閏から閏まで
『銃口』をひらいては、目がじんじんしている。
上着がいやで、歩いているのを建物のガラスに映してみると、吐く息が白く見えた。
咳にやりすぎな怒りがこもる。
たいていの人についている喉のつまみをしぼりたい。
私がカフェの椅子に根を生やしすぎなのかもしれない。
おそらくiPadにApple Pencilで、つるんとしたアニメーションの瞳を描いている人がいる。
腱鞘炎をまぎらわせるサポーターのような手袋をはめている。薬指と小指に炎症がいくくらい上手に描いてきたんだと斜め後ろから思う。
ちょっといい服をぽんぽんぽんと買った。
前回試着したときよりも少しだけぼやぼやと見えたけれども、気にせず買った。
スターバックスにジャンプスーツを着て紙袋をもってきてくれた大事な友達は、考えごとで目をじんじんさせていた。
私はただご馳走してもらったコーヒーを飲んでいた。斜め向かいの席の彼が隣の彼女にメロメロだった。
中国茶も紹興酒も喜んで飲んでいる。
ザラメ入り。レモン汁も。
ラジオを聴いた。
落語も聴いた。
とにかく早く帰った。
ほんの4年間のうちにあったことは何だろう。
退屈は一定の周期でやってくるものだ。
まだやりたいことがたくさんあるんだ。
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