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「プロジェクトを設計する」第三回錦江町役場研修を実施しました!

錦江町をよりよくする未来の実現に向けて、役場職員のみなさんが変革を担う力をつける職員研修をエーゼログループが担当して進めています。2023年11月17日に第3回となる研修を実施しました。
一人ひとりの「ねがい」を起点に描いた未来を実現するための「プロジェクトを設計する」が今回のテーマです。どのようにプロジェクトを設計していくのか、参加者が取り組んだ研修をレポートします!



「ねがい」を起点に描いた未来

自分自身の「ねがい」を起点に、まちの未来を考える

第2回研修では、自分の「ねがい」を起点にして、まちの未来を描いていただきました。
今回は「何を諦めないか」の観点も加えて、考えをさらに深めていきます。未来のこのまちで、自分はどうあり続けるのか、あるいは、何を諦めていないのか、このまちではどんな楽しいことが起きているのか。

研修に参加いただいている職員のみなさんは、部署も違えば、年齢構成も異なります。それぞれに育ってきた環境があり、自分を形作ってきたものの考え方や、行動の判断基準があります。「ねがい」は、そういった自分自身を形作るものの反映として生まれてきます。

未来を描き、こうすればいいんじゃないかなと打つ手をめぐらせる現実は変わりません。

自分自身の「ねがい」とシンクロしたまちの未来を、自分が実現していく。
曖昧で、抽象的な「ねがい」を、具体的な行動の手順として書き換えたものが「プロジェクト設計」です。

未来を実現できる「プロジェクトを設計する」

全8回で行う役場職員研修の目的は、職員のみなさんに、変革の担い手「チェンジ・エージェント」として活躍していただくことにあります。自らが変革者となり、よりよい未来を実現していく効果的な手段が、今回のテーマである「プロジェクトを設計する」です。

プロジェクトを設計するには、考えやすい順序があります。
①「ねがい」の最初の「ゴール」を決める
②現状を分析し、「ゴール」に到達するために超えなければいけない壁を「課題」として抽出する
③「課題」をステップに分けて、道筋をつけて、細分化する
④細分化した課題に対して、壁を越えるために打てる手を「仮説」として書き出す
⑤「ゴール」に対して、いつまでに、何をして、結果を出すのか。行動の工程表(プロジェクト)としてまとめる

「ゴール」は数字と言葉で示す

「ねがい」と「ゴール」はどう違うのか、ちょっと補足します。
「ねがい」は、こうあり続けたいという状態をあらわすもの。到達して終わることはありません。見果てぬ夢と言ってもいいかもしれません。他の誰が諦めても、決して自分は諦めないものがあっていいんです。
「ゴール」は、「ねがい」に期限を決めて、どこまで到達するかを決めるもの。いつまでに、という期限の数字と、どうなっていたいかを言葉で表したものです。大事な点は、到達できたかどうか、明確に判断できることにあります。

この時、何に絞って「ねがい」から「ゴール」をつくるか、絞るときの焦点が、第1回、第2回研修で探った、参加者本人の視点です。

例えば、「みんなが豊かに暮らす」という「ねがい」があれば、何がどうなれば人は豊かなのか、考え方はいくつもあるでしょう。健康に着目すれば、ゴールは「○年後の健康診断の受診率が○%になる」、経済に着目すれば「○年後の納税者所得の増加が○%になる」といった視点とゴールが考えられますね。「ねがい」が同じでも、考えられる「ゴール」は視点の数だけあると言えるかもしれません。

どんなゴールを、どんな視点でつくるのか、さらに、何ができればその視点でゴールに到達したと言えるのか、できるだけ具体的に考えていくことも大切です。

ゴールがあるから、課題と仮説が明確になる

グループのメンバーと意見交換

参加職員のみなさんには、今回もワークシートを記入し、グループ毎に自分の考えをシェアして、他のメンバーからの質問を受けて、さらに考えを深めることに取り組んでいただきました。実際にやってみるとなかなか手強く、落とし穴もたくさんあります。

よく起こることが、問題と課題の取り違えです。望ましくないと思っている現在の状況(=問題)を課題だと捉えてしまうことで、次に打つ手にずれが生じてしまいます。課題は、ゴールに到達するために乗り越える壁のこと。ゴール(未来)が決まらなければ、課題は生まれません。

また、適切な課題を分析する前に、先に仮説を立ててしまうことも起こりがちです。このまちをよく知るみなさんであり、目の前に解決すべきことがあるからこそ、どうすればできそうか、何をすべきかの仮説が先に出てしまい、課題やゴールが後付けになってしまう。これもできることの可能性を狭めてしまっているんです。

この研修では、一度これまでのやり方を離れて、まだ実現されていない未来をつくり、諦めてしまっている未来を取り戻すことができる方法の体得を目標としてプログラムを設計しています。一見面倒と思われるかもしれませんが、順序を決めてワークシートを書き込んでいただいています。
何度も繰り返し取り組んでいただくことで、その考え方のクセを付けていただき、問題と課題の違いを見極めて、よりよい未来の実現を担う「チェンジ・エージェント」を目指していただきたいと考えています。

第4回研修に向けて

この日のふりかえりは自分の「ねがい」は何か、何を諦めないか、それが実現するとどんなよいことがあるか、どうすれば「ねがい」が実現できるのかをテーブル毎に共有していただきました。

例えば、このまちでずっと元気に過ごしたい、そのために高齢者が働く場所があればという意見や、若者が帰ってくるまちにするために、若者の同窓会を行ってはどうかといった意見がありました。他にも、子どもたちを見守りたい、夢に向かう人を応援したい、空き家を有効活用したい、不安に寄り添いたいといった「ねがい」が共有されました。

一貫して変わらない共通の「ねがい」は「錦江町を今よりもっとよくしたい」。各テーブルでゴールや課題、仮説を共有し、それに対して意見が取り交わされるうちに、錦江町が大好きというみなさんの思いが、研修の場を満たしていく感覚がありました。

また、「ねがい」や「未来」を繰り返し言葉にしていただく中で、こことここは一緒にできるんじゃないか、この課題の解決は、別の課題を解決するヒントになるんじゃないかといった、横のつながりができ始めていることを感じました。

第4回研修では、お一人お一人のプロジェクト設計を練り上げ、実際にやってみる「プロジェクトの試行」に取り組みます。みなさんの「錦江町をもっとよくしたい」という共通の思いから描かれた未来がどんなふうに実現していくのか、運営側としてお手伝いすることを通して、役場職員のみなさんと一緒に挑戦していきたいと思います。

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