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ITストラテジスト答案晒し2022年午後2問2

6時間かけて、初めて答案を作成してみましたので、答案を晒します。
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これは合格難しそう。

第1章 基幹システムの再構築の計画策定
1.1 事業概要と事業特性
 A社は製造業を営む中堅会社であり、従業員を日本国内で500名ほど抱えている。A社は本社の他に、営業拠点を各都道府県に持ち、生産工場を1か所持つ。A社は、人事総務部、経営企画部、営業部、生産部、調達部、開発部を持つ。事業特性としては、顧客である販売代理店が持つ倉庫への製品納入納期が、受注後1日であるとともに、製品の欠品は顧客の信頼を落とす。そのため顧客からは、製販一体となった効率的な生産活動による納期遵守が強く求められる。
1.2 背景となった事業環境の変化
昨今の事業環境の変化として、➀製品に対する要求が多様化しており、需要予測が困難になっていることに加え、②日本における労働人口の減少から、従業員確保が難しくなっている。一方で現状のA社は、➀基幹システムのサブシステム間の連携が不十分で情報とモノが滞留し、製造リードタイムが長いことと、➁経験や勘に基づいて予測しており、従業員習熟度により需要予測精度が異なり、製品毎に在庫量を分析すると欠品や過剰在庫が生じている。A社では、➀在庫量の適正化と➁属人化解消を目的とした基幹システムの再構築を決定 した。
1.3 基幹システムの概要
 再構築の対象となる基幹システムは、受注管理、在庫管理、資材発注管理、生産計画策定の機能を有する。
 私はA社経営企画部に所属するITストラテジストの立場で、基幹システムの再構築における開発を次のように優先付けした。

第2章 サブシステムの再構築の優先順位付け
2.1 サブシステムの再構築の優先順位付けで特に重要と考えて考慮したこととその内容
 サブシステムの再構築では、サブシステムで解決すべき課題の重要性及び緊急性を考慮して優先順位を検討した。その内容について次に説明する。
➀サブシステムで解決すべき課題の洗い出し
 A社各部門に現状のサブシステムの問題点をヒアリングし、在庫量の適正化、属人化解消に向けた課題を洗い出した。現状のサブシステムは、受注管理システム、在庫管理システム、資材発注管理システム、生産計画策定システムで構成される。
➁課題別重要性と緊急性の評価
 重要性を在庫量の適正化、属人化解消に直接起因する度合いと、緊急性を早急に対応しなければいけない度合いと、それぞれ定義し、洗い出した問題点毎に評価を実施し、優先順位を決定することが重要と考えた。評価結果に対する優先順位は以下の順番である。
(A)重要性は高く、緊急性も高い。
(B)重要性は高いが、緊急性は低い
(C)重要性は低いが、緊急性は高い
(D)重要性は高く、緊急性も高い。
2.2 工夫したことと優先順位
 生産計画策定システムの問題点は、生産計画策定にあたっては担当従業員の経験や勘を頼りに行われており、属人化していることである。人により在庫量が大きく変動するため、重要性は高いと評価した。また、昨今の労働人口の減少から従業員の確保も難しいことから、緊急性も高いと評価した。結果、優先順位を(A)とした。
 受注管理システムの問題点は、現状伝票ベースで業務を行っているため、顧客別の販売データが蓄積できておらず、需要予測が困難である。需要予測精度向上には正確なデータが必要なため、重要性も緊急性も高い評価した。ここで私は、製品別の販売情報は残っているので、これを活用して生産計画を策定することで、現状より精度の高い需要予測が可能となると考え、緊急性は低いと評価し、優先順位を(B)とした。
 在庫管理システムの問題点は、伝票を使い情報伝達しているため、工場現場で人的ミスの発生により正しい在庫量が基幹システムに入力されないことが生じる点である。このため、重要性は高いと一度評価した。ここで私は、現状の業務方法の見直しや、標準化・マニュアル化を実施することで上記の人的ミスを削減できると考え、重要性は低いと評価を見直した。緊急性は、伝票による人的ミスがないように教育期間が必要なため高いと評価した。結果、優先順位を(C)とした。
 資材発注管理システムでは、社内で伝票による情報伝達を行っているものの、感や経験に頼った業務ではないことから、重要性と緊急性を低いと評価し、優先順位を(D)とした。
 以上のように、一度評価実施後に、重要性と緊急性を下げる別の対策を考えた上で再評価することで、優先順位を検討する工夫を実施した。検討した優先順位を経営層へ評価してもらうように計画した。

第3章 経営層への説明、経営層からの評価と改善したこと
3.1 経営層への説明内容
 次のように優先順位付けの内容を、結論に至った根拠とともに経営層に説明した。
➀優先順位付けの工夫
事業環境の変化から生じる課題である、在庫量の適正化と属人化解消の観点から、サブシステム毎に重要性と緊急性を評価した。サブシステムの中にはシステム改修をせずにできる対処法があると考え、重要性と緊急性を再評価し優先順位付けを行い、前述の結果となった。
➁定量・定性の両面における投資効果
 定量面の効果においては、在庫回転日数をKPI設定し、現状の数値とシステム改修後の数値について試算し、機体効果を算出した。定性面の効果においては、勘や経験に頼らないようなシステムとなったかを評価とし、改修後にアンケートを実施しモニタリングすることと説明した。
3.2 経営層からの評価と改善したこと
 経営層は本案を採用して、在庫量の適正化と属人化解消の実現を早期に実行する必要があると判断し意思決定した。一方で、定量面の効果について、NPVで評価すべきという評価を経営層から受け、計画の再提出を求められた。
 そこで私は、システム改修による人員削減効果と、在庫削減による在庫管理コスト削減効果、棚卸資産削減効果を金額で算出し、増加キャッシュフローを算出した。そこへ、サブシステム改修のスケジュールと投資キャッシュフローを加えてNPVを算出し、改めて投資効果の評価を行った上で経営層に説明を実施した。
 その結果、NPVが正ということから、計画は承認された。
-以上-

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