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マスクの下で泣いた

今日は、自分が司会となって進めていく2時間の会議がありまして。

色々と下準備をして臨んだのに全然上手く進行できなくて、全ての発言が微妙に正解とずれているのが自分でも分かる、微妙な空気を感じながらも自分が発言して回して行かないといけない、という2時間だった。

「出来ない人」という見えないシールを貼られたようで、ここ最近仕事でもやもやしていた事も重なってそのまま会議後こっそりトイレで泣いた。

…という訳ではなく、自席で仕事を続けた。

いや本当は籠って泣きたい気分だったけど
出来なかったのは自分の力不足でしかなくて、泣いたり落ち込んで励ましてもらうのは違うよな、
いつまでも出来なくて当たり前の新人ちゃんモードじゃダメだよな、って思って。

そして帰り道、一人でいつもより若干足重たげに歩いていると課の先輩から声を掛けられた、その一言目が

「今日、よく頑張ってたな」

あぁ、この一言が欲しかったんだ。

私頑張ったんだよなぁ。
でもダメだったんです。

何かが切れて、でも何か変なプライドは捨てられなくて

「ありがとうございます。まだまだですね」

と返事をした。

そのまま先輩は何かを言いながら階段を降り始め、私も後ろから階段を降りながら涙が頬を伝う。

1階に着いた頃には涙はマスクが吸収していて、何も無かったかのようにまた横に並んで話を続けた。

その先輩が優しいのは知っている。
愚痴だったり、言い訳だったり、今日感じたことを吐き出したら聞いてくれただろうし、きっとよくやってると思うよって励ましてくれたと思う。そして出来なくてもしょうがないよね、明日からまた頑張ろう、と前を向く。
私はそうやってこれまでの人生を生きてきた。

でも今日は何かが邪魔をした。

それはマスクなのか、はたまた別の何かなのか、良いことなのか悪いことなのかすら今の私にはまだ分からない。

…もしかして甘えることが出来なくなるっていうのはこういう事なのかもしれないなぁ、とふと思いながらこの文章を書いた。

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