いちご物語
いちごは私の大好物だ。スーパーでいちごが並んでるのを見るとわくわくする。
1つはそのまま練乳をかけて食べて、残りをていねいにつぶして、練乳をかけて、牛乳をそそぐ。薄いピンク色になった牛乳とつぶしたいちごを少しづつ飲み食べる食べた方がmy bestいちご食べ方なのだ。
これを彼に言ったら、そんな食べ方したことないと言う。なんてこった!この食べ方が私は大好きだというのに。あの甘い牛乳の味を知らないなんて!
このおいしさを伝えねばと、なかば使命感を感じながらいちごを食べる時に分けてあげた。この貴重ないちご牛乳を。
なのにだ。
「この食べた方もったいない」と一言。
はぁ?
私は小さい頃から家族でこの食べ方をしてきて、私の1番の好物だというのに、もったいないだと?
私プチ切れ。プチね、あくまでも。もうこのおいしさがわからないなら知らん!と思いプンプン怒りつつ、もう作ってやらん!と心に決めた。私は私の食べ方が好きで、それを好きな人にわかって、共感して欲しかったのにしかたない。いちごの食べ方を強制するつもりはない。そんなもの好きに食べればいいのだ。
そして後日、スーパーで買い物をする時いちごを見た。いちご!大好きないちご!そう思い見ていると無意識に「買いたいなー」とつぶやいていたが、彼は「うーん」と言いながら別の売り場へ行ってしまった。
おかしい。いつもの彼であれば私が買いたいと言った時は、にこにこしながら「いいよ」とか「しょうがないなー」とか言ってくれる。おかしい。
私は今日はいちごだめかぁ…と思いながらまだ見ていた。そしたら彼がやってきてうじうじしながら言ってきた。
「いちご家に買ってあるよ」
その姿がなんともかわいらしく私はきゅんとしてしまった。と同時になら何ですぐ言わない?と疑問が。聞くと、
「驚かせたかった」と。
ならなぜ今言った?と次の疑問が。聞くと、
「買わないって言って悲しそうな顔見たくないから」と。
そんな葛藤の中の「うーん」だったらしい。かわいいなぁ。
その日私が、お家で大きないちごを堪能したのは言うまでもない。
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