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中国、ケレスへのミッションと大型暗黒物質宇宙望遠鏡を検討中(spacenews翻訳10/17)

中国科学院のニュー・ホライズンズ・プログラム

ヘルシンキ発-中国科学院は、セレス探査機や暗黒物質の本質を探る巨大望遠鏡などのミッションの候補を検討しています。

中国科学院(CAS)の宇宙科学に関する戦略的優先プログラム(SPP)、別名「ニュー・ホライズン・プログラム」のもと、20以上の候補がさらなる研究のための資金提供を争っており、現在評価中です。

準惑星ケレスは、表面物質の違いを強調するこれらのフォールスカラーレンダリングで示されています。

北京の国家宇宙科学センター(NSSC)は、2022年後半に専門家パネルを組織して、これらのプレフェーズA候補を審査し、プロジェクトの優先順位を勧告する予定です。
選ばれたミッションは、その後さらに研究が進められ、今後10年間でミッションとして開発される可能性があります。

ミッション提案の一握りは、Chinese Journal of Space Scienceに掲載されたSPPミッション第3ラウンドの選考経過に関する論文に名前が挙げられていました。
これらは、超大型ガンマ線宇宙望遠鏡(VLAST)、宇宙天気計画、ケレス探査計画、重力実験衛星です。

これらの提案は、宇宙天文学と天体物理学、太陽系外惑星、惑星科学、地球科学、宇宙生物学、基礎物理学の分野をカバーしています。

ケレス探査計画

現時点では、ほとんどのミッションについて詳細は不明ですが、ケレスとVLASTのミッションはより明確に定義されているようです。

ケレスの提案は、主なペイロードとして地中レーダーを搭載した探査機であり、"ケレスの起源とその地下海、火山地質活動 "に焦点を当てることが理解されています。

これまでケレスを訪れた探査機は、ディスカバリー計画で承認され、2007年に打ち上げられたNASAのドーンミッションのみでした。
ケレスは、地質活動が継続している可能性のある海洋世界として認識されており、居住の可能性についてさらに評価される可能性があります。
このミッションは、ケレス、ひいては太陽系内の他の海洋世界や揮発性物質についての理解を深め、これらの分野における新たな知見を提供することが期待されます。

VLASTは、2015年に打ち上げられたDAMPEミッションに続き、ガンマ線放射に含まれる暗黒物質のシグナルを検出することを目指します。また、メガ、ギガ電子ボルト領域のガンマ線天文学を行い、宇宙線の測定も行う予定です。

今年の展開

今年5月にActa Astronomica Sinicaに掲載された論文によると、VLASTはFermi Large Area Telescopeの感度を10倍高めると期待されています。この約16トンの観測装置は、長征5号ロケットで打ち上げられる予定です。

さらに、CASはSPP IIIのミッションの一部として、2025年から2030年にかけて実施される可能性のある13のミッションを評価していました。

候補の中から、宇宙天文学・天体物理学、太陽系外惑星、惑星・地球科学の分野から5〜7ミッションが選ばれる予定です。候補には、金星探査機、月軌道上の天文コンステレーション、系外惑星探査ミッション、海洋・気候ミッション、太陽観測所などが含まれます。

SPP IIIは、「中国の宇宙活動を促進し、国際的な宇宙科学と探査に大きな貢献をするための効果的なアプローチ」であると、同誌の論文で述べられています。

ニュー・ホライズンズ・プログラムの出現は、中国が主力である嫦娥月探査や天文深宇宙探査と並んで、中型クラスのミッションも開発しようとしていることを示しており、ミッションの選択次第では深宇宙探査を追加する可能性もあります。

天文シリーズの活躍

提案されているCASミッションは、名目上、中国国家宇宙局(CNSA)の庇護下にある嫦娥と天文ミッションとはやや別個であり、追加的なものでもあります。

天文1号は2020年に打ち上げられ、火星に探査機とローバーを送り込みます。天文2号は地球近傍小惑星のサンプリングと彗星ランデブーの複合ミッションで2025年頃に打ち上げられ、天文3号は火星のサンプルを採取して地球に送るミッションで2028年に打ち上げられます。

天文4号は、2030年頃に木星に向けて2つの探査機を打ち上げる予定です。1機は木星系を研究し、カリストの軌道に乗り、もう1機は重力アシストを使って天王星にフライバイする予定です。

SPP IIIは、2015年から2017年にかけてDAMPE、HXMT、Shijian-10、Quantum Experiments at Space Scale(QUESS)ミッションを打ち上げた宇宙科学に関する最初の戦略的優先プログラムからの続きになります。

SPP IIでは、来年打ち上げ予定のEinstein Probe、2020年打ち上げ予定のElectromagnetic Counterpart All-sky Monitor(GECAM)、今年打ち上げ予定のAdvanced space-based Solar Observatory(ASO-S)、欧州宇宙機関と共同で行うSolar wind Magnetosphere Ionosphere Link Explorer(SMILE)などのミッションが予定されています。
#中国科学院
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