マガジンのカバー画像

うたがわきしみの宇宙Ⅱ

890
140文字では収まりきらなかった、うたがわきしみの世界観。コラムやエッセーやうわごとじゃない。あくまで、なにかしら、きしみの宇宙を匂わす作品になっているものたち。主に詩。ギャグ系…
運営しているクリエイター

2018年12月の記事一覧

『傷』

朝起きるたび体に赤痣に似た傷が増えていた。 きっと寝相が悪いせいだろう。ベッドの柵に手足をぶつけたり、転げ落ちたりは私にとっては日常茶飯事だ。 それを疎まれてか、妻とはずいぶん前から寝室を別にしている。夫婦の夜の営みはすっかり途絶えていたし、する気も失せていた。私の相手は他にいたし、お互いそれで困るといったこともなくなっていた。 ある日のこと、手足だけでなく腹や背中の方にまでミミズバレのようなものが出来ており、医者に行っても原因不明と言われ、さすがに怖くなった。 その日

『掌』

当時、僕は小学三年生だった。軽度の知能障害はあったけれど、みんなと同じ教室で学び、同じ給食を食べ、同じグラウンドを駆け回って遊んだ。 ある日の授業中、鼻をほじっているところを先生に見とがめられ、「煙突掃除はやめなさい」と注意された。僕のいけない癖だった。鼻の穴がむず痒くなると電車の中だろうとどこだろうと構わずにほじってしまう。 いじめが始まったのはその日からだ。帰り際に外履きを隠されたり、「近寄るな“ユ菌”」と悪口を言われたり――僕の名前はユキオだったのでユキオのばい菌で

お願いです。私の言葉を産んでください。 #きしみ卿の独り言

いつだって、あたしが見てる宇宙の外から「あっちの宇宙もきれいですよ」なんて魚眼レンズみたいな目で遠くを眺めてる。こんな奴の傍にいたいんだ、あたしは。あたしたちは。 #きしみ卿の独り言 #画像はNASA

「それがなんになる?」は悪魔の方の言葉

本当はみんな「人間」という名の神様なんだけどね

「大空へ!」ではなく、「大空よ!羽ばたきなさい!」と言ったら本当に大空が飛んでいって、それっきり昼も夜もなくなった。 絶望し始めた矢先、大空が子空たちを連れて帰ってきた。つがいの青空とともに。 #きしみ卿の独り言

今朝、サラダを乱切りにした       サ    ダ   サ  ラ  サ  ダ  ラ   サ   ラ   ダ  サ  ダ  ラ  ダ  サ   ラ   サ   ラ   ダ     サ   ラ       ダ あまり美味そうじゃなかった 今度はやさいをみじん切りにしてみるか

火サス          人 人          崖崖崖          崖          崖          崖          崖          崖          崖        波 崖         波崖   波  波 波波崖 海海海海海海海海海崖

昨日はリンゴの街へ 今日はイチゴの街へ 明日はケーキの街へ ショートケーキに腰かけて アップルパイからの連絡を待っています アドレスはラテ・アートに ほんのり苦い愛を込めて #きしみ卿の独り言

『神様の忘れ物』 神様は永い永い旅に出ました。 道中、遊ぶために創った宇宙をひとつ忘れて。 それが私たちの宇宙です。

いま必要な人と出会い 必要のない者は去ってゆく ただそれだけのことなのだろう #詩 #出会いと別れ #きしみ卿の独り言

心を握りしめる / 心を握りつぶす #詩 #自由律句

爪 まだ のびるんでしょ なら 死んじゃ駄目なんじゃないの 生きてるんだから #詩