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出会い

初めてディーバのメンバに会ったのはあいつだった
女でもようしゃしない気持ちで挑んだのに……
俺に殴りかかってくる
負けじと殴ろうとするが心に何かが引っかかる
やはり男として女は殴るなということか?
後ろの男を狙ったのに……思ったより手ごわい
その間にあいつに襲われる

最初の印象は最悪だったのに……

今はなぜか愛しい……

きっかけは何だったんだろう

きっかけ……

あいつが階段から落ちて部屋まで運んだときか?
何に熱中してるのか本を読みながら廊下を歩いてる
その先に階段があるとも気づかずに進む
あっ と思ったときには落ちていた
呆れながら声をかけ背にあいつを乗せ部屋まで運んだな……
道中、最近はまっている本のことを話していたな
楽しそうに 聞いててこっちまで楽しくなる

……きっかけではないな・・もうちょっと前か……

俺のせいで怪我したときか?罪悪感?……いや違う


あいつがお兄様お兄様言うたびに心がもやもやする
でもシリウスに向けるような笑顔をたまに俺にも見せてくれるようになり
それがうれしく思った
最初はまったく俺にその笑顔を見せてくれたなかったのに
いつからだっただろう俺に笑ってくれるようになったのは

と 考えているとなつかしい匂いが鼻を掠める
あたりを見回す

いた

「アポロッ!」

と言いながら俺にかけよってくる

「もう!探したのよ!」

じーとシルヴィアを見る

「な・なによ!?私の顔に何かついてる???」

「べっつにー……ちょっと考え事してただけだ」

「ぷっ、アポロが考え事だって あんたでも考えることあるんだね」

ちょっと馬鹿にした風に笑う
そんな顔もかわいいと思う俺って……

「わるいかよ、で 何か用事か?」
何を考えてたか突っ込まれる前に話題を変えよう……

「あ、午後からの訓練の場所が変わったんだって。
だから今から準備して移動しないと」

他の皆は先に向かったんだよ というシルヴィア
ってことは俺を探すために残ってくれたのか

「わざわざ、ありがとよ」 
ボソとつぶやくが近くにいたせいか聞こえたようで

「どういたしました」
ニッコリと微笑みながら言う


「アポロ 行こ!」
と俺の手を取り駆け出す

風に乗ってシルヴィアのにおいが来る
懐かしいにおい……

そういえば、初めてのときも誰か知らない人間の匂いと懐かしい匂いで誰かいると気づいたな……

あー きっと あの時、出会った瞬間から……恋していたんだ……

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