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親愛なるお友達へ

昨日、ある年の離れた友人からメールが届いた。
彼は数年、病と闘い、そろそろ天国へ旅立つ準備をしているという。
私は経験不足すぎて、その友人になんて返事をすれば良いのか本当に分からなかった。もう読んでもらえないかもしれないけれど、感謝の気持ちをメールに込めた。それでも何か足りない気がして…ただ胸が傷むばかりだ。

いつか会えればいいですね、おはなし出来ればいいですねと言いつつも、仕事の関係、いろいろなところへ行っている間に時間は虚しくすぎていった。
友人は会えばいつもパワフルで、私がいつも圧倒されていた。太陽のような人だった。しかし、繊細さも持ち合わせていた。
私の知らない世界、音楽、人、文章を知っているようであった。

皆既日食で天体観測したのがとても懐かしい。そんな日々もあったなぁと懐かしく思う。

学校を出てから正解のない問題ばかり直面する。誰も教えてくれないし、Googleに聞いたところでなんか嘘くさい。そんなGoogleに教えてもらえるような簡単な問題じゃないんだって思ってしまう。

子供の頃に比べて最近、いろいろと鈍感になってきている気がする。情報があふれ、好きなものも何かよくわからなくなる。胸を熱くするような思いも。寂しさとか悲しさに触れることが増え、去っていく友人に何と声をかければいいのか頭が動かなくなる。

メールの中に、バッハのカンタータがお好きだと書かれていた。私はうまくメールできなかった分、バッハを聴くことにした。

私は今、西の方で生活している。いつか教会に行った時にどうかそこで会えますようにと。

親愛なる友人さん
次の旅路が素晴らしきものでありますように。
今の生活の中にも少しの微笑みと笑いが起こりますようにと。

10分間で日々思うことを書けたらと思い始めました。