が「この会社は自分のことを大切に思ってくれている」と感じることができ、介護離職を思いとどまり、会社も大切な戦力が失われないばかりか、社員全体にいい影響が生まれるそうです。



3.まとめ

多くの人に親孝行への思いがありますね。
子どもとしての責任感も。
でも自分の親だと 冷静に考えることも難しいです。
暴走しちゃうんです。

私は、「どうして 近所の迷惑になるようなことをするの?」と母を責め、
「母がご迷惑をおかけして申し訳ありません。」と泣いて謝ったこともあります。認知症という病気のせいなのですが。

自分の時間を奪われて、気持ちも追い詰められて、介護を個人で抱え込む・・・誰に起きてもおかしくないと思います。

でも、自分で介護するのではなく、「親不孝介護」でチームで介護することが、親も子どももおだやかに暮らす生活になるよとこの本は、教えてくれました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?