EP.5(前編)MY ○ERO ACADEMIA~風俗冒険奇譚~
ドラマよりもドラマチック
鶯谷で完全に隠れた個性「変態」が覚醒しかけた僕は、かなり強めの余韻を引きずりながら電車に乗りぼんやりと半放心状態で家に向かっていた。
そこに珍しい人からDMが届いた。
「しゅんしゅんさん、○○〇〇(元アイドルの愛称)に認知ある?」
誰からのDMか確認した瞬間に確か筋すぎて、僕の中のリアルな獣が呼び覚まされる感覚がした。しかしM性感の直後で思考がまだ上手く働かない。
僕は
「接触には行った事ないです。
確かに一時期はかなりの頻度で現場に通ってたし遠征もして、〇〇〇〇(同グループの推しの愛称)のチェキを回してたから顔を覚えてる可能性はありますねぇ。」
恐らくはあの4年半前の復活ライブで囲みを撮ったのが最終接触な気がする。それ以前ではあるが会話ならひと言会話を2、3回した事がある気がする。
それとヲタク3、40人規模くらいのオフ会にも参加した事あるしなぁ。もう本人が覚えてるかどうかだ。
彼が言うには
「顔知ってるヲタクが来たらプレイしないって前に言ってて、認知あったらプレイ拒否の可能性大なんですけど、他にもおすすめの子いるから無理に○○○○(元アイドルの愛称)じゃなくても!!!!」
これはかなりの賭けになりそうだけど、このCHANCEは掴む以外の選択肢がない気がする。
ただ気になる事があったので聞いてみた。
「プレイ拒否ってドア開けて顔見たら『NGです』って帰っちゃうパターンですか?
それとも何もできないけど70分喋りましょうなのか?
プレイNGって一体どうなるんです?」
彼の回答は至ってシンプルだった。
「いきなりドア開けてNGってのはないですよw」
この瞬間に僕はもしも認知があって、プレイNGだったら昔話でもすればいいかなって思ってしまったんだよ。もしもアイドル時代に70分話しようと思うと7万円かかるんだ。話するだけでもめちゃくちゃお得だ。
それに風俗に行き始めて右も左もわからない状態だ。
もう手の鳴る方へ行くしかない。
火曜日に日曜日の予約をした。
まだ5日もある。既にもう緊張と期待が渦巻いている。
毎日考えてしまっている。
エロい事をするとかじゃなく、今までのこと。
僕は彼女がアイドル時代に短かったが1年ほどは足繁く通った。
ライブは多分50回以上は見てるはず。
なんなら二推しだったし。
僕には彼女のグループ以外に本現場があり、そちらがやはり優先だった。
それがあった所為でそこのグループのファンとはあまり交流がなかった。
本来なら彼女を推してたヲタクの顔が浮かんだりもあるだろうが、薄っすらと目立ってた数名しか浮かんでこない。
話した事もなく名前も知らない。
今回の足枷にはならなかった。
彼女は笑った顔がすごく可愛らしかった。
少しつっけんどんな感じはあったけど。
いつもニコニコしてた。
本現場が忙しくイベントやライブに足が遠のいていった。そして気がついたら脱退してた。
少し寂しい気もしたが僕は既に現場には通っておらず
同じ夢を見ているわけじゃなかった。
今年に入って僕はアイドルヲタクを辞めた。でもなにか少し腑に落ちない気持ちがあった。
自分自身が辞めると宣言したりしなかったりして、言動が伴えばアイドルヲタクを辞めたとなるんだろう。
だけどそれだとなんか、いつでも戻れるんじゃないかって気持ちがどこかにあり続けていた。
もうドルヲタに戻れない何かが欲しかったんだと思う。
自分自身のケジメの為に彼女を利用していいのか?言わなければわからない僕自身の心の問題だから?それでももうドルヲタに戻れない事が欲しい。
毎日何度となく自問自答を繰り返し答えが出ないままその日を迎えた。
勝利の女神
最後には考えても仕方ない!勝利を収めるしかない!優勝するしかない!とよくわからないテンションの仕上がりになり辿り着いた渋谷。
この店はホテヘルなので店舗受付をしてお会計を済ませなくてはならない。
完全に慣れた電話も今回ばっかりは緊張する。
認知が残ってるのか。。。忘れててくれ。
ドルヲタとは本当なら認知切れてたらショックなはずだが今回ばかりは切れてて欲しい!
認知切れて無くなってて欲しいなどと、今まで1度も思った事がなかったのにな。
丁寧なスタッフに電話誘導されてマンションの一室へ。
目隠しなしのプロフ写真を確認する。
間違いない○○○○(元アイドルの愛称)だ。
「70分18,000円+特別料金3,000円で合計21,000円です」
(うーーーんと1分300円か。。。)
お会計を済ませ禁止事項の説明を受け、ホテルの案内を受けて移動を開始する。
徒歩数分のホテルに2時間3,000円(だったかな?)で入室した。
最初はもし彼女が忘れてても覚えてても、僕が○○○○(元アイドルの愛称)だって事をわかってる素振りは見せる事はできない。
ドルヲタだって事すらボロが出ると不味いことになりそうだ。
あーーーどうしよう!どうしよう!どうしよう!
「ぴんぽーーーーーーん」
あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!!!!!!!(吐きそう!!)
落ち着いて落ち着いてぇゆっくりとドアを開ける。
「こんにちわぁ~れい(源氏名)でーす」
「こっこんちわ」
ふーーーーーっ、見たことあるし会った事あるししゃべった事ある。
さすがにおぼているんじゃないの?の?
部屋に入りベットに腰かけて僕の目を見た。
れいちゃん「ねぇ!」
しゅんしゅん(あたふたあたふた)
れいちゃん「さっきさぁ~ここに来る途中に変な人に話しかけられたの~どこで働いてるのかとかすごい聞いて来てやばかったぁ~」
しゅんしゅん「へっ?そっうなんだ、渋谷怖いね。わらわらわら」
れいちゃん「はじめて?」
しゅんしゅん「(おっ!!!)えっ?」
れいちゃん「ここのお店来るの~」
切れてる、完全に切れてる。
認知なし☝
うれしいやら悲しいやら複雑な心境のまま
第2セットへ続く!
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