綿菓子と交わした約束
夕方の5時に
観覧車が動き出す
家族連れとカップルで賑わう
一気に遊園地に入り
走り始める客
数メーター離れたところ
から見えた夜のカーニバル
笑い声とスリルによる叫び声
が夜の街にこぼれだす
どんどん近くなっていく
近そうで遠い祭の様子
わくわく抑えきれず
走り始め
その一瞬で
声も笑顔も観覧車も
空気のように
ふわーっと消える
それが私と綿菓子の約束
次現れた景色は
サーカス。
数えきれないほど
の色がまっくらな
夜を美しく賑わい
赤く前上がる炎
ゆっくりと迫力で
観客を感動させる像
どんなことも乗り越える
賢い恐ろしいライオン
ショーが始まる様子
かつて世界を圧倒させた
あのサーカスショー
握手がなり始め
観客を見渡すと
また一瞬して消える
観客も握手もサーカス全てが
それが私と綿菓子の約束
全てが用意されている
私の好きな青いバラ
一つ一つの机に並ばれている
太陽が眩しく
私たちの大切な場所を
輝かせている
今日が幸せになる日
結ばれる日
幸せな一生が
新しく切り開かれる日
観客も席についていて
リクエストしていた
あの曲も再生されている
あとは私がドアを開き
彼のもとに行けば
完成。
これ以上の幸福などない
扉を開き
白くて華やかで
この日に選んだ
ホワイトドレスと共に
歩み始める
愛する彼のもとに
一歩一歩近づくと彼の影が
薄くなり、それではやめると
掴もうと手を差し伸べ
彼の手を繋ごうとする
その時またまた
一瞬して好きな歌も
好きなゲストも
大好きな彼も
空気になって消える
それが私と綿菓子の約束
掴もうとして掴もうとして
この世で一生忘れねない幸福を与え
一口味わえそうな幸福をね
その代わり
一瞬して消えていく
何回掴もうと同じ繰り返し
あの中毒になる
幸せのために何度も
掴みにいく
たとえ手に入らなくても
そう交わしたのさ
一瞬の代わりに永遠の想いを