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アンセイン

監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:クレア・フォイ、ジョシュア・レナード、ジェイ・ファロー


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ストーカー被害に悩んでいたソーヤー(クレア・フォイ)は精神的に追い詰められていた。とある施設でカウンセリングを受けるが強制入院させられてしまう。脱出を試るがその施設にストーカー(ジョシュア・レナード)が現れ…


90年代後半からクールな映画を撮り続けてきたスティーブン・ソダーバーグ監督が全編iphone7と撮影用アプリを使って2018年に撮影したサイコスリラー。主演にNetflixドラマ「ザ・クラウン」で若きエリザベス女王役を演じたクレア・フォイ。TUTAYA DISCAのDVDレンタルにて鑑賞。

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過去のストーカー被害から逃れるために住所と仕事を変えたソーヤーだったがトラウマから被害妄想が強くなっていく。一晩の相手探しにアプリで知り合った男を誘うが、ストーカーの顔が重なり発狂する。徐々に不安を自分では対処しきれなくなりカウンセリングを受け、そのまま強制入院となってしまう。

序盤は主人公以外の登場人物が機械的で冷たいか精神病患者で、iphone撮影での少し解像度の粗くて深度の浅いのっぺりとした映像もあってB級ホラーのようなテイストで展開していく。
もしかして本当に彼女は精神を病んでしまっていて正しいのは周りの人なのではないかと思ってしまう。薬を皆に配る係がストーカーの顔に見えて暴れ出した時はやはり病気なのだと思ったが、実際にストーカー本人で彼女は追い込まれていく。

閉鎖空間からの脱出という映画的なプロットの中に精神不安やストーカー、巨大企業の陰謀といったサスペンス要素が詰め込まれていて、超一級の監督はiphone7でも映画が充分に作れると証明してくれる。

映画のテイストが「サイド・エフェクト」(09)に少し似てるような気がした。

この映画でソダーバーグは監督を引退するようなことを言ってたような…

病院の無機質な長い廊下をドリーショットで撮ったシーンがなぜか好きで、なぜかは理由はわからない。クレア・フォイが勝ち気で誰にでも喧嘩腰で吹っかけていき人をすぐ殴る役にハマっていた。

なかなかの佳作だったと思う。


サイド・バイ・サイド
フィルム撮影からデジタル撮影へ移り変わっていく状況を映画監督にインタビューしたドキュメンタリー作品。インタビュアーはキアヌ・リーブス。


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