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standfmは吉本興業グループになります。


ご無沙汰しています、中川です。

4年ぶりのnoteになります。
書いて直後は毎回、次は1ヶ月後に何か書きたいな〜と思うのですが、実態はオリンピック並の執筆ペースになってしまっています。コンスタントに書いてる人は本当にすごい。このnoteの初稿の締め切りのタイミングで、1文字もかけてなかったので、弊社広報をびっくりさせてしまいました。

さて、タイトルの通りですが、株式会社stand.fmで今まで運営してきた音声配信サービス 『stand.fm』ですが、吉本興業グループである株式会社FANYに譲渡をすることになりました。

スキームとしては、stand.fmを運営する新設分割された株式会社stand.fmを買収という形になり、私や共同代表である河合、その他メンバーも社名変更した法人である株式会社 Stand Technologies として、現状手掛けている音声領域のAIサービス、その他AIを活用した事業領域に専念していきます。


なぜstand.fmを売却することにしたのか

newnは今ではブランドビジネスに領域を絞っていますが、初期はスタートアップスタジオに近い構想で、社内事業としてローンチし、育成期間を経て、スピンアウトしていくモデルを念頭に置いており、stand.fmはその位置づけで、newnのサービスとして、2018年12月にひっそりとリリースされました。

初めから精緻な計画を作って、資金調達して燃料をガンガン投下して大きな勝負をしよう、というノリではなく、toCのサービスは何が上手くいくか分からない部分も多い、まずは出してみないと分からない、とにかくMVPを作ってリリースしてみよう、というリーンスタートアップのノリで。

そこから1年半、色々と試行錯誤を重ねて、2020年8月にZ Venture Capitalに5億の投資をいただくことで、本格的にアクセルを踏める体制になりました。企画段階は2018年中旬からなので、ほぼ6年、この事業を運営してきました。

スマホ革命で誰もがスマホ一つでコンテンツを作り発信出来る、繋がれる、そうしたインターネットが変革してきた時代を生きて、そうした可能性を信じ、救われた世代なので、テキストのtwitter、写真のInstagram、動画のyoutubeに並ぶような、音声の当たり前はstand.fmと言われるようなサービスを作りたいと思いました。そうしたプラットフォームから、youtuberやinstagrammerといわれるような、新しい表現者たちやカルチャーが生まれることがインターネットサービスの醍醐味で、そうした世界を作ろうと。

こうしたプラットフォームのサービスで乗り越えなければいけない問題の一つが、ニワトリ卵問題です。いい配信者がいて、いいコンテンツが集まっていないと、リスナーが集まらない。リスナーがいない場所では、クリエイターが集まらない。

このnoteを読んでくださっている方々でも、意外に思われるかもしれませんが、音声コンテンツを視聴できるサービスは色々とありましたが、誰でも、簡単にスマホひとつで配信までいけるサービスで、あまり見られませんでした。PodcastもPCでの収録・編集で作り込まれたコンテンツが主流でありました。

自分たちが目指す理想の世界観としても、一部のクリエイターだけが配信するような閉鎖的な場ではなく、誰もが自分の想いやコンテンツを発信できる場にしたかったこと、グロースモデルとしてもInstagramがとった戦略をベンチマークしていたので、まずは、『配信者ファースト』を掲げて、 素晴らしいコンテンツを出来るだけ簡単に作るための最高の『ツール』を配る、ことに初期はフォーカスしていました。

エンジニアを中心としたプロダクトフォーカスで良いプロダクトを作ること、プロダクトの品質を高めることに全振りしていました。創るためのツールだけではなく、投げ銭、コンテンツ販売の機能、ファンクラブのようなサブスクリプションの機能など、マネタイズを支援するツール的価値にも取り組んでいきました。

サービスとしては、本当に多くのユーザーの方々・取引先関係各社の方々に支えていただき、サービス構想段階で、こうなるといいなと願っていたような素晴らしいコンテンツが生まれ、また予想もしていなかったようなコンテンツやコミュニティが生まれ、stand.fmを起点として出版される方や活躍される方も出てきたり、実は2024年に入り、過去最高のユーザー数を記録しており、累計配信者14万人を超え、累計アーカイブコンテンツ数は600万を超え、アクティブなユーザー数もそれなりの規模になり、国内音声配信サービスとしては、一定認知いただくようになりました。

2018年から比べると、かなり音声コンテンツは広がってきている感覚もありますが、海外での音声コンテンツの盛り上がりと比べるとまだまだ大きな差があり、自分たち自身で市場を広げ、創出していく必要があるフェーズだと感じていました。

そんな中で市場を広げていき、音声コンテンツを当たり前な世の中にしていくには、自分たちが今までのスタイルで運営するよりも、エンタテイメント領域の知見があり、コンテンツにも精通している企業に運営していただく方が、良いのではないか、と思うようになったことが、今回の譲渡に至った背景です。

なぜ吉本興業グループなのか

ラジオといえば、芸人さんのラジオが大好きだという方も多いと思いますが、しゃべりのプロなので、stand.fmとしても、注力領域の一つとして、お笑い・エンタメには取り組んできました。

吉本と言われて、聞いたことがないという人は、日本ではなかなかいないんじゃないかと思うくらいですが、誰もが知る、お笑いに強い芸能事務所です!お笑いだけでなく、色々なジャンルのタレント、アスリート、文化人、アーティストetc 、という感じで、なんと約6,000人(めちゃくちゃ多い!!!!) もマネジメントをされています。

NSC(吉本総合芸能学院)というタレントの養成所、リアルな発信の場として、なんばグランド花月やルミネtheよしもと、といった劇場の運営されていたり、垂直統合的にスターを生み出す仕組みが立体的に設計されていて、その一つひとつが、プラットフォームにもなっている、とても面白い会社さんだと、ずっと思っていました。

そうした業界のプレイヤーだからこそ生み出せる新しい価値や成長があるんじゃないかという風に考えた際に、よりユーザーの方々にとって、面白いサービスになっていくのではないか、そうなる未来を見てみたい、という想いで、吉本さんにご相談させていただきました

吉本さんには、サービス初期より所属タレントの方々にもかなりの人数の方々に使っていただいてきていたこともあり、サービスの価値や目指している世界観をご理解いただき、譲渡いただけることになりました。

吉本さんにおいても、こうした買収というのは初の取り組みということで、より、こうした動きが加速していくよう、良い事例にするべく、引き続き一部の運営には携われせていただきます。

最後に

stand.fmユーザーの方々、関係各社の方々、本当にありがとうございました。 皆様のご支援とご愛顧のおかげで、stand.fmはここまで成長することができました。これからは吉本興業グループのサービスとして、新たなステージで音声市場の未来を創出できることを楽しみにしてます。
今後ともstand.fmをよろしくお願いいたします!

最後の最後に

近いにうちに起業家としてのstand.fm事業の運営についても、ちゃんと振り返りのnoteを書ければと思います。

最後の最後の最後に

サービスを運営してきた想い出は沢山ありますが、2021年1月25日にstand.fmで配信してくださっている令和ロマンのご様子に、ゲストで呼んでいただいたものを置いておきます。


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