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”伸びてる会社がやっている「新卒」を「即戦力化」する方法”を読んでみた

作者の経歴

近藤悦康(コンドウヨシヤス)
1979年岡山県生まれ。岡山朝日高校卒業後、千葉工業大学工学部プロジェクトマネジメント学科に入学。 大学時代は、「うらじゃ祭り」「文化の祭典」などのイベントをプロデュースし、 北京理工大学国際優秀学生賞にノミネート。 その後、大学院に進学と同時に、人材教育のアチーブメント株式会社に新卒第一号で入社し、様々な新規事業立ち上げ、新商品の開発などを推進しながら、新しい人材採用の仕組みを創りだし、1年間で2万人以上が応募する人気企業へと飛躍させた。その後、企業の組織活性のための人材採用と人材育成のコンサルタント、トレーナーとして、ベンチャー企業から大企業、医科歯科などの専門職まで幅広い業種規模の企業に対して、人事コンサルティング業務を実施してきた。

今までに延べ60,000名を超える方にセミナー、ワークショップを実施。2006年に著書「1冊目の就活本」を出版し、2009年enジャパン調査の学生が選ぶ「こんなプロになりたい大賞」において第10位に。テレビや雑誌をはじめ多数のメディアにも取り上げられ、NHKの「クローズアップ現代」「ソクラテスの人事」「めざせ!会社の星」、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」、FMラジオ「J-WAVE」に出演する。現在は、岡山に株式会社ジョブシミュレーション、株式会社Legaseedを設立し、企業に対しては、経営指導や人事コンサルティング、 新規事業創出支援、コンサルタント育成などを行いながら、学生のキャリア支援をしている。今まで世の中にない新しい価値を創造し、地球の未来のためになるコトを起こすための様々な事業をプロデュースしている。


目的



会社を成長させる最高の戦略=「新卒採用」

新卒採用コスト=平均80万円/人
しかし、入社~定年退職まで/人と考えると、会社負担分は、総額約3億円。だからこそ、採用担当者は、優秀な人材を採用するべき。


第1章 中小企業こそ「新卒」

●組織を成長させたいならば、人材の「品質」にこだわる
サービスの品質が悪いうえに、人材の品質が悪いようでは未来はない
「入口」の採用で、「品質」にこだわるべき
中小企業は3年かけて育ててはいられない。育成スピードが必要。

組織を成長させたい→人材の「品質」にこだわるべき。
(サービスを作るのは「人」である)
会社を変える(もしくは成長させたい)ならば、採用から。

”人は必ず育つが、「育成のスピード」を圧倒的に上げることが重要”

育成スピードを上げるには、、、
採用・選考の時点から、育成を念頭に置き、「自社で活躍しやすい人材」の人材像を明確にする

採用活動=経営における課題を解決すること


● A I時代突入のいま、企業が採るべき人材とは

課題解決ができる「自動巻人材※」を採用する。
→自動巻人材の重要性を学生に啓蒙し、AIやロボットを吹き飛ばすような人材を求めていることをアピールする。
※方程式を自ら創ることができる人材、仕事をしながら、自ら求め、吸収して考え、行動に移せる人材


●即戦力=中途はこれまでの常識? 新卒が即戦力になる新機軸
学生の就活データ
就職活動の早期化とインターンシップ重視の傾向
リアルな体験情報が重要な時代

中小企業は早期に学生にアプローチすることが重要

〈入社予定先企業を選択したポイント〉
1位:自分が成長できる環境がある
2位:福利厚生制度が充実している

〈新卒むけイベント・団体〉
・東京リクルートフェスティバル
・ビジネスコンテスト KING
・ドットジェイピー
・GEIL(ガイル)
・アイセック・ジャパン
⇒自ら出向き、魅力を知ってもらうべき

新卒採用を成功のために、インターンシップの仕組みを準備すべき。
(事例:サイバーエージェントの新卒社員の内、5~6割はインターンシップ経験者)

●新卒社員が即戦力で活躍している会社の共通点

2 .長期インターンシップ
3 .内定期間の育成プログラム
4 .O J TとO F F J T
5 .年功序列ではない人事評価制度

1 .早期マーケティング
大学1,2年生にとどまらず、高校生・中学生にもアプローチ

2 .長期インターンシップ
3カ月以上の者、社内のいい部分だけでなく、欠点も見せることでカルチャーフィットを見極める

3 .内定期間の育成プログラム

4 .O J TとO F F J T
基本的な業務と、社内言語やビジネスマナーを学ばせる

5 .年功序列ではない人事評価制度
年功序列ではない人事評価制度(例:サイバー、メルカリ)


第2章 即戦力になる素材の見極め方(選択)


●素材が合わなければ、いくら調理しても美味しくならない
採用する人材の質の妥協=未来の妥協
大学の偏差値に踊らされない!見るなら高校の偏差値
エントリーシートに惑わされず、行動特性を見る
成長する素材がもっている「5つの共通点」

〈即戦力となる学生に共通する5つのポイント〉
1:流されず、同期を持って乗り越えた経験があるか
2:苦労や逆境を乗り越えた経験があるか
3:自己肯定感が高いか
4:親を尊敬しているか
5:素直さと感謝の心を持っているか

〈様々な行動特性を見られる選考方法5つ〉
1:課題を与える
2:同行させる(事前準備、時間に対する感覚、発言する姿勢)
3:食事を一緒に取る(気遣い、質問の多さ)
4:日報を書かせる(時間に対する成果、量産性に対する意識など)
5:自分を語らせる

〈即戦力となる人の共通ポイント〉
1:業務時間外の過ごし方
  成長する人材は、自分を伸ばすための見えない努力を惜しまない
2:志の高さ
  目指す高見に近づくために必要な行動を、常に逆算して考える

●即戦力になるスピードの違い
守破離の〝守〟を倍速で身につける人の特徴
周りを尊重しながら、自分の道を創造できる謙虚さ

〈守破離の”守”を倍速で身に着ける人の特徴〉
1:質問力(行動の背後にある考え方を知ろうとする)
2:時間の合わせ方(配慮しながら、きちんと情報を得られる)
3:TTP力

●社長が陥りやすい、ミスジャッジ4つの罠

一人の目で判断しない
第一印象で判断しない
共通点を評価しすぎない
迷ったら絶対に採用しない

※組織の理想状態を考え、現状の差を埋められる人材を採用する


第3章 即戦力になる素材の調達の極意(採用)

●早期インターンシップの活用術
「超青田買い」発想をもつ
早期インターン合説に出展する
長蛇の列ができる合説ブースをつくる
スカウトサイトを活用する
インターンシップ説明会を実施する
夏の短期インターンシップ、秋冬の長期インターンシップを併用する
長期インターンシップは実践的なプログラムにする
「目標・責任・権限」の3点セットをもたせる

早期インターンシップの活用
企業「青田買い」↔学生「挑戦・成長の場」

4~5月:合説やインターンシップの準備
 前年の新卒採用のクライマックス時期。
 人手をかけて早期インターンシップを担当するチームを作る。

〈ブースを出すのに重要なこと〉
①「学生の立場になって考える」
 学生が得るものがあったと感じる内容に。
 会社や事業のついての詳しい説明は、インターンシップでよい。
②「体験」型のプログラムにする
 ・資料を用意し、学生が調べる
 ・クイズ形式
③プレゼンター選定
 年齢:最高でも30代前半(学生に、より年齢が近い優秀な社員) 
 性別:男女でチームを組む

〈インターンシップ説明会の実施〉
学生は平均4社のインターンシップに参加
インターンを経験した異形の選考を待った気宇受けない学生は13%のみ
⇒インターンシップ生の22.3%はその企業に就職する

〈長期インターンシップ〉
実践的なプログラムにする(※成長目標を与える)
「目標・責任・権限」の3点セットを持たせる

〈人気インターンシッププログラムの設計法(インターンシップを企画する視点)
・インターンシップに参加することでつく「箔」
・他では得られない経験ができる「企画力」
・自分が死亡する業界の「仕事内容」
しかし、これらを満たすことは、中小企業にとって難易度が高い、、、
そこで、企画力で勝つ。

●ますます多様化する人を集める方法

〈スカウトサイトの活用〉
・オファーボックス
・キミスカ

差出人:経営者(もしくは、同じ大学や学部の社員等)
文面:カスタマイズ


第4章 即戦力になる素材の調理法教育)

●内定期間にビジネス感覚を身につけさせる
学生ではなく社員として扱う
内定期間中の取り組みで入社時の給与を変動させる
時給ではなく価値換算の考え方を徹底する
即戦力人材には、「 P D C A 」を回しやすい課題から与える


●新人は「守破離」の〝守〟を徹底させる
言葉の定義を合わせる
ルールを守る習慣をつくる
期待役割を明確にする
目標は与え、方法は自分で考えさせる
日報で成果と行動を共有する
●内定期間中に学生を
「社員」「仲間」にする
社内イベントに参加してもらう
内定者合宿を定期開催する
毎月内定者研修を実施する
次年度の採用パンフレット作成を行う
内定者を次年度の採用チームに入れる
選考段階から育成を意識する
未来の組織図を見せる
できるだけ高いゴールラインを設定する
事業をつくる人材を目指す
試合以外の時間の使い方を学ばせる
ほどよい競争意識と、強い共創意識をもたせる


第5章 即戦力人材が定着する職場環境のつくり方

●即戦力人材は離職しやすい ⁉
会社も社員も不幸にする早期離職
よくある離職の3パターン
即戦力人材のやりがいを社内で発揮させる
出戻り制度をつくり、退職を後悔するほどの会社にする
気にするべきは、離職率の内訳
人が辞めたら機能しない組織は、組織ではない
常に一人前の人材が輩出される、最高の教育の場にする
上が辞めることで、下にチャンスが生まれる
●辞めたらもったいない会社をつくる
人間関係がいい会社をつくる
社員が喜ぶ制度・イベントのある、報酬・待遇のいい会社をつくる
期待役割で「あなたが必要」というメッセージを伝える
成長が実感できる会社をつくる
所属していることが誇りに思える会社をつくる
●経営者の仕事は P D C Aの「C」
目標やプランはあっても、チェックが抜けやすい
フィードバックはスピード命。しかしリーダーを経由する
任せて任せず、最後の責任は自分にあり
●次の代へ継承し続けるもの
会社の歴史や言葉の意味をコンコンと伝える
ベンチャースピリッツを途絶えさせない
リーダーに勉強会などの講師を任せる
象徴するエピソードを残していく
違うものには、はっきりと違うと言う

第6章 即戦力人材を世の中に増やすアプローチ方法

●ビジネスで通用する人材を育成するプログラム
大学に任せるのではなく、企業が実施する
教養を軽視せず、実学も重視する
社会で求められる能力を高める「レガレッジ」
●秘密の就活スペースをつくる
就職活動中の学生が集う「SpaceCareer(スペースキャリア)」
企業との出会いの場として活用する
●キャリア教育のプログラムを導入してもらう
理想は大学が自社のプログラムを授業に導入すること
ダブルスクール発想を文化にする
大学にも「待ち型」ではなく「攻め型」で臨む
「職ラボ」で大学へのアプローチを開始
実践的な採用活動が世界を変えると啓蒙する


第7章 即戦力人材が既存社員を成長させる

●新卒即戦力人材が既存社員を変える

〈既存社員が変わる4つの理由〉
1:新卒社員が下につくことで、教育の機会を得る
2:下のメンバーが成長することで、抜かれないように努力する必要性が認識される
3:基準が高くなる
4:瀬億戦力人材を採用しようとすると、現場の既存社員も採用プロセスに深くかかわる

●会社を一番活性化できるプロジェクト

”新卒採用は、組織・世代を超えて、全社一丸となれるプロジェクト”
採用したいTGT人材像を一緒になって考えることで、現場の当事者意識が高まり、成長を促す。

会社を変えるための新卒採用は、「納得できる若者と出会えなければ、誰も採用しないというレベルの覚悟」で臨む

●既存社員がヤバいと思うほどいい状態にする
「いまの会社だったら、自分は入社できなかったかも」と思わせる
採用基準は毎年変わっていく
数合わせの採用がいらない会社になる
優秀な人材が、会社の未来への期待を高める

第8章 即戦力人材を採用するための5つの法則


法則1:人に合わせた基準ではなく、理想の基準に合う人を採用する
 新卒採用は数合わせの「補填」ではなく、組織を強化するための「補強」
 理想の基準に合う人を見るには、「人間性」「能力」「共感性」の3つのレベルに注目する。

法則2:ハードな課題をクリアしないと入社できないようにする
 理由
 ①簡易な選考で得た内定ほど、簡易に辞退する
 ②選考段階から即戦力人材の採用は始まっている
 ③ハードな課題の方が選考そのものを適切にできる
 ④離職防止につながる

法則3:内定期間中の育成プランを明確にし、経験値を積み上げる

法則4:新卒を即戦力にするのは当たり前、という文化を創造する
 育成の成果を人事評価に組み込むなどして、仕組に則った実行を継続できれば、それが積み重なって文化となる。

法則5:採用チームをスカウトチームにする
 食事チケット制度
 (気になる人へ)名刺を渡す


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