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【第1節】ヴィッセル神戸寸評

寸評

Jリーグが開幕し、開幕ホーム戦でアビスパ福岡と対戦。序盤は相手右シャドーの紺野、右WBの湯澤のサイドアタックに苦戦したが、菊池、トゥーレル、大崎と守備の中核選手を欠く中で福岡の攻めを耐えきった。後半は福岡の攻撃が精彩を欠き、対する神戸が躍動。酒井の獅子奮迅の攻撃参加、大迫のポストプレーなど選手の個性が見えやすい展開に。後半25分に途中出場のパトリッキが値千金の先制弾を決めて1-0と先行した。攻撃の手を緩めず、主導権を握りながらの完封勝ち。負傷者を多く出して不安視されていた神戸だったが、2年ぶりの開幕勝利と好スタートを切った。

採点(最高10-最低0)

先発

GK前川黛也 6.5
きょうは当たりの前川さん。勇猛果敢の飛び出しでチームの窮地を救った。後半はルキアンのランニングニーパッドを受けたが、再び立ち上がりプレー続行。最後までゴールを守り続けた漢に拍手を。

DF酒井高徳 7.0
攻守に獅子奮迅の活躍を披露。枠内シュートを2本放ち、インターセプトも5本とチームのピンチの芽を断ち、チャンスメイクに奮闘。武藤、山口と綺麗な三角形を形成して、左サイドを完璧に支配した。さすがは日本屈指のSBだ。

DF山川哲史 6.5
本職のCBで出場し、安定感のあるカバーリングで堅守を支えた。攻撃面でも高い位置を取る初瀬にロングフィードを通すシーンもあり、CBとして存在感を見せた。菊池不在の中、スタメン奪取に一歩近づいたか。

DF本多勇喜 7.0 MOM
この男の活躍を誰が予想しただろうか。加入発表からファンからの期待値が低かっただけに驚きだ。チーム最多のクリア13回を記録し、危ない場所に顔を出し続けた。ルキアンも抑え、173センチの身長ながら空中戦も競り勝ち続けた。逆足の右足ロングフィードを大迫に通して攻撃面も光る活躍。「いっぱい出ちゃった」野戦病院と化した神戸の希望の光となった。

DF初瀬亮 6.0
序盤は紺野&湯澤のコンビネーションに苦しむも、徐々に慣れていった。汰木と息の合った挟み込む守備など、守備面で一定の貢献を見せた。その反面パスミスはチーム最多の20本記録と、タックル成功0回と課題もあった。

MF齊藤未月 6.5
湘南サポーターが「未月をアンカーで使うな」と言っていたが、あれは嘘だったのか?と思えるくらいの活躍を披露。守備面ではチーム最多のインターセプト8回を記録した。攻撃面は長短のパスを駆使し、鋭いシュートを放った。我慢強く正しいポジショニングを取り続けて、しっかり舵取りした。

MF山口蛍 6.0
チーム最長の走行距離11.369㎞、チーム2番目となったスプリント18回と走力でいぶし銀の活躍。インターセプトも6回記録し、酒井、武藤との連係も良かったが、枠内シュートは0本と攻撃面では不発に。

MF井出遥也 6.0
気の利いたポジショニングとパスでアクセントとなり、パス成功率も77%と技術の高さが光った。ただシュート本数はゼロとチームワークに徹しすぎた感が否めない。今後攻撃面での個性の発揮に期待したい。

FW武藤嘉紀 6.5
いっぱい走って守備にも攻撃にも貢献。チーム最多のスプリント19回と右サイドからスピーディーな攻撃で福岡ゴールに迫った。ただ枠内シュートを2本放つも、ほしかったゴールは遠かった。

FW汰木康也 6.5
あらゆる局面で違いを見せた神戸の貴公子。推進力のあるドリブルから正確なクロスを放ち、奈良の顔面ブロックがなければ得点できた鋭いシュートで輝きを放った。守備面でも泥臭く貢献。ただほしいタイミングで中々パスをもらえなかった感が否めない。

FW大迫勇也 6.5
日本最高のポストプレーヤーはとにかくキープが上手く取られる気配がない。武藤や汰木に効果的なパスを散らして、サイドや中盤の攻撃参加を促した。ただシュートは不発。彼が決定機に活躍できていたらもっと楽に勝てた。

途中
MF佐々木大樹 6.0
短い時間ながらも枠内シュート1本を放ち、パスも10本中8本成功と相手の脅威となった。今後の活躍に期待。

FWジェアン・パトリッキ 7.0
ブラジル人は「寒い時期は中々活躍できないが、暖かくなると活躍する」といったジンクスはどこへやら。値千金のシュートを決めて、開幕戦勝利に導いた。PSMより生き生きとプレーし、スピード面でも違いを見せた。本番に強いこの男が、真冬の神戸を熱くさせた。熱気と熱い声援で会場が暖かくなったから活躍した説を唱えたい。

DF尾崎優成 -
出場時間が短いため採点なし。Jリーグデビューおめでとうございます。

監督
吉田孝行 7.0
開幕前はファンからとても不安視されていたが、そんな心配も払拭。野戦病院状態から本多の左CB抜擢や齊藤のアンカー起用は大当たりだった。そしてパトリッキの後半投入策も成功した。最終盤は尾崎を入れたタイミングで相手と同じ3-4-2-1へと布陣を変更する柔軟性を見せて、ミラーマッチにする形ではめてしっかりと試合を閉めた。采配や戦術も卓越した一面を見せた。昨季終盤の勢いを今季開幕から維持したい。

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