エンジンがかかってきたことがない人生

卑屈になっているわけではなく、私の人生において

エンジンがかかってきた

ということはこれまでになかった気がする。
私は思い立ったらすぐに行動に移すタイプだが、どうしようもない飽き性なのである。

子供の頃から飽き性で、新しいおもちゃを買ってもらっては数分で飽きて二度と触らなかったりすることも多く、その割に好奇心だけは一丁前に旺盛なので、ピアノや習字、水泳など人気の習い事ももちろんやりたくなり親にお願いすると

どうせすぐ飽きるんだからダメ

と、何もやらせてもらえなかった。

植物にハマり出した頃、園芸店で多肉植物を買い漁っては最初だけ大事に育て、冬になればやる気がなくなって枯らしてしまうのだが寒さのせいにすることにした。

絵が上手い人に憧れて、iPadで絵を描き始めた時はわざわざInstagramのアカウントを作り全世界にひどい絵を晒したものだが上達する前に挫折してしまった。

短大の卒業が近づいた頃、どんな職業につくか迷い、旅行が好きだから旅行業はどうだろうかと思い、旅行業取り扱い者の資格のテキストを買って一度も開くことはなく父親に盛大に笑われたこともある。

ずっと同じことに打ち込める人が羨ましくて、

私には夢中になれるものが見つかっていないだけ

と自分を慰めてきたが、30歳を機に変わることを決意した。夢中にならなくてもいい。でもせめてこれまでのように飽きずに続ける努力をしよう。
飽きてしまうのなら飽きない努力をしよう。と。

当時婚活をしていたこともあり、モテモテの美ボディを目指してジムに通うことにした。慎重に自分と向き合い自分を観察し、

あ、ヤバい。飽きてきてる。

と思い始めたら新しい音楽を用意したり、ジム着を新調したり、様々なダンスやヨガなど新しい種目に挑戦したり、必死で工夫して4年はほとんど毎日通ったのではないかと思う。なぜやめてしまったのかと言うと転職と共に引っ越して、家の近くにジムがなかったのでヨガに通った。

モテモテの美ボディになれたかどうかと言うとそうではなかったが、飽きずに4年もジムに通った事は私の人生における快挙だ。

それともう一つある。
それは英語だ。

私は幼少期をアメリカで過ごし、ネイティブ英語を話せた過去があるのだが日本に帰国以降すっかりと忘れてしまった。婚活も行き詰まり、このまま一人で生きていくのだと覚悟を決めた時、これから有利になるであろう英語を取り戻すべきだと思い立ち、ジムと同時期に学習を始めた。

英語は今ではYouTubeなどでたくさんの教材があるため、工夫さえすれば継続するのはそんなに難しくはなかった。新しく覚えた言葉をネット上で知り合った外国人に使ってみたりした。

そんなこんなで現在の夫と知り合い、今のところは幸せに暮らせている。

私の人生は多分これからもエンジンをかけるのではなく、切れやすいポンコツエンジンをいかに持続させるかに全力を尽くすことになるだろう。

子育てのエンジンを切れさせない事にだけは本気で全力を注ぎたいと思う。(怖)

#エンジンがかかった瞬間

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