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【鍼の物語 - 毫鍼 GOSHIN -】鍼と電磁場 #1/3

こんにちは。東です。

今回も引き続きドクターS先生との議事録です。前回は、熱の履歴という言葉について書きました。

▼前回は熱の履歴という意味深な言葉について

熱の履歴はかなりお気に入りのフレーズです。東洋医学を説明するのに、とても良い。熱の履歴と東洋医学の関係については、何れまとめたい。

さて、今回は鍼と電磁場についてお話ししたいと思います。

鍼と電磁場。関係あるのかないのか。

はじめに断りを入れておくと、ドクターS先生から直接「鍼には電場と磁場が~」というお話があったわけではありません。ドクターS先生からは「金属を加工する過程で、本来、磁性を持つことがある」とあっただけです。

一緒に話を聞いて頂いたジュエリー職人さんは「なるほどぉ〜。だから、鍼の形状にまでなっている時には磁石についていたんですね」とポツリ。

「この鍼は磁石にくっついたから鉄ベースだと思ったのですが、拡散接合した状態では磁石につかないんですね」と続ける。

ドクターS先生はおもむろに、右のポケットからマグネットを取り出す。拡散接合した鍼に翳す。「つかないですね」「あ、ホントだつかない。なるほどな~」と対話してる。私は金属の素人なので、話にはついていけない。

【磁気(磁性)とは】

磁気(magnetism)は,磁性(magnetism)ともいい,磁石に特有な他の物質に対して引力や斥力を及ぼす物理的性質である。なお,物理学では,磁気より磁性が広く用いられる用語である。
Magnetism の語源は,古代ギリシアのマグネシア地方に産する鉱石が鉄片をひきつけるという奇妙な性質をもっていたので,これがマグネット(magnet :磁石)と呼ばれ,その性質について命名されたといわれている。
磁石は,中国で磁鉄鉱が釘を吸着する様子から,慈しんで抱く石から慈石と呼ばれ,後に,磁石になったといわれている。
 
磁性は,電流の中の電子の運動(電磁気)や量子力学的な電子の軌道運動やスピンで生じる。磁性の強さは,原子を構成する電子,原子核の磁気モーメント(magnetic moment)によって特徴づけられるが,電気の電荷に相当する磁荷は未だに発見されていない。
 
磁性の一般的な分類には,物質自身が容易に磁石となりうる鉄鋼,磁鉄鉱などの性質を強磁性(ferromagnetism)といい,銅,アルミニウム,一般的な気体,合成樹脂などの磁場の影響が無視できる物質の性質を非磁性体(nonmagnetism)という。
磁石を近づけたとき,磁気力の方向と平行な磁化を生じる性質を常磁性(paramagnetism),反対方向に磁化する性質を反磁性(diamagnetism)という。

引用:技術情報館 SEKIGIN 電磁気学 


しかし、ふと頭に思い出したことがある。神戸源蔵の鍼を持った時に感じる独特なジワジワ感。むむっ。これはもしや。

次に思い出されたのは、鍼の手技。

鍼を身体に刺した後に加える操作法を「手技」という。鍼の手技には、左手首で保持している刺した鍼に、右手や鍼管を使って摩擦を加えるものもある。おやおや。

ここからは想像(妄想?)

拡大・誇大解釈かもしれない。ただやはり、鍼治療には電場や磁場を含めた目に見えない力が関連している可能性は感じる。

私は東塾での講座で、鍼を刺した時に感じる鍼の感触を説明する時には、二つのことを意識するようにしている。

一つめは、物理的な身体と鍼の関係からくる密度を主とした感覚である。ねっちりと鍼に纏わりついてきたり、パキッと締まって離さないなど、色々な感触がある。

二つめは、目に見えないジリジリ・ジワジワした電磁場のような感覚で、感覚が開いてくると感じてくるようになる。もやぁ~んとか、じわぁ~んという柔らかい感触から、バチッ!と爆竹が爆発するような感触もある。

後者は、明らかに物理的な感触とは異なる。東洋医学では気の滞りがあらゆる病の原因であるという。鍼の感触に基づいて今様に表現するならば、気の滞りとは行き場を失った過剰電流という言葉に置き換えられるような気がする。

ちょっと話の軸はそれるが、昭和30年頃に発刊されてた、鍼灸臨床書の焼いた鍼の注意事項についても思い出した。焼いた鍼を用いる際には、真っ白に粉をふくくらい加熱してから使えという指示があった。その方が効果があるからだという。

鉄が赤くなったり白くなったりするのは、電磁波の色だというのを、何かの科学の本で読んだ気がする。

まとめると、鍼というものは、物理的な刺激からくる物療と呼ばれる範疇の世界と、まだ測定はできないが目に見えない微細な電磁的なものを合わせた世界と、この両者以外の人体の神秘みたいなものを含めた治療なんだな、きっと。

さて、今日はドクターS先生の「金属を加工する過程で、本来、磁気を帯びることがある」から発想(妄想?)した次第です。

鍼のように細く引いてくる工程で磁気をまとわせるのは、おもしろいな~。

大手メーカーはどうしているんだろうか。見学に行きたいですね~。

では、今日はこの辺で。



今回も読んで頂きありがとうございます。ISSEIDO noteでは、東洋医学に関わる「一齊堂の活動」や「研修の記録」を書いています。どんな人と会い、どんな体験をし、そこで何を感じたかを共有しています。臨床・教育・研究・開発・開拓をするなかで感じた発見など、個人的な話もあります。


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