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激アツ!!!リンケージ感想!!!増補版

#こちらの感想はふせったーにぶん投げた劇団ガイアクルー主催の舞台リンケージ (https://gaiacrew.com/)を見た直後に描き下ろした感想「https://fusetter.com/tw/NlNSa#all」を増補したもんです。落ち着いたら全キャラの所感含めた完全版出したい。

■所感
とにかく熱い。熱かったよ!! 熱すぎてアウター全部脱いでもた。感動を胸に受けて装甲が剥がれていくような感覚、初めてかも!

■ストーリー
国から国を渡り歩いていた外方者が拾ってくれた国王と国のために戦って、思わぬ裏切りにあって散っていく、僕なりの読み込みでいくと忍者がまだ忍者として成り立つ前のガチの忍者ストーリー。好きすぎる。
和気あいあいとした雰囲気がドンドン重くなる、幸せな時間が崩れていく息苦しさ、壊滅、離散、再集結、反撃……とにかく今まで観てきた特撮や江戸村のチャンバラ劇、映画その他諸々のジャンルが舞台の上で混ざりあって極上の海鮮丼を食べた気分。

■なんで見ようと思ったのか
 ド本音でいきます。
「野水伊織さんの演技を間近で観たかった!!!!」
 とんでもねえ下心でありますが、野水さんを活躍を最初に認識したのは最初の瑞雲祭りでの活躍を拝見して……その前に鬼怒いいなぁ、かわいくてカッコいいなぁと思ったキッカケもあるのですがね。

 とにかく! その瑞雲祭りで!!

「えっ、阿武隈の……? 野水さん? すげえ……細かいところまで気が回りつつアドリブもソツなくこなして、けれども今の主役は日向の人だから、あ、あらら! 目立たない様にされてる……!? ひええ……すごい……!!」

 という衝撃の下地があって、その後の活躍を主にTwitterで追っかけてたらさぁ! 阿武隈や鬼怒のような可愛い声の下にとんでも無い質量のマグマをお持ちだったんですよ! それこそ、分かる人に分かる限りで言うと決戦仕様の瑞鶴の熱血ボイス。あれが常に出ていてもおかしくない熱さ。その強烈な魂の鼓動とも言うべき熱量を一番近くの席で感じられたらなぁと思ってました。
 実は腹を割って話してしまうと、あまり興味なかったんですよね……声、可愛い系だったので。大人のお姉さんやイケオジ・イケジョ声が好きなので。
 でもそんな好みを凌駕するほど最高に激熱な御方だった。映画に関するツイートなんか最たるもんだし。

 その中でそこで舞い降りたチャァーンス! 「出演する舞台でちょっとでも足しになれば」とフラッグ支援したリンケージの追加クラファンで最前列チケットがゲット出来るコースが爆誕!!! このチャンス! 逃さんぞ!! JCBとVISAの複縦陣で敵の中央を突破する!!! 聞こえなかったのか!!!! 夏コミの交通費で上限いっぱいなんだ!!!!!!

 そしたら12/07 14時開演の回、当日行ったらまさかの最前列真ん中!!! ありがとうございます!ありがとうございます!

 よっしゃ野水さんを堪能できるぜ……かと思ったんですよ、始まるまでは。

 しょっぱなからイケメンたくさん殺陣で乱舞!!!! おわー!!なんかすごいでっけえオーラのかっこいい外方の長!!! 心が乙女になるわ!!!!
 初手の外方の殺陣、大量のイケメン&イケオジPOWERを間近で浴びて呼吸困難になりかけました。救急車はいらない。棺桶作って待ってろや、葬儀屋。

 がしかーしっ! 私はね! あくまで野水さんの演技を観にきた、それだけなんだよ! 負けてたまグワーーーーッ!!!

 楊禅さまーーーーーー!!!!
 イケオジーーーーーー!!!
 すきーーーーーー!!!

 その日、私は池袋で乙女になった。

 しかしそれでもね、なんとか野水さんの演技を追いたいの!!! この眼に焼き付けたいんだよ!!! 根性出せよ自分!!! オラァ!!!

 けれども野水さんはそこにはいなかった。
 最も心を熱くさせてくれる声優・野水伊織さんだと思っていた女性は女性ですら無く少女、外方の者の最若手、雪だったんです……!!

 最初は他のみんなの個性が強烈で背景になりがちだった雪。
 転機は外方の里が燃やされた時、自分の命を守るため、とてもとても大切な守るべきものを差し出してしまった。
 それは王様と仲間の間に出来た赤子。
 瞬間、自分は思わずつぶやいてしまいました。
「いいんだよ……それで……!」
 雪はきっと悔しかったと思う! すごく悔しかったと思う! 自分の身の可愛さのために大切なもの……仲間が生んで、仲間が託した赤ん坊を差し出すなんて……生温い強さだったら舌噛みきって死ぬレベル。けれども本当に強かったら、生きてれば取り返すチャンスがくるから……100を超えるヒーローや生き様を思い出して、そう思って、その上で彼女の意思が砕けたように見えたその瞬間……むしろとても頑張って耐えたと思う。血を吐くような叫びだったけれども。
 ただの観客だったけど、その行為、せめて自分は肯定したかった。敵も激ヤバだったもんな。歯車が歪んだジェイソン・ステイサムとスカーレット・ヨハンソンみたいな殺し屋が来たら抵抗は無意味だよなぁ……。
 配信の二度目でも泣いたわ。子供を差し出す雪のシーン。鉄は鉄でズタボロだし、全力で悔しかったろうよ……。


 場面と時間軸が変わって。
 外方の里が壊滅して雪達が隠遁してる裏で、凌羽さんに反撃の一手として呼ばれたイケオジの楊禅さん。出てきた瞬間、物語の空気にそぐわない異質な存在感ととんでもない強さを全身に感じてムズムズ。
 とにかく楊禅の一挙一動が気になりすぎてやばい。飄々としてるけれども視線は全部を、なにもかも観ている。一分のスキもない強者の動き。子供の頃に観たチャンバラ舞台で無茶苦茶強い侍かった侍を思い出します。

 その楊禅を軸に生き残ったチーム外方が再集結したところがまたすごく良くてさぁ!
 楊禅さんの激アツセリフ。
「忘れるなよ。お前たちの勝利の裏で散っていったやつがいるってことを」
 忘れがちよね。一騎当千のヒーローだけの活躍を観てると。
 あと無用な戦いを避けようとする合気のやり口とかとんでもねえじゃない。好き。

 あと雪の手を観た時の巽の兄貴の優しさ。
「めっちゃ練習したんだなぁ」
 って、兄貴が兄貴たる所以みたわぁ~~!
 
 しかもさぁ! 二度目ライブ配信で観た時、その後、去る鷲の背中に向かって雪が「いつでも帰っておいで!」とか楊禅の挑発に見得切ったんよ! そん時に鉄のハラは決まってたのか!!!って思った!!!
 
 その後に舞台の前半分が暗転して後ろ半分で敵主犯の占い師、慈仙が悪巧みしてるんだけど、女中に「薬を飲ませてください(毒を盛れ)」みたいな話で「ははあ、なるほど、そういうこと……」って聞きながら「そういや前にいるチーム外方なにやってんだろ」と思ってたら

艮「兄貴がよう、大道芸やろって意気込んだはいいけどよう、岩石割りだけで飯食おうとしててよう、まあ正気を疑った」
雪「岩を……? 割る……? 本気……?」
兄貴「うん」

 みたいな感じで久々にあって近況報告みたいなことを動きだけでやっててすんごい面白かった。雪も笑ってたのかな、とにかくそこ、明らかにこれからヤバい展開になるの薄々と感じたからすごくホッとした。これ生の舞台じゃないと絶対に観られなかったと思うから改めて前の席で良かったよ。

 その他にも金剛石投げる時の雪がコントの動きなの、ここに限らずコミカルな時とガチの時に違うんだろうなぁとか。
 花火師一家、密偵なのにわざわざ正面からやってくれるの義理堅いというか、「そういうこと」なんだろうなぁ……とか。

 桜野が雲角ずたずたにされる時、碧の雲角の時は鬼気迫るものがあって美しさ三倍増しだし。

その後ね! なんやかんやあって! もう怒涛!

・アンサンブルが100人いるような感覚!
・秋水と鉄のバトル。360°周りを周って撮るカメラで撮られたような迫力がとんでもなくかっこいい!
・特に鉄サンの敵の心を動かす死はあまりにもかっこよかった! 美しい散華! 血糊もなにもないのに、全身ズタズタの鉄サンが俺には見えたんだ!!! 幻覚なんかじゃない!!!! 舞台にCGなんざいらねえんだ!!!

・鷲、服が元々赤いから、おまえ!
・稜羽が管然の最初の一太刀、避けるというよりすり抜けた感がすごい!
・滋仙のアースラのような迫力すごい!

・「誰が稽古付けてやったと思ってんだぁ?」
・「巽だッ……!」

・うわーーー!
・牙から観た時に滋仙と薊が重なってるように見えるように配置しててえぐい!!!!!!なんなの!!!!

・雪と秋水のところの雪の声、全身に雷に撃たれたような感覚になった!
・「よければ……私達と、一緒に……」
・「なんで……」
・「う"あ"あ"あ"あ"あ!!!!」
・熱い……熱い叫びだ……!

・滋仙が女性だと薊の操り方の説得力、やべえ。

・薊が最期に上記にもどってるように見えたのがグッとくるぅーーーー!!!

・ボロボロの慈仙を前に楊禅と構える雪の力強い構え、最初のゆるっとした未熟者の動きと全然違うように見えて熱い。

・血で血を洗う展開を経てクライマックス!
・占い師、呪い返しくらってざまあねえ死に様だな!!!!! きゃっほーーーーう!!! うほほほ!!! 

って喜んでたけど、後々にこいつの遺した爪痕で凛の国滅んで薄気味悪い強さがあった……
・最期に凌羽と対峙する小さかった雪の背中、配信でも感じるでかさ!!!

・散る命! つなぐ命! つながる命!
・雪もズタボロだ!!! 兄貴も死んだ! 弟分も死んだ!!! みんな血糊がないのに、なんでそんなに舞台が真っ赤なんだよ……!!!


 雪、雪ね。
 子供を取り戻すための強い願い、強い想い、進もうとするけれど、それを圧倒的な力でへし折りに来た最後の敵……絶望しかなかったし、それでも前に進もうとする雪、心の中で応援するしかできなかった。
 観客を背負って凌羽と対峙する雪の背中はとっても大きかった、とても大きかったよ……!!
 
 そこに差し伸べられた悲しすぎる女王の救いの手……そして、閉じる物語……。


 雪が楊禅に伝えた言葉
「忘れないから!」
 に対するとても楊禅の粋な言葉。
「阿呆! とっとと俺のことなんか忘れて幸せに暮らしちまえ!」
 んんんんんッ!!!! 偽悪〜〜〜〜!!


エピローグの前に!!
雪に関しては語りたいことたくさんある!!!!
とにかく野水さんの演技を間近で見に来たつもりが雪の半生に没入した!!!
最初は頼りなくて細くて小さい雪がどんどんどんどん大きくなって、いつの間にか観客席を背負うほど大きな背中になってて……しかも最後に素敵に歳を重ねてさ……

説明すっ飛ばしてたんですけど、リンケージを語る講談師の父娘がおったんですよ。合間合間にナレーション入れてくれる形で。
そんでリンケージの講談が終わったと思ったら、妙齢の女性の声聞こえてまして、講談師父娘のおっかさんか、母いたんか、野水さん、ー人二役かー、と思ってほっこり油断したらエッッッッ!!!!!!!! 講談師娘ーーーーー!!! お前、あの時の赤子だったのーーーー!? そして雪〜〜〜〜おぬし〜〜〜〜歳重ねた姿も最高〜〜〜!!!! って感動してさ、最後の最後、若き雪の姿に戻ったカーテンコールの後に鉄サンの墓標にそっと長の証を掛けるの……ああ、外方者としての活動は、実はここで終わったんだなって……!!!!!残心……あれほど心に遺るシーンはなかった……去る後ろ姿、一生忘れられないシーンになった……。


■雪以外キャラもちと深堀りしたい!
◇快楽殺人レディ、雲角!
 好き!!!!!! たまんねえ!!! もうさ! 顔ぐちゃぐちゃにする時の極悪さとかずっと最高にサイコ!!!! 死の天使!!!!
 やちよのお手々取り出したりとか最高にバーサク入っててしびれた!

◇びっくりするほど三下の管然!
 最後の最後まで何も出来なかったド無能!!! 普通ああいう三下が敵の虚をついたりするのに、それすらできない心掴まれるほど無能!!!! でも無能だからこそ必死に生きる!!!悪くない!!!! お前は悪くない!!!! 花火師一家にオラついた時がピーク過ぎて笑いを殺すのに必死だった……無能だって無能なりに必死なんだよ、わかるよ! 俺もそうだもん!! 泣くわ!!! 無能なりに生き延びてたのかな!!!
 ズタボロの鉄に調子に乗る管然が無茶苦茶おもしろい。調子に乗った後、睨まれながら土下座して少し引くのかわいい。そこに割り込まれて逃げるように去るのもかわいい。

◇頼れるおやっさん、鉄!
 出てきた瞬間のオーラがやばかった……デカい人間……社長だったら絶対についてく……たとえブラックだとしても……
 途中でズタズタにされてここで終わりか……と思って泣いてしまって、生きてて安心したし、最後の散華があまりにもかっこよかった……男の中の男……しかもその死が敵一人の心に最後の背中押すんだもんな……鉄サン……!! 最高……!!

◇楊禅様!!
 気がついたら眼で追ってました。
 研ぎ澄まされた強さを感じる! 殺陣!!声!!! パーフェクトイケオジ!!
 たまんねえのよ。用心棒の三船敏郎とか仲代達矢とか、そういうカッコよさ!
 軽そうに見えて引き締まった剣戟、誰よりも心強かったです。
 あとで気づいたんだけど講談師父娘に話しかけた時点で何かを超越してるんだよな。

 あああああブロマイド買い忘れた……!!

◇一朗太さんの役回り!
 はぁーーーーーー花火師一家の腹心……活躍の場は少ないけど、存在感尋常じゃなかったね……つか一家の面々、小屋爆発しても無事な時点でいろいろ気づけばよかった。
 けれども、だからこそあの最期がよかったんだ……密偵としての散り際、見事だった……二回目見れたらなぁ……。
 そう、一朗太さんがマジで密偵すぎてかっけえ。
 ていうかそれを後ろを取ってなぎ倒す女将さんなにものよ。

◇外方の華、薊
 本当に強い女性がやってる感がすごったぁ……セクシーさ以上の鉄さんのような無骨なかっこよさもあってイケてる感。
 それが屍の兵になってさぁ……特殊メイクとか全然ないのに、多分、そういう映画を見すぎたんだと想うけど、臓物とか飛び出してそれが戻っていく不気味さとか感じる動き、おどろおどろしくてホラー映画観るよりゾクゾクした。
 薊、しんどい…

◇ぜったいつよい陵羽
 絶対強い。鉄とは違う重み。見得。流し目。史実の柳生宗矩や服部半蔵を彷彿とさせる圧巻さ言葉は要らないと思う。
 最後に流した一粒の涙とその音で一気にこみあげてしまいました。最前列でしか感じられなかったであろう重み……しかと受け止めさせていただきました。

◇みんなのアニキ・巽
 脚ながい! 腕長い! そこから繰り出される剣戟! 脚が細いのにその重みのある一撃はどこから出よるん!! というくらいど迫力!! 鉄との「あの薊がネェ〜〜!!」のハモり込みの良き盟友感もイイ! からの岩を砕く芸でなんとかなると思ってた頭の悪さ! 好き!!

◇革命軍リーダー風次
 いい、とてもいい感じの勢い任せの向こう見ずの若者が飛び跳ねるのよかった。彼が居ると勢いが増すのがいい!
 碧の陣では残念だったけど、赤の乱ではおめでとうという気持ち。ごめん、あたい、碧の陣のラストのほうが好き。


◇正気を失った王妃、白蓮様
 正直、受け止めるのがものすごく難しいのでコメント差し控えたいです。ただそれほどまでに狂人だった。

◇おかみさん
 碧の陣はパワー系のきもったま母ちゃんに対して朱の乱の元レディースヤンママ感やばい。
 マグロどころかマンモス獲ってくるんじゃないかな。
 それでも旦那さんへの愛の深さすごかった。

◇やちよ
 語尾のありんすがかわいいし、それだけに裏で殺されたのがホントしんどかった。

◇一番悲しい星回りの牙
 槍捌きだけでなく足捌きがすごくかっこいい。膝で滑りを止めながら構えるところとか、映画だったら絶対土埃舞うし、舞ってなかた???

◇強き乙女、千鶴
 天真爛漫ってのは彼女のためにある言葉だと思います。最後まで強かったなぁ。強さの次元が違ったなぁ。首が少し前に出て常に前に進んでいるような姿勢が常に出てるのかわいい。

◇桜野
 雲角にズタズタにされた時に切ったタンカの力強さ、死んだ後も何度も幻影で出てくる姿の非日常感というか守護霊のような神々しさ、すごかった……。

■最後に…
涙を押し殺してカーテンコールを締める雪の姿、演目が終わっても雪であり続けた野水さんがあまりにもかっこよくて、美しかったです。

ずたずたにつき刺さった感動、一生とれない入れ墨になったと思うので死ぬまで一緒にこの感動と過ごしたい。

こんなにもすんごいもんを取り仕切り、3時間強のもう一つの現実を魅せてくださったガイアクルーさんに、感謝ァ!!