【EDH】 僻境宮廷のエリヴェア/Ellivere of the Wild Court
エルドレインの森で 僻境宮廷のエリヴェア/Ellivere of the Wild Court がリリースされました。この記事では新たなエンチャント系殴りジェネラルであるこのカードを使ったデッキを構築していこうと思います。
僻境宮廷のエリヴェア/Ellivere of the Wild Court について
まずは能力を見ていきます。
能力で場に出すことができる 聖者・役割 は無色のオーラで以下のようなテキストを持ちます。
自身には貼ることができないので、一定程度対象を取ることができるクリーチャーを準備することがある物の、天上の鎧/Ethereal Armor 相当の修正値を持つオーラを継続的に場に出すことができる能力によって、これまでのコマンダーとは一線を画する打撃力を持っています。またオーラが付与されているクリーチャーが戦闘ダメージを与えた際にドローすることができるため、一定程度の継戦能力も持っています。同じ条件で誘発する 秘密を知るもの、トスキ/Toski, Bearer of Secrets や 西の樹の木霊/Kodama of the West Tree などと組み合わせることでアドバンテージを拡大することも見込めます。役割をセットする際には対象を取る点には注意が必要です。
既存のジェネラルとして比較対象になるのは 耕作者、ケスティア/Kestia, the Cultivator で、自身でオーラを調達できる代わりに、色が減りドローの誘発条件が厳しいという塩梅と言えます。今回は先達に倣って、スタックス + 戦闘で勝利を狙うことを主軸としたジェネラルとしてデッキを構築することにしました。
デッキ構成
スタックス系カード(17 枚)
アタックできるようになるのが 3 ターン目以降となるこのデッキは、環境を減速させない限り一方的に殴り負けることが容易に想定されます。また性質上エンチャントを多数展開するため、波止場の恐喝者/Dockside Extortionist に大量のマナを生成されるとそのまま負けるという流れも良くあります。
スタックス系カードの採用指針として、全体的にエンチャント・クリーチャーで実現できる物は優先して採用します。また 3 ターン目には 僻境宮廷のエリヴェア/Ellivere of the Wild Court を出したいため、3 マナ以下のカードのみを採用したいところです。
ターンに1度までカードをキャストを制限(4 枚)
ウィノータの構築でも良く見る 耳の痛い静寂/Deafening Silence、 エメリアのアルコン/Archon of Emeria、弁論の幻霊/Eidolon of Rhetoric の3枚に加えて、ブロッカーの展開を減速させる ファイレクシアの検閲官/Phyrexian Censor を採用しました。
ただしウィノータと異なり、これらのカードの影響を少なからずこちらも受けるので、意識的に瞬速を持つカードなどで手数を増やせる工夫をしておく必要があります。
波止場の恐喝者/Dockside Extortionist 対策(5 枚)
波止場の恐喝者/Dockside Extortionist の宝石を止めるためのカードを複数枚採用しています。エンチャントで対策できるカードを優先していますが、どこまで枚数を割くかは悩ましいところです。鎮まらぬ大地、ヤシャーン/Yasharn, Implacable Earth はフェッチランドにも刺さるので、こちらのデッキ内に入れる枚数はよく考えたいところです。根の迷路/Root Maze は非常に強力なのですが、こちらへの影響が大きすぎるきらいがあるので扱いが難しいです。静寂をもたらすもの/Hushbringer と 静翼のグリフ/Hushwing Gryff は 僻境宮廷のエリヴェア/Ellivere of the Wild Court よりも先に場に出すことはできませんが、それ以降はこちらが影響を受けることは無いので、蓋をする目的でサーチして場に出すことを想定しているクリーチャーです。
墓地対策(2枚)
現在の環境は高速なデッキは墓地を経由してくることが多く、これらのカードの優先順位は高めです。ただ漠然と刺すのではなく、環境によっては別の対策カードへの差し替えを常に視野に入れておきます。
今回は優先度の高い 安らかなる眠り/Rest in Peace と 魂なき看守/Soulless Jailer のみ採用します。
サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift 対策(2枚)
せっかく作った盤面を1枚で跳ね返す サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift だけはデッキの速度的にもどうにもなりません。カードのキャスト自体を止める方向で対抗しています。
ユーティリティ(4 枚)
統率者特有の妨害カードに加えて、クリーチャー系コンボへの対抗手段として活用しやすいカードを複数枚採用しました。静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence はコンボも視野に入れています。ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg は強力ですが、採用する場合にはサーチ呪文から X を含むカードを避けておく必要があります。
エンチャントレスを含むドローカード(7 枚)
エンチャントを多数採用するデッキであるため、収穫の手、サイシス/Sythis, Harvest's Hand を中心とするエンチャントレスをドローエンジンとして採用しています。ただ被覆をもつ アルゴスの女魔術師/Argothian Enchantress は役割を付与することができない点が悩ましいところです。現在は一旦リストから外しています。また序盤の展開がタイトで 2 ターン目に 森の知恵/Sylvan Library を設置する余裕があまりないことから、ミリーの悪知恵/Mirri's Guile のみ採用しています。
サーチカード(9 枚)
定番のみ最小限で積んでいます。波止場の恐喝者/Dockside Extortionist 対策もしくは、全体強化系カードを自然に引き込んだうえで、反対のカードもしくは、必要なスタックスをサーチしてくるという使い方が理想です。
コンボ & コンセプトカード(7 枚)
コンボは2系を搭載しています。
種かごの魔女/Seedcradle Witch + 聖域の織り手/Sanctum Weaver or WG2 以上出る土地をクリーチャー化する
Living Plane + 大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite or 静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence
種かごの魔女/Seedcradle Witch と Living Plane は代用が効きませんが、それぞれ相方は代用が効くため、狙える時には決めていきたいところです。前述のサーチをコンボを決めるために打つか、スタックスを差し込むために使うべきかの見極めが重要です。
オーラにフォーカスをあてたコンセプトジェネラルだけに、様々なカードとシナジーを形成します。今回は直接オーラを 僻境宮廷のエリヴェア/Ellivere of the Wild Court に付与しないデッキなので、この点を補完できるカードを中心に選定しました。
西の樹の木霊/Kodama of the West Tree は改善されているクリーチャーにトランプルを与えることができ、サイズ上昇が大きなオーラを連発できるエリヴィアとの相性が良いです。もちろんランドを持ってくる効果も後続の展開に活用できます。
戦闘の神、ハルヴァール/Halvar, God of Battle はオーラを付与されたクリーチャーに2段攻撃を与えることができ、任意のオーラを戦闘開始のタイミングで好きなクリーチャーに移動できるという能力を持ち、このデッキとの相性が極めて良いです。中でも 僻境宮廷のエリヴェア/Ellivere of the Wild Court 自身に役割を移動できる点が優れています。
天界の執政官/Celestial Archon はエンチャント・クリーチャーであるためサーチできる幅が広く、回避能力を付与できるためフィニッシャーとしての性能は上記2枚と比べても高い点が魅力です。
運命に導かれし者、ケイリクス/Calix, Guided by Fate は上記の改善に役立つだけでなく、役割をコピーすることで打撃力を向上したり、薄氷の上/On Thin Ice などの追放除去を再利用することが可能です。僻境宮廷のエリヴェア/Ellivere of the Wild Court 自身に役割を付与できる点も良いですね。
万戦の幻霊/Eidolon of Countless Battles はエンチャントされているクリーチャーに大きな修正値を与えられるほか、授与によって 僻境宮廷のエリヴェア/Ellivere of the Wild Court にオーラとして付与できる点が便利です。
今回はリストに含んでいませんが、春の作曲家/Composer of Spring は条件を達成すると、手札から 星座 誘発で任意のクリーチャーを場に出すことができます。クリーチャー・エンチャント との相性が良く、「ターンに1度までカードをキャストを制限」するカードの環境下でも、複数のクリーチャーを一気に展開できる点が魅力です。
妨害・ユーティリティ(13 枚)
定番のカウンター対策、パーマネント除去、クリーチャー保護の3種を採用しています。相手の ケンリスの変身/Kenrith's Transformation などで 僻境宮廷のエリヴェア/Ellivere of the Wild Court が無力化されることを考慮し、最低でも スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition は採用しておきたいです。各種クリーチャー除去は主に相手の ドラニスの判事/Drannith Magistrate を意識して枚数を多めに積んでいます。遺棄の風/Winds of Abandon はフィニッシュ性能もあります。ジェネラルへの依存度が高いデッキですので、家路/Homeward Path があると何かと便利ですが、色マナ要求が厳しいデッキなので悩ましいところです。
土地以外のマナソース(16 枚)
喜ぶハーフリング/Delighted Halfling が加入したことで遅くとも 3 ターン目に 4 マナ出したいこのデッキのマナ基盤はほぼ固まりつつあります。これ以下まで削ると 4 マナへの到達が厳しくなる印象です。
土地(30 枚)
非常に丸い 30 枚を採用しています。魂の洞窟/Cavern of Souls は 人間(Human) を指定しておくのが無難です。ドライアドの東屋/Dryad Arbor はオーラをつけてアタックすることができ、他のデッキよりも活躍の幅は広い印象です。
デッキリスト
他のアプローチ
エンチャントレスを含むドロー要素を増やしたり、オーラ要素を増やしていくような方向性も考えられると思います。また回避能力が高いクリーチャーを出すことで、より攻撃を通しやすくすることも考えられます。いずれにしても自分が強い時間を押し付けられるような構成を意識したいところです。
プレイガイド
マリガン基準
ここからは実際の初期手札を眺めながら、マリガン基準を見ていきます。基本的には 3 ターン目に 僻境宮廷のエリヴェア/Ellivere of the Wild Court を出せるかどうかを1つの軸にします。
スクリュー気味のハンドは悩むのですが、多色土地の有無で判断することが多いです。
3ターン目に 僻境宮廷のエリヴェア/Ellivere of the Wild Court を狙えないハンドは基本的にマリガンです。
序盤の展開について
ターンに1度までカードをキャストを制限する系のカードは、基本的には 僻境宮廷のエリヴェア/Ellivere of the Wild Court を展開した後で盤面を蓋する目的で使いたいところです。
相手次第では特定の相手にだけ効くスタックス系のカードをキープ基準に含めるケースもあります。ただしエンチャントカウントを稼ぐ目的だけに先置きしすぎるのは辞めた方が良いです。
このデッキの イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos のサーチ先には 種かごの魔女/Seedcradle Witch も含まれますが、コンボを狙いに行くのは 聖域の織り手/Sanctum Weaver が先に出せる時に限ったほうがうまくいきやすい印象です。
まとめ
僻境宮廷のエリヴェア/Ellivere of the Wild Court を使ったスタックスデッキについてまとめました。記事の作成に当たっては、なおじ (@ideon9) さんに色々と相談させていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。コンバットジェネラルでなかなかプレイが難しいのですが、パンチ力は極めて高いデッキですのでぜひ皆さんもプレイしてみてください。
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