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よかれんってなに?

「 ヨカレンって何?
…というより、日本軍の事もよく知らない!
WiKiなどを見てたけど、いきなり専門的ぃ~😫 」

という初心者中の初心者さんに
これだけ抑えてれば十分詳しい人になれるポイントを書きます。
漫画の方で触れてる内容もありますので、
興味が湧いたらそちらも読んで頂けると幸いです。

既に基礎知識を持っている方は
予科練(海原会)さんのnoteでhttps://note.com/yokaren理解を深めて下さい。


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🌟 日本海軍・パイロット養成制度

海軍では
航空機の飛行に携わる兵の事は搭乗員と呼びます。
それを養成する制度の初段階に
「予科練(飛行予科練習生)があります。

陸軍では「少年飛行学校」が「予科練」に相当し、
少年飛行兵」と呼ばれます。
海軍で言うところの搭乗員は、空中勤務者となります。 

予科練生も単語の意味から言えば同じ「少年飛行兵」なのですが、
当人達は自覚や誇りを持って「予科練」を自称することに拘ります。
周囲もあえてヨカレンと呼びました。

日本軍はこの陸軍と海軍で成り、空軍は存在していないため、
陸海それぞれが航空機を所有し、要員もそれぞれで養成していました。

零戦海軍の飛行機。
陸軍では(ハヤブサ)などが代表的な戦闘機です。

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🌟 制服

飛行兵を志願しようとする場合は陸軍か海軍のどちらかを選ぶことになります。
海軍の方が人気があったとよく言われています。

陸軍は全国津々浦々に居るけど、海軍軍人は限られた地域にしかいません。
映画でおなじみ…あの清潔感溢れる白い士官服の海軍さんはレアキャラなので、人目を惹いたようです。

敗色が濃くなり始めた17年11月には
予科練生の制服が水兵服から通称「七つボタン」という、上着の丈がショートな学ランタイプのものに変わると、さらに予科練は特に少年達の羨望の的となりました。
制服変更の経緯には、3期予科練生が血判状を書きストライキしてまで要望した事件があった件と、少年達を予科練に呼び込むPRを踏まえたのでしょう。

そもそも海軍が洗練された容姿や国際性に拘ったのは、創設以来外交の最前線に居たからと言われています。

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🌟 学校ではないのか?

予科練も陸軍同様実際は学校なのですが、
陸軍の様に「生徒」ではなく「練習生」と呼ばれます。
学舎の名称も学校ではなく、〇〇(地名)海軍航空隊と呼びます。

進学なのか就職なのか…当の予科練生の認識はそれぞれでしたが
自分の所属先として航空隊の名を名乗れば、イッパシの海軍の一員である自覚が促された事でしょう。
海軍としては、予科練や飛練を練習航空隊として司令が統べる形が効率的で、燃料等の予算も付けやすいなど事情があったようです。

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🌟 入隊後真っ先に教える事

当時の少年達は軍に入隊する段階で殆どが全くの素人ではないと言えます。

学校の課目に軍事教練があり、学年によっては執銃での本格的戦闘訓練もありました。
人気の遊びも戦争ごっこ。
少年の多くにとって強い軍人になる事は男児の理想的な進路の筆頭
…という時代でした。

教練は各科目の中でも特に重視されたので、
その習得には随分力を入れたことでしょう。

学校でその指導を行ったのは陸軍の教官です。
敬礼や行進など(徒手訓練)の作法は陸軍式です。
予科練ではまず陸式の癖を海軍式に変える指導がされました。

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🌟 飛行機に乗る訓練は無いのか? 

予科練で飛行する事は適性検査の時だけしかありません。
その際も搭乗前の所作がメインで、飛行時は複座に乗る教員が殆ど操縦桿を握っています(どの程度厳密にやるかは教官や期によって違うかもしれません)
飛行機に乗る訓練は予科練を卒業し飛練(飛行練習生)に上がってからです。

それでも予科練は飛練で行う事の予習の場なので、
飛行機に乗る事以外は、だいたい飛練と同じ部分が多いです。
練習生という呼ばれ方も変わりません。

課業内容や行事についても特に新鮮な事は無いようですが、
いよいよ飛行機に乗る本チャンなので、多いに興奮したことでしょう。
ただし、樫の棒などでお尻を叩く制裁(バッター)についても飛練からが本チャンだったそうです💦

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🌟 予科練の種別

予科練には乙種甲種丙種(のちに特乙種)などがあります。
年齢、学歴、専門知識の有無などで、応募要件がそれぞれに違います。
台湾人や朝鮮人のみに募集をかけた特丙種という種別もありました。

学歴を基本としているため、それぞれの階級獲得速度が違うことが問題でした。
入隊時の学歴より入隊後どんな濃い訓練をするか?
又本人の努力によっては、他の種別の能力値を追い抜く事も多いにあるわけですが…。
階級が兵隊としての実力に伴わない事がよくありました。

海軍は特に、階級に重きを置く考えが伝統とも言え、
士官より下士官が現場の事に詳しく技術も秀でているのが当たり前の状態。
士官はそれを恥じるどころか、下士官のことを「スぺさん」(スぺシャリスト)と見下すような言い方までしていました。
現在の会社や官公庁組織でも容易に改善されない事かもしれませんね。

軍隊や社会経験のある者が居る丙種は、大人の忍耐と分別で周囲と連携関係を保ったけど、
乙種と甲種の練習生は
予科練の負けじ魂を推奨する教育方針に従い、
ひたむきに互いをライバル視し、死人が出る程の争いとなって、
上層部が頭を悩ませる結果になりました。

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🌸 ただの私感ですが

海軍は、特定の者だけ極端に短期間で何階級も上げるような進級のルールを作るので、
兵・下士官・時に尉官にしてみれば理不尽な差別に満ちています。
これはただの「杜撰」というより、
上層部の軍人達は、
自分の欲しいコマをどう手に入れるか考えた際
予科練生における夢やお金やカッコイイ制服を、
予備学生においては名誉や兵学校卒と同じ階級を
目の前に餌としてぶら下げる
そういう手法が当たり前にあったんだなぁと…。
司令部はだいたい兵学校卒だから、兵学校の教育にどんな問題点があったかはちょっと気になる所です。

大勢の下士官と、予備学生を特攻に行かせたのは
横暴な特権意識か、
大将として自軍を勝利に導かねばならない非情さか
私は裁判官でも神様でもないから裁定しかねるけど、
大事な場面で、適材適所に望ましい人が居なかったのだろうと思われ残念です。



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