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やる気スイッチを探せ!

元気いっぱいな初心者低学年の稽古。
こんなことが起きたりしませんか?

「このメニューになると真面目にやらない」
「集中が切れてすぐに遊びだす」
「周りの子を邪魔するほうに没頭」

実はコレ、私のところでは、ほぼ間違いなく毎回起きています!(笑)

【チームあやメンバー: 小3は高学年組に移動したため、小学1年生が数人と、4歳、3歳、(時々2歳)】

…というのも、現在のチーム綾芽の全員が、 "ほぼ同時期に入った低学年の初心者" というのがかなり大きいんですよね。

だから例えば、他の子の邪魔をしたり、ぶつかったりするのが楽しくなっちゃった子が1人出てくると、それが他の子に伝染するのも早いんです!

ではそうなった時、どう対処するのが適切なのでしょうか。

怒る?稽古を中断する?指導する?

勿論その方法は、相手の年齢やレベル、指導者や道場の方針によって大きく変わってくると思います。
ですからここでは、「私が適切だと思う方法」…ではなく、「私が今・実際にやっている事」を書きたいと思います。

私の場合は、「逆にどうやってこの稽古に集中させてやろうかな!」と考えることが多いです。その方がなんだかワクワクするので。

その稽古になると真面目にやらなくなる
というのは、言い換えれば面白くなかったり、うまく出来ないからであって、あとは、単純に他の子の邪魔をするのが楽しいからですよね!

ならそこを利用してやる!!!
っていうのが私の考えです。

* * *

最近の稽古で、突然覚醒した小1の剣士がいます。その子は、集中のムラが激しい新人の1人ですが、やればできる器用なタイプです。

ですが、一度「おふざけスイッチ」がONになると、周りを巻き込んで遊びはじめてしまいます。そうやって集中力が欠けていると、打ち込みなんかで自分の番を待っている間に、竹刀で他の子を叩いたり、振り回して危ないんですよね。

そこで取り入れたのが、「やってやった!」「倒した!」と思わせる稽古です。

私が尊敬してやまない、大分県のT先生に最近教えていただいた稽古法のひとつで、私も早速取り入れてみました。

打ち込みの練習。
まずはお互いにお願いします(礼)をしてから構え、胴を打たせる前に、「よっしゃかかってこい!」と一声かけました。彼が日頃からカッコよさげな構えを編み出したりしているのは見ていたので、一騎打ちバトルに持ち込みます。

「今日どうした!?めっちゃ上手いじゃん!」
「あーやられた!!お腹真っ二つやわ!」

とにかく打ったら褒める。
後ろで見ている保護者の中には、経験者の方もいるので、「おおー!」と声をあげたり、拍手をしてくれる。

おかげでその子はたった5分〜10分くらいの間にドンドン胴打ちが上手くなり、集中していきます。面白いのは、その前後の「お願いします」と「ありがとうございました」の礼まで気合が入っていくところです。

それを見た他の同い年の剣士たちも、「何が打ちたい?」と聞くと、口を揃えて「どう!」と答え、今までにないくらい気合が入っていました。

* * *

子どもって、すごい「パワー」を持っているんですよね。楽しい事に対して、ずっと熱中できる集中力と体力を兼ね揃えているんです。

それに対し、こちらも大声で怒鳴ると、すごい「パワー」が必要になります。
しかも、ミニ剣士たちが転けたり、友達を押したり叩いたりしないか、竹刀を振り回さないか…などを見ながら指導をしている状態なので、毎回思ってる以上にこちらも疲れるんです。

そこで私は、お互いのパワーを上手く使うことで、稽古の質をあげられないだろうかと考えました。

パワーを一方通行でぶつけ合うのではなく、私は大人だから、子どもたちのパワーを一旦受け入れてあげられるし、逆に私が子どもたちに私のパワーを送るときは、受け取りやすい・自分の力にしやすいパワーにして伝えてあげる。

大事なのは「お互いのパワー」です。どちらか一方では、ただの遊びか、怒鳴って恐怖で支配する稽古になるかもしれないから。

また、指導するのが「私自身」なので、「普通はこうする」とか「〇〇先生はこうしてる」ではなく、私が研究して考えて、自身の個性を最大限発揮しやすい稽古にすることも大切にしています。そうでなければ、私自身も成長しませんしね^^

ある意味、お互い本気の稽古を、この子たちのレベルで最大限に……。
それがこの子たちとの"今の稽古での目標"です。やり方も目標も、この先変化していきます。

たとえ相手が子供で私が大人でも、お互いが気持ちよく、そして本気で稽古をできるように。
でも子供の力だけでは無理だから、大人である私の方が時間や稽古をコントロールする。

低学年たちのやる気スイッチを探し、ONにする試行錯誤の稽古を!

もしよければサポートをお願いいたします。サポートしていただいたお金は、少年剣道を盛り上げる・支える活動や自身の指導している生徒のために使わせていただきます!