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震える大和なでしこ魂

アンジャッシュさんの勘違い漫才が大好きです。
あのお互いが違う方向を見ながら進んでいくストーリーがたまらなく面白いですよね。
まさか自分が実際にそのような体験をするなんて思ってもいませんでした。

それは独身時代の仕事帰りのことでした。
最寄り駅に着いた私は改札を出て、自宅方面へ歩いていました。
観光で外国人が多くいる駅なので、その日もいつもどおり外国人観光客の方々がちらほらいらっしゃいました。

すると3人の男性外国人に呼び止められました。
何か聞きたそうにしています。
私は英語はからっきしダメで、中学生程度の単語をようやく聞き取れる程度です。ですがここは日本代表として彼らに接しなくてはなりません。

私は勇気を振り絞り彼らの言葉に耳を傾けました。

〇▽☆×・・バージィン?

はい?

〇▽☆×・・バージィン?

えっ・・ちょっ・・えっ

バージィン?バージィン?

彼らは私に処女か否か確認してきました。
こんな場所で女性を買おうとしているのでしょうか。
しかも生娘を。
日本も舐められたものです。
外国では日本人は実年齢より若く見られるとは聞きますが、
アラサー女に対して生娘かはないだろう。そして聞くな。

いや・・ちょっと・・そういうんじゃないんですいません・・

私は彼らをかわそうとしました。
ですが彼らはしつこく聞いてきます。生娘かと。
しぶる私に彼らはバックから何やら取り出そうとしています。
怖いです。ナイフですか。銃ですか。それとも現ナマで釣ろうという作戦ですか。大和なでしこ魂、屈するものかと身構えました。

すると彼らは1枚の紙らしきものを私に見せてきました。

それはチラシでした。
『The Barge Inn』(ザ・バージイン)
駅近の外国人御用達のバーでした。オシャレなやつ。
どうやらそのバーに行きたいから場所を教えて欲しい様子。

どうしましょう。恥ずかしいです。なにが生娘でしょうか。
危うく違いますとでも答えてしまいそうでした。
穴があったら入りたいとはまさにこのことです。
今のやりとりをまさか見ている日本人はいるまいなと私は周りを確認しました。大丈夫です。いなそうです。

ゆでダコのように顔を赤らめた私は彼らに伝えました。

駅を超えて右です。

日本語で伝えました。



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