いなくなった君へ

今日は、とある誰かへぼくから送る手紙だ。

読んで欲しい誰かは、この日記を、手紙を読んではいないかもしれないけれど、読んでいようと読んでいなかろうと、問題はない。読まれなくてもいい手紙を書くということは、これはもしかしたら手紙とは言えないのかもしれないけれど、しかし読んでいる確かな人物が一人いる。ぼく自身だ。

手紙と言っておきながら、結局のところこれはただの日記で、だからこれはいつも通りの、ぼくの心の整理に他ならない。前置きが長くなったが、そろそろ本文に入ろうと思う。

去年の今頃だっただろうか。ぼくにとっての、最初の協力者であった君は、ぼくにとっての唯一の支えだった。あれから長いようで短い年月が過ぎ去り、ぼくの周囲には読者と、友人と、仲間ができたように思う。時に彼らと距離を近づけ、時に彼らと距離を置き、そうしてシーソーのように心の重心を揺らしながら、今日まで生きていた。近づき過ぎては心を壊し、離れ過ぎては孤独が苦しかった。そうして今やっと、ある程度のバランスを取れるようになってきたと、思っている。

そんな今のぼくが行き着いた先は、結局のところ、君のぼくとの関わり方のそれに近かったのかもしれない。頼り、頼られ、背負い、背負われ。互いに助け合いながらも、しかし互いに別々の、一人の人間として地面に足をつき、立っている。馴れ合いでも、仲良しごっこでもない背中合わせのようなその関係性を保っていた君は、なるほどこのような心持ちだったのかと、理解できたように思う。

改めてぼくから一つ、君に礼を言いたい。


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