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8 in 1 パッケージがEVに与える影響

中国BYD の新型EV SEAL

中国のEVメーカー BYDですが、Japan Mobility Show でもかなりアピールしていましたが、日本に参入して、EVを販売開始しています。
ちなみにですが、BYDはBuild your Dreamsの略だそうです。

SEAL のSPECと概要

BYD SEALは、160kW (フロント) + 230kW (リア)の4駆のEVで、2024年春頃に発売予定となっています。外観はModel 3に近いイメージで、こういうデザインが好きな人は多そうかなと思います。

8 in 1 packageとは

最近、自動車の開発界隈では、2 in 1とか3 in 1とか、更にX in 1と言う言葉をよく聞きます。これは、本来複数の異なる機能を組み合わせて自動車を開発していたところを、1つのユニットに複数の機能をまとめてしまって、開発や搭載の自由度を上げる、と言うものです。
例えば、2 in 1/ 3 in 1では、モーター, モーターコントローラ(ESC), 減速機と言ったものがひとまとめになっています。

それをかなり飛び越えて、8つもまとめてしまったのが、8 in 1で、モーター、モーターコントローラ、減速機、OBC、PDU、BMS、車両コントローラ、DCDCが入っています。

これを搭載して、発売されるのがSEALになります。

8 in 1が実現する世界

複数の機器がバラバラにあると、設計の自由度は高まるのですが、1つ1つの通信プロトコルの整合性を取ったりしなければならないですし、どれかの機器にアップデートが入ったときに影響を分析したりしなければいけなくなります。
それが、全てが同じところにあり、同じメーカーが開発していれば、ユニットの利用者(自動車OEM)からすると、1つの機器のシステム設計すれば、全てが設計できるようになります。つまり、8 in 1であれば、バッテリを繋いでタイヤをくっつければEVが設計できることになります。

これによって、自動車OEMは、ドライブトレーンの基本(走る曲がる止まる)にはあまり時間をかけず、付加価値の部分(自動運転やADAS、快適制御など)の開発に集中できるようになります。また、新型車の投入周期がこれまでの5~7年前後から短くなる可能性もあります。

いずれにしても、今後の自動車開発の流れに置いて行かれないように注目しないといけなさそうです。

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