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【トレチノイン・ハイドロキノン】わかりやすく解説!①

トレチノインとハイドロキノン、この名前聞いたことがありますか?

シミが気になって調べていくうちに、この薬にたどり着いたことがある人も多いと思います。

いわゆるシミ取りの塗り薬です。

最近ではおうちケアとしてゼオスキンや、エンビロンなど、”トレチノイン・ハイドロキノン療法をとりいれた化粧品”の注目度が高まっています。


効果が非常に高いものですが、副作用が強くて怖い薬だという印象を持ってしまっている方も多い感じがします。


このnoteを読むと
そもそもトレチノイン、ハイドロキノンって何?
ほんとに怖いものなのか?はたまた安全なものなのか?
シミが本当に消えるのか? がわかります。

難しい表現はできるだけ避けたつもりなので、今までよく分からなくて手を出せなかった方に、是非読んでいただけたらと思います。

噛み砕いて書くので医療者からみたら、「む?」と思う表現もあるかもしれません。あしからず…。

(ご指摘等あればぜひコメント欄に記載していただけると大変嬉しいです。)

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●ハイドロキノン

ハイドロキノンは「肌の漂白剤」と言われているものです。
自然にも存在していて、いちごやブルーベリーなどにも含まれているらしいです。

メラニンを白く染める!などではなく、”新たなメラニンを作り出さない力がとっても強い”という成分です。

新たにメラニンを作り出さない状況だと、既に作り出されたメラニンがターンオーバーで垢となって剥がれ落ちきった頃には、綺麗な細胞に入れ替わってるよ!というのが、ハイドロキノンでシミが消える原理です。

これがわかっていると、週に2〜3回しか塗らなかったり、数日〜数週間塗ったところでパッと綺麗になるわけではないのはわかりますよね。
(ターンオーバーは約28日といわれていますが、加齢とともに遅くなり実際は2ヶ月近くかかります)


いくら効果の高い薬でも、継続は力なりです。



新たにメラニンを作り出さない作用としては大きく分けて二つあります。

1.メラニンを作る材料を阻害する、「チロシナーゼ阻害作用」
2.メラノサイトに対する「細胞毒性」

 1.チロシナーゼ阻害作用とは?

【チロシナーゼ】とは、メラノサイトからシミの色”メラニン”を作り出すのに必要な酵素であるため、これを阻害することで”メラニン”が作られるのを防ぐことができます

同じく「チロシナーゼ阻害作用」があるものとしては、

「ビタミンC(誘導体)」「アルブチン」「コウジ酸」などがあります。
(いずれも阻害する手段が違うだけで、結果的にチロシナーゼを阻害する作用があるので”美白剤”と呼ばれます。)

これらの中でもハイドロキノンはチロシナーゼ阻害作用がかなり強いです。


 2.細胞毒性とは?

細胞毒性とはその細胞に対して、機能を阻害させたりすることです。

つまり、ハイドロキノンは”メラニンを活発に作っているメラノサイトの活動を抑える効果があります。

ただ、ハイドロキノンのメラノサイトに対する毒性は、そこまで強くないのでメラノサイト自体を破壊するまでの力はありません。

メラノサイトが破壊されると”ある重大な問題”が起こるので、これはむしろメリットです。


ある重大な問題とは、「白斑(はくはん)」です。

メラノサイトはシミをつくるだけではなく、肌の色も作っています
そのため、メラノサイトがダメになってしまったところは肌の色さえも作り出せなくなってしまい、白く抜けたようになってしまいます。


となるとハイドロキノンは「適度にメラノサイトを鎮める成分」ということになりますが、やはり高濃度のものを長期使用するとリスクは高まるので注意は必要です。

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 3.ハイドロキノンの欠点

この2つの作用に加え、”メラノソーム”というメラニンを貯める袋を分解する作用もあるハイドロキノン。
これだけ高い効果を発揮するハイドロキノンですが、欠点があります。


〈安定性が悪いこと〉です。


例えば普段使っている化粧品は、冬の凍える寒さでも夏の40度の部屋の中でも色が変わったり異臭を放ったりはせず、変わらず使えますよね。

その程度の状況の変化で性質を変えないと言うことは安定性がとても高いと言うことです。

ハイドロキノンはそんな状況だとすぐ変色してしまったり、効果が弱まったりするだけでなく、肌に刺激となる成分が生まれてしまいます。(そのため冷蔵庫保管になります。)

また、紫外線に晒された場合も影響を受けてしまい、色素沈着を起こすこともあります。

なので、「ハイドロキノン使用中は特に紫外線ケアは気をつけましょう!」と必ず医師から言われるはずです。


このことをしっかり理解してない人が使ってしまうと、「これを使って肌荒れしたんだけど?!」とトラブルになってしまうので、そこまで気軽に化粧品に配合することができないのです。

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 4.ハイドロキノンは使うべき?

気になるシミや色素沈着などが、ハイドロキノンで改善するだろうと医師が判断したならば使ってみるのはオススメです。

ただ、シミはシミでも深いところにあるメラニンだと効かないものもあるため、自己判断で使用するのは私はオススメしません。

効果が得られないのに副作用のリスクを負う必要はないからです。


また、いずれにせよ長期の使用は控えるべきなので医師からは期間を定められて使用することになると思います。


少々長くなってしまったので、トレチノインについては次の投稿に分けます^^


ご覧いただきありがとうございました!

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