三大攻略戦_2021/12/07

もし、ほとんど努力と呼ぶことがなく、当たり前にそれをやってしまえることを才能と呼ぶのだとしたら、ぼくには多くの才能が備わっている。もちろんそれは文章に関すること、ではない。

ぼくは怠惰の天才である。

ぼくは二度寝の天才である。

ぼくは先送りの天才である。

ぼくは見切り発車の天才である。

ぼくは無計画の天才である。

ぼくはなんとかする天才である。

ぼくは嫉妬の天才である。


そして、自身を複雑に見せかけることの天才である。


この日記をよく読む方であれば、お気づきなのではないだろうか。時に哲学的な、時に倫理的な、時に精神的なぼくが書き残してきた文章は、ほとんどその内容に意味など無いことを。目に見える文字の羅列に意味などなかった。だがそのような文章を書いた理由ならあった。この日記は、ぼくの精神衛生状態が一目見てわかるものとなっているのだ。

現実が上手くいかなければ、抽象的で内面的な話を。

現実が上手くいっていれば、具体的で外交的な話を。

この日記からもし、東真直という人間を推し量れるのだとしたら、きっとこれくらいのものではないかと思う。結局のところ、ぼくは単純な人間なのだ。良いことがあれば嬉々として報告する子供のように、あったことをそのまま話す。良いことがなければさも哲学者であるようなフリをして、やけに小難しい話をし始める。しかしその実態は1+1=2という内容を100倍、1000倍に水増しして書いているだけのことであり、とても内容が伴っているとは思えない。しかしこの水増しこそが物語でもあるので、そういう意味ではやはり、物語を書くのに多少なりとも適性があるのかも知れなかった。

1のことを100、1000の話にする天才。

そしてそれに、それっぽい理屈を並べて納得させる天才。

そんな詐欺師のような人間が、東真直である。

こういうやり口で詐欺師などは、明らかに必要のない商品を売りつけてきたりするので、充分に気をつけてもらいたい。自身が適当なことばかり書くものだから、自然と自分でも相手の言葉をあまり信用しないようにしている。感情なんて一過性で、言っていることなどコロコロ変わる。だからぼくは、迷ったら行動のみを並べ、見ることにしている。例えば付き合っている相手が自分を本当に好きなのか悩んだとき、ぼくはこんな風に考える。

まず、相手と交わした会話全てを一度忘れる。

次に、自分と相手の行動、つまり事実を並べる。

すると戯言というフィルターは消えて無くなり、後には確かな現実だけが残るのだ。いくら甘い言葉を重ねていようが、相手はそれで一体何をしてくれたのか。あるいは自分は相手に何をしたのか。それだけを考える。恋愛の例えで続けるならば、例えば毎晩電話をしたというのは事実である。それから予定を空けて会ったのも事実である。あるいは、その反対もあるだろう。言葉だけは良いことを言うけれど、事実を思い起こそうとすると、何もないという状態だ。それらが一体何を指し示すのかは、あとは自分の解釈次第だろうが。勉強します、お片付けします。なんて誰でも言えるのだから。

閑話休題。

話が逸れたが、ここからが今日の本題である。
今日書き残しておきたいことは主に三つだ。


そしてそのどれもが、現実の話である。


※ここからの内容はぶっちゃけ過ぎているので口外は厳禁でお願いします。SNS等での発信もご遠慮ください。


対人攻略戦

人と会う機会が多過ぎる。新規の取引先や、営業先。加えて忘年会シーズン。ぼくはこれまでにないほど、コミュ力と社会性を求められる日々を送っていた。外を出歩くことも増えた。そんなときふと、ぼくは気がついた。

「靴、穴空いてね?」

ここから先は

4,526字
月額1000円の有料日記です。こちらの金額をお支払いして頂ける方のみ、 僕の本音を聞いてください。 ただ本音過ぎる内容になるので、口外は一切ご遠慮ください。

〔イラスト_専属絵師ささち〕 本音なんて聞きたくない方は読まないでください。 ぼくの本音を聞く覚悟がある方だけ、ご購読頂けると幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?