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皆伝合格したので


はじめに


※この記事は自分の経験に基づいた主観100%の見解です。また略語、通称および非公式難易度表を用いた解説をします。


はじめまして。2020/5/31に長らく目標であった皆伝に合格したので溢れ出す感情をnoteに書き殴りたいと思います。この手の文章を書くのは初めてなので読みにくいかもしれません。感情と意見と考察と偏見と一般論をごちゃ混ぜに書いています。ご了承ください。


この記事をわざわざ読んでる人に今更説明は必要ないと思いますが、皆伝というのはKONAMIの音楽ゲーム「beatmania Ⅱdx (通称弐寺)」の腕試し的モード「段位認定」における最上位の称号のことです。

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一応EX皆伝や永世皆伝など上があるにはありますが、一般に弐寺の最上段位といえば通常皆伝を指すと思うので、今回はそういうことにします。あとSPのミラー皆伝の話です。DPerの方はすいません。

あくまで皆伝までの軌跡や葛藤の記録になります。基本的に自己満足の怪文書ですが、これから皆伝を取る方の参考になればと思います。上級者の方は生暖かい目で見ていただけると嬉しいです。




おしながき


◼️プレイ期間

◼️プレイ環境

◼️運指について

◼️得意譜面/苦手譜面

◼️ランプ状況

◼️合格時のコンディション

◼️特攻についての失敗談

◼️メンタル面、モチベ維持について

◼️つまづいたポイント

◼️『上手なプレイ』

◼️最後に




◼️プレイ期間


具体的にいつはじめたかは記録が残ってないんですが、2016/3/30に初段合格リザが残っているのでいつもここを弐寺スタート地点として考えてます。

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当時指厨だった僕は、ライブイベントであるbeatnation summitに参加することになり、「知ってる曲を増やしたい」という理由から弐寺を触り出します。

ただ、はっきりと自分の中で「このゲームが上手くなりたい」と自覚したのは、動画でKAC決勝のDOLCE.氏のプレイを見たときでした。切り抜き動画だったと思いますが、あの灼熱は確実に僕の音ゲー人生を変えた2分間だなと、今でも思っています。(だから灼熱イージークリアした時はめちゃくちゃ嬉しかった)

音ゲー履歴がjubeatしかないので弐寺のようなノーツが落ちてくるゲームはほとんど初めてでした。(連動でボルテを触ったことはある程度)ボルテやポップンの経験者はここでアドバンテージあるんだろうなと思います。

そんなこんなで初段〜皆伝で約4年ですね。ちなみに中伝からだいたい2年くらいかかりました。

よく「始めてから十段まで と 十段から皆伝まで がだいたい同じ時間かかる」って言われますけど十段と中伝って意外と近いので現代だと中伝までと中伝からが同じくらいなのかもしれませんね。


◼️プレイ環境


基本的にはACで、家庭用も持ってますが現在はほとんどやってません。BMSもほぼ触ってません。(段位曲だけ入れて何日かやったことがある程度。確か発狂三段とかそのくらい)

ただ一時期家庭用にお世話になった時期があって、それがちょうど八段の時、それまで北斗のような適当な運指で誤魔化してきた僕は当時の九段ボスThe Sampling Paradiseに「指が足りない」という現実を突きつけられ、運指改善をしました。

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運指については次項目で詳しく書きますがこの運指改善の際、ACでお金入れて運指を矯正するのはめちゃくちゃな苦痛が伴いました。そこでなけなしのバイト代で専コンとCSEMPを買って、メタルラックを駆使して家に立ち環境を作りました。

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隣人さん、午前3時にMENDESやってすいませんでした。


この時期にやり込んだBlue Rainがこの後の中速乱打の基礎にめちゃくちゃ役立ちました。今はインフィニタスもアルティメットモバイルもあるのでわざわざ家庭用を買う人は少数派だと思いますが、練習目的で買う人は妥協せずにEMPを買ってくださいこれはマジで。収録曲考えるとEMPがコスパ最強です。トレモを駆使すればこれだけで初心者から皆伝までいけると思います。

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このおうちマニアはそれ以降気が向いた時にやる程度に留めてました。やっぱりACと打鍵感が違ったりして地力がそのまま反映されるわけではないので。トレモは皆伝の予習に使ったけど効いたかどうか微妙なラインです。今はACに模擬試験がありますし。

もともと暇な大学生だったこともあり、ACに関しては盛り抜きでほぼ毎日やってました。ゲーセンに行かないのは正月実家に帰った時か体調崩して外出れない時か、くらいで1年のうち350日は確実にゲーセンにいました。だから留年するんだよ。

バイトが夜の12時に終わるんですけど、近くの深夜1時まで空いてるゲーセンにダッシュして3クレくらいして帰るみたいなこともしてましたね。

こんな生活が3年弱、そこから就職して人間になりました。

社会人になる前に皆伝を...と思ってましたが社会人になっても意外とゲーセン行く時間があるもので、ペースこそ落ちたものの良いホームを見つけ、週3〜4程度の頻度で遊ぶことができてます。

一度にプレイするクレ数は特に決めてませんが、だいたい平日で5〜10、まとまった時間が取れたり開店凸してるときは20クレ程度でしょうか。基本的に疲れたら帰るスタイルでした。あとこれは内緒なんですけど、パセリをオートチャージにすると無料で音ゲーができます。



◼️運指について


プレイサイド:2P

利き腕:右

運指:ベチャ押し完全固定(いわゆるTAKA.S式)で1鍵は小指

ついでに

緑数字:290

白数字:SUD+325/LIFT120(靴によって若干変動)


こんな感じです。今更ですが2Pなので2P目線の話をします。

特にベチャ押しにこだわりがあるわけではないですが、結局一番しっくりきたのがこれでした。今0から選ぶなら多分手首皿でしょうが、皆伝を取るにあたって別に手首である必要を感じなかったのでずっとこれでやってます。世の中には片手皆伝なる生き物が存在するので、皆伝取ることに限定すると指5本以上使える運指ならなんでもいいんじゃないかな(極論)

ベチャ押しの恩恵として感じるのはミラー皆伝冥の56縦連皿複合をそこまで苦しむことなく叩けたところですかね。右手を56皿の形にしたまま皿複合こねこねするのはベチャ押しマンの日常なので。

段位曲について詳しいことはまた別記事で書こうと思います。

1048式や対称固定と違ってそもそも鍵盤に対して指が1本足りてないので、この先の全白とかフルコンとかを考えるとこれ一筋ではしんどいかなとは思います。

上にも書いた運指矯正、今思えばよくもまああんな運指でギガデリを抜けたと思います。ベチャ押しすりすりを両手でやるような運指でした。白鍵盤を左右の親指のみで取るやべえ運指。

九段どころか☆11中位にすら手が出なくなって矯正に踏み切りました。矯正後も右手は変わらずですが左手が固定できたことで物量耐性が飛躍的に向上しました(あたりまえ)

運指改善方法は調べればすぐに出ると思うのでそんな語ることもないですが、僕の場合今まで全く使ってこなかった左小指を動かすために毎日風呂で小指+αのトリル練習をしてましたね。



◼️得意譜面/苦手譜面


・得意譜面

同時押し(ほどよいもの)

中速乱打(ほどよいもの)


・苦手譜面

連皿

左手の縦連

繰り返し

階段系の正規譜面

個別の対策が必要なソフラン


まず得意譜面から...といったものの僕はスコアに関してはマジで十段以外なので(☆11にAAAが1つもない)何言ってんだって感じですが、個人的にやりやすい、対応しやすい、気持ちいいと感じる譜面を得意と言い張っています。

同時押しに関してはおそらく前身であるjubeatが効いてて、腕を振り下ろす打鍵音がうるさいタイプのプレイヤーだったので腕押しで8分を刻むのはそこそこ得意だったのかなと、思います。

例を挙げると☆12の初イージーも初ハードもmosaicだったり、そんな感じです。一応mosaicはmax-でました。

※Rave*it!! Rave*it!!は重発狂軸譜面なので対象外です。悪しからず。

中速乱打は前述したBlue Rainのやり込みから苦手意識がなくなり、☆12を埋めていく時も中速から埋まることが多かったように感じます。スコアはquasarでAAAいかないくらいとかその程度です。

特に高速が得意だったとか個人差が上手かったとかは全くないです。馬鹿みたいにquasarとAAを信仰する量産型でした。


苦手譜面はこれ以外全部なんですけど、特に上に上げたものは本当に苦労しましたし、今も克服はできていません。

皆伝課題曲は総合地力譜面の卑弥呼を除いて全てが所謂個人差譜面、癖譜面です。なんなら卑弥呼も縦連軸二重階段低速の個人差です。(個人差まで含めての地力だと後々気づきました。)

なので少なくともソフラン縦連連皿は避けては通れないんだろうなとは前から感じてはいましたが、やっぱりクリアが増えるのは「普通の」譜面。できる譜面をやりたいのが人情です。

特にソフランに関してはギアチェンを考えないパワープレイに走ることが多いです。例えばJOMANDAやFUTURE is Deadは緑数字を最高速に合わせて終始判定ラインをガン見してハードしました。


苦手分野との向き合いは後半の つまづいたポイント で詳しく書きたいと思います。



◼️ランプ状況(皆伝合格時)


皆伝を狙うレベルの人が一番気になるのがここではないでしょうか。僕もそうでした。

ノマゲ地力表(A+以下全易)

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ハード地力表(S以上ハードなし)

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当たり前のように地力表の話に入りましたが、使ってはいなくともある程度弐寺をやってる人なら存在は知ってると思うので、前提で書かせてもらいます。

一応説明すると地力表っていうのは現5ちゃんねるのスレッドで、有志の話し合いや投票で決められた非公式の難易度分類のことです。もちろん理論的な数値があるわけではないのでたびたび論争が起こりますし上手い人は参考にしてないと思いますが、何もわからない人が☆12の海を航海するために最初に手に入れられる雑な地図だと思ってください。


総合すると未クリア12(内アシ易10)未難91でした。☆11は全白してます。エクハは身体に悪いので今のところつける予定はありません。

☆12が増えすぎてて未難◯◯がもはや指標になりませんが、こんな感じです。

僕は弐寺始めた時からアシストイージーというゆとりゲージが存在したので、紫ランプをつけることに抵抗がありませんでした。とりあえずつけてあとから緑にするっていうプレイをよくしてました。地力ギリギリでイージーついた譜面ってなかなかそのあとやりにくいと思うんですけど、先に紫つけておくと同じモチベーションで次は緑を狙えるのでお得かなと。

このゲーム自己満足が全てだと思ってるので自分が納得できたらなんでもいいと思います。どうせ他人はそんなとこ見てないです。白か虹色だったら上手いなあ程度です。


ノマゲ地力表もといイージー地力表から語っていきます。

イージークリアは所謂地力の上限、上振れの最高到達点として考えています。ラス殺しになればなるほど挑戦段階では運ゲーになりますからね。でもあくまで上振れ程度に考えた方がいいと思います。後述しますが僕は自分の地力を過信して痛い目を見ました。

地力Sにいくつかイージーがついたあたりで皆伝狙えるみたいな話を聞いたことがありますが、自分はコンフィにイージーついた時期で卑弥呼のBPが250〜300くらい出てました。

Sがほぼ埋まるくらいまでやった方がいいんじゃないでしょうか。イージーに関しては。

強いて言うなら卑弥呼のイージーはかなり自信に繋がったのでなにかこう、「これクリアしたら一皮剥ける」みたいな譜面を持っておくのはアリかもしれません。



続いてハード地力表ですが、未難かなり多いほうじゃないかなと思ってます。特に個人差が弱い。

あとこれは僕だけかもしれませんが、イージーに比べてハードは特定の期間で急に埋まることが多いように感じます。逆に埋まらない時はPフリー何十分やっても成果がでなかったり。

一般にはハード地力Aがあらかた埋まる頃から皆伝を狙えるというのが通説ですが、まあそれはその通りかなと。

卑弥呼を抜けるのに最低限◯◯のハードが必須だとか、蠍火の縦連押せないのに冥は抜けられないとかそういうことではなく、ふんわりと

「このくらい埋まってれば段位で死なない程度にビートマニアができる」

くらいの指標だと思います。

もちろんハード全然埋めてなくても皆伝受かる人もいますし、ゴビヨアイズハードしてるのに冥が抜けられないプロ中伝もいます。両方見たことあります。

信用度でいうとノマゲ表<ハード表<<課題曲への慣れ

くらい

身も蓋もありませんが結局嘆き灼熱卑弥呼冥の正規鏡が段位ゲージで抜けれるかどうかなので、あまり頼りすぎるのはよくないと思います。ほんと...

ほんと...


余談ですがライトニングモデルの恩恵でイージーランプがついている灼熱、イージーしてから2回灼熱で落ちました。

卑弥呼をイージーした日、嘆きで落ちました。

そんなもんだと思います。



◼️合格時のコンディション


合格当日、本当は皆伝を受ける気はありませんでした。眠気もあったことに加えて数日前のDynamiteハード粘着で右手は腱鞘炎を起こしかけており、灼熱pt.2に破壊された小指の水膨れが治りきっていないような状態で、「モチベはあるから軽く鍵盤叩いて帰るか」くらいのテンションでした。

そんな感じでいつものようにプレイしてましたが思いの外指が回ったので模擬試験でもやるかーとやった冥がこれです。

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メイン4サブ3でした。模擬試験で冥を抜けることに関しては実は結構勝率が高くて、少なくともイージー勝率よりは高かったと思います。(別記事で書きますが冥の後半が本当に下手でBP130台でアシスト落ちとかよくあった)

なので抜けたことに関しては割と「いつもの出来」だったのですが、リザルトを見てゲージの残り方に驚きました。普段抜けれたとしても流石にギリギリで耐えてることが多かったので、メイン4という決して当たりではない譜面でここまで残せてしかもBP更新ができたことを素直に喜んでいました。

この後再び模擬試験でミラー卑弥呼をプレイして、これもなんとか抜けることができました。リザルトは撮ってませんがたしかBPは207だったと思います。卑弥呼は200出ても抜けれるらしいので自分の中では200前後をラインと考えていました。

ちなみに合格時の各楽曲の自己ベBPは以下の通りです。

嘆きの樹 88

灼熱Beach Side Bunny 105

卑弥呼 157

冥 120


灼熱は140切れば調子いいかな程度、平均では160くらい。

卑弥呼は軸の配置で大きくブレますが180〜200程度。

冥はこの時期には配置にかかわらず150切りは安定してたかなと思います。嘆きはランプつけて放置してました。


そんなこんなで身体のコンディションは良くない中、勢いに任せて特に深く考えもせず皆伝を受験しました。今思うと適当な感じで力を抜いてプレイできたことも勝因だと思います。各曲のリザルトはゲージ推移とかあんまり見ないようにして、「いつも通り」に徹しました。(普段からゲージ消してた)

スポーツや受験でよく言われることですが、普段できないことは本番ではできないし、十分な力があれば普段通りやれば上手く行く。これは本当にそうだと思います。

受験回数は合計6回だったと思いますがその内卑弥呼まで到達したのが1回だけ、冥に関しては初到達で合格したことになります。

受かったのでイキりますが、卑弥呼さえ抜ければ冥は多分いけるだろうと思ってました。繰り返した模擬試験で「冥を段位ゲージで抜ける」ことに慣れていたこと、前半とBPM130くらいまでがある程度できてればかなり適当に押しても意外と死なないという経験からくる自信でした。後出し結果論イキリ。


総合すると受かる地力が身についてれば、あとは勢いがある日を待って、いけると思ったら軽い気持ちで受けるのがいいのかなという感想です。落ちたら死ぬわけでもないですし。

逆にそのくらいの気持ちの余裕を持てない時期は受けない方がいいのかもしれません。本当に皆伝受かるかもしれないと思ってからもう1ヶ月地力を上げましょう。

今日は皆伝受かるぞ!って身構えてゲーセン行って嘆きで落ちるのめちゃくちゃしんどいんですよね。(1敗)




◼️特攻についての失敗談


みなさん特攻は好きですか?僕は大好きです。


特攻とは一般に、自分の地力を超えた譜面、即ち未クリアだったり未難だったりする譜面に果敢に挑む行為をいいます。上達には必要不可欠な行為で、自分が捌けるギリギリの高難度譜面と戦い続けることで地力の上限を伸ばすことが、上達への近道とされています。







と、思っていました。



ここの意味を履き違えていたことで僕は中伝以降苦しむことになりました。

未クリアを果敢に埋めに行く行為は確かに地力の上限を伸ばすのに必要不可欠で、これをしないと高難度はできるようにならないと思います。quasarを1000回やってもAAができるようにはならないですよね。

よくないのが巷に溢れる「イージーゲージで80%前後をうろうろする譜面をやり続けることが大事」というアドバイスを鵜呑みにして、それだけを思考停止してやり続けること。

この練習法?のタチの悪いところはこれを繰り返すだけでもある程度まで埋まってしまうところ。なんならセンスのある人はこれだけで皆伝なり全白なりできると思います。

僕もアホみたいに脳死で特攻を繰り返しましたが、地力表ノマゲBで一度壁を感じたものの、ランダムによる試行回数のゴリ押しで結局地力S数個〜くらいまで成長が止まったと感じることはありませんでした。やってる時は実際楽しかったです。

じゃあそれでいいじゃないかとなりそうですがそうでもないんですね。

千切っては投げを繰り返して山積みになった既クリアイージーランプ、こんな上しか見ないプレイスタイルの人間が既に倒した(と思い込んでる)過去の曲とまともに向き合うでしょうか?

もちろん向き合いません。たまにアシ易で選んでクリアしても落ちてもちょっとBPやスコアを気にする程度。その譜面は自分の中で「すでにできたもの」として認識してしまっていました。

ちなみにその当時の僕のプレイスタイルは

1クレ目 ☆10や☆11のそこそこ強い譜面でウォームアップ

2クレ目以降 VIPパスを使って全ステージ未クリア特攻


こんな極端なプレイをしていました。当時は未クリアを埋めることが地力向上であってそれ以外は時間の無駄だと本気で思っていました。

おそらくこんな生活を少なくとも1年以上継続してたように思います。


センスがない人間にはやがて限界が訪れます。

ノマゲ地力S数個、ハード地力B+数個の段階で、パタリとランプ更新ができなくなりました。特にハードAの壁は高く、アシ易すら安定しない譜面ばかりなのにこれにハードなんてつく気がしないと絶望していました。

これは特攻したからこうなったわけではなく、難易度のシステム上当たり前のことで、上手くなればなるほど上達のペースは落ちるものです。

ただこの「上達」のバロメーターを「ランプ更新」のみに頼って☆12を駆け上がってきた僕はここで身動きが取れなくなります。

ことここに至ってもやることは毎日チェックリストのように未クリア曲を一周して疲れて帰るの繰り返し。皆伝課題曲に手を出してみるも200を超えるミスカウントの嵐。

他に練習法を知らない僕はここでかなり苦しい思いをしました。


このあたりでTwitterでフォローした方(SP全エクハ両皆伝)にアドバイスを貰うようになり、徐々にまともなプレイスタイルを獲得して今に至ります。上級者の話は聞け。

この方には皆伝合格まで幾度となくアドバイスを頂き、停滞から抜け出す数々のブレイクスルーを指し示してくれました。練習曲はもちろん苦手との向き合い方、緑数字の調整から判定文字に至るまで、介護レベルでフォローしてもらいました。

この苦しい期間を抜け出せた方法は極めてシンプル


今までやってない練習をする。


これだけです。逆になんでやってなかったんだと思いますが、人間視野が狭まると当たり前のことが見えなくなります。

具体的には、☆11を簡単な譜面から「丁寧に」やる。☆12の一回クリアしたっきりの譜面を「丁寧に」やる。特に上限に近い地力B前後の譜面はやり直してみて課題の多さに気づけました。

一時期☆11以下しかやらない日とか作ってましたね。☆12やるときも低難度からめちゃくちゃしっかりアップをして丁寧に丁寧に指を温めて帰り際のExtraだけちょっと難しい曲、とか。

それを続けてると難易度に関わらず不思議と譜面が良く見えるようになってきて、以前だったら切ってた皿複合やごちゃっとした難所が光ったりですごくこのゲームが楽しくなりました。Little Starの24分が普通に見切れるようになった時、景色が変わった気がしましたね。


丁寧に、の詳しい説明はこの文章で一番伝えたいところに関わるので後述の『上手なプレイ』で。





◼️メンタル面、モチベ維持



モチベは最強の武器です。努力は裏切りますが、モチベは裏切りません。


モチベに関しては上で言った通り苦しい思いをすることがあっても基本的には最初から今に至るまでずっと高いままでした。辞めようと思ったことがなかったわけではありませんが(最後に書きます)、特に十段から先は常に皆伝を、上達を目指してプレイしていました。


モチベ維持の方法として特に意識していたことはありませんが、最初からあった考えとしては


・目標を出来る限り小刻みに具体的に設定する

・続けてればいつか上手くなるという楽観


スランプから立ち直った後は


・プレイスタイルを複数持つ

・成長の種類を理解する


このあたりでしょうか。

また一般論になりますが、実力の近いライバルを見つけて切磋琢磨することで上達できる という意見があります。

賛否両論あると思いますが僕はライバルを持つことに対して否定的です。理由は負けると萎えるから、成果を他人と比較するのが嫌いだからです。

具体例を上げると例えば自分以外のライバルが全員ハードクリアしている曲があるとします。この曲を自分がやっとの思いでハードした時、リザルト上は新規ハードというプラスの結果であるのに、ライバルと比較すると「やっとおいついた」というプラマイゼロの結果にされてしまうんですね。これがどうにも受け付けないのです。

あとは勝っても僕はあまり嬉しくないというのも理由の1つです。アリーナとかも。


もちろんライバルのスコアやランプに触発されてモチベが上がる人がいるというのはわかりますし、多分多数派だと思います。そういう人は活用するべきだと思います。

ですが自分が闘争を好むタイプではないのに無理にライバルやら同段位平均を気にするのはメンタル面ではマイナスかなと。

モチベの保ち方は人それぞれですが、長く続けていく上で最も重要になるのがこのモチベーションです。モチベがあればどれだけ下手くそでも神ゲーです。

このゲームを続ける根幹の部分であるモチベーションを、他人に委ねることを避けたいという思いもあって、長らくライバルらしいライバルを設定していません。

でもみんなでぎゃあぎゃあ言いながら音ゲーするの楽しいよね。したいわ。





◼️つまづいたポイント


特攻の失敗談と若干かぶるところがありますが、今までやってきて壁を感じたなっていうポイントを3つあげてみました。同じようなところでつまってる人がいたら参考になったらいいなと思います。

以下の3つです。

・九段

・ハード地力A

・☆11全白



・九段

今作は九段ボスが少年Aでサンパラとは全く属性が違うのでアレですが、僕が受験した時はRainbow guitar weeps→カイルアHCN(削除譜面)→リラン→サンパラでした。少年A正規やばいですよね。reunionと大差ないでしょ...現八段の人...

上で書きましたがサンパラもとい中速の物量が本当にできなくて、指が足りないってなって運指矯正したのでここで結構長い間停滞しました。

ちなみにですけどサンパラを段位で抜けるための練習曲はSPACE FIGHTです。戦艦テクノで地力アップ


・ハード地力A

ここは本当に高い壁でした。

代表格は三闘神とも呼ばれるクエル、バドマニ、MENDESや中速の最高峰である天空、キャトられに蠍火と、ここあたりから名の知れたボス曲が増えてくる難易度帯でもあります。

確か初ハードは個人差AのFlashesで、そのあとfallen leavesやら津軽雪あたりから崩していった記憶があります。

ハードA挑戦の前にB+以下の安定度を上げることがなにより大切だと思います。一度ハードした程度の譜面は「できる譜面」ではありません。

☆12を下からきっちりやり直すきっかけにもなった時期でしたね。長いスランプを抜けてMENDESをハードした時、来るとこまで来たなと感じました。

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・☆11全白

これは全白を狙ったというよりは、苦手分野と向き合うにあたって☆11の未難と戦ったという話です。

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☆11未難5の時の写真です。見ればわかると思いますが連皿がアホほど苦手でした。IDCに1時間近く粘着してハードがつかなかったこともあります。

皿譜面から逃げ続け、灼熱で詰むであろうことを察し始めたので、この辺りで本気で皿をやろうと思いました。

ただ前述の通り脳死特攻マンだったので最初からハード粘着をしていました。当然つかないから残っているわけで、苦しんでいると件のアドバイザーから金言をいただきます。


「苦手分野はどこまでレベルを下げてもいい」

「自分の挑戦段階を見誤ってはいけない」


多少の意訳はありますが、僕はこのように受け取りました。

このアドバイスがどういうことかというと、当時ハード地力Aが埋まり始めた段階で、一応☆12の皿曲にもクリアランプがついており、Red.やワッチ2でイージー落ちることはない程度には皿を回せている、という「思い上がり」がありました。この思い上がりは変なプライドとなり、今更☆9や☆10のハイパー譜面なんてやりたくない、やっても意味ないという無意識の縛りを自分に課していました。

これが誤りで、そもそも僕は皿曲に関しては☆10挑戦段階レベルであることを自覚していなかったのです。鍵盤でお菓子曲がハードできても連皿には関係ありません。今思えば当たり前のことです。

この「自分の地力を的確に把握する」行為はこの後の成長に大きく寄与したと思っています。


かくして僕は☆10MASS曲のハイパー譜面から、連皿の基礎の基礎から学び直しました。最初はsnake stickハイパーでハード落ちなど日常茶飯事でしたが、毎日2クレ程度は必ず皿曲しかやらないクレを作って、ちゃんと皿を回すことを身体に覚えさせました。



そんな皿回しの日々から1ヶ月後のリザルトがこれです。


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苦手分野もちゃんと向き合えば1ヶ月でここまで伸びるのだと証明してくれた値千金のクリアランプです。

もちろんこの時点で☆11の皿曲は全てハードしています。(ライトニングモデルで易化したのはそれはそう)

faxxは嫌いでやってなかった側面が大きかったので、S乱で何回かやったら埋まりました。


また、連皿以外の苦手分野も同じようにして克服してます。(進行形)

苦手分野との向き合い方を学べた期間でした。




◼️『上手なプレイ』



長々と自分語りを続けてきたこの文章で一番書きたかったのがこの「上手なプレイ」についてです。これを伝えたくて書き始めました。

技術ではなく意識の話なので、自己啓発チックな痛い話になってしまいますがご勘弁ください。


これもまた例の両皆伝からの意見です。



「上手く叩けない時間を減らし、上手く叩ける時間を長く過ごす」



数々のアドバイスを貰いましたが一番シンプルで実践しやすく、かつ最も効果を感じた助言です。


この『上手いプレイ』の定義は、フルコンやハイスコア、まして歴代なんかではなく、「自分が上手いと感じる」プレイ のことです。

前後の文脈がないと意味不明なので説明します。

このアドバイスを頂いたとき、ちょうど特攻によるスランプの時期でした。特攻以外にも☆11の難しい曲をやったり苦手譜面をやったりしているのに何も上手くなっている気がしない。デニムができないからV2を毎日やる、軸が弱いからハードすらできていないバドマニを毎日やる、皿ができないからIDCを毎日擦る。少しでも冥の、卑弥呼の練習になる譜面を浴びるように叩く、そんな時期でした。

この時、1日のプレイの中で「上手いプレイ」がほとんどできていませんでした。

未クリアへの特攻以外に限定しても、消費する譜面のほとんどがハード不安定、または未難レベルの譜面で、そんな譜面を「上手く」叩けるわけもありません。当時特攻に慣れ切ってしまっていた僕はそれが「上手くないプレイ」だということに、言われるまで気づきませんでした。

そんな時、あなたは皆伝を取るために弐寺やってるのかと、上手くなる延長に皆伝があるだけじゃないのかと、そういう言葉をDMで頂きました。皆伝のためだけに難しい譜面に向き合い続けるだけではなく、上手く叩ける時間を長く過ごすことが大切である。と


僕にとって『上手いプレイ』とは、


・反射神経に頼らない。(モグラ叩きにならない)

・判定ラインを意識する。

・譜面全体を認識する

・降ってくるノーツを下から順に叩く。


この項目もほとんどがアドバイスからの抜粋ですが、ここの意識の徹底がブレイクスルーでした。

間違ってはいけないのがただこれをすることが『上手いプレイ』に繋がるのではなく、


『自分が今までできていなかったことを明確に意識し、その意識を一曲通して完遂する』


これが『上手いプレイ』だと解釈しました。たまたま僕のできていなかった点が上記の内容だっただけで、逆に特攻をしない人は高難度に集中し続けることが『上手いプレイ』になるかもしれません。伝わりますでしょうか...

つまりは曲が終わった時に、「上手くできたぞ」「思い通りの認識を維持できたぞ」と自分を納得させられるプレイを維持する。ということです。そこにスコア更新やミスカウントは関係ありません。

このプレイを維持しようとすると、もちろん選曲のレベルが下がります。ただし皆伝に手を伸ばそうという地力の人なら少なくとも☆11あたりで『上手く』叩ける難易度帯があるはずです。まずはこの難易度で感覚を覚え込ませます。ちなみにこの辺りで緑数字、判定文字などをかなりいじりました。特に緑数字に関して、「見切ってから押す」以上始めは少し遅めに設定する必要がありました。具体的には294から最初は305へ、認識が固定できたら下げれるところまで下げて290で落ち着きました。以前は294でギリギリだと思ってたところが290まで下がったのは明らかに認識力の向上と言えます。

自分に課した認識が身体に馴染んでくると今度はその認識のまま難易度を上げる作業です。低難易度でできることをそのまま高難度譜面に落とし込んでいく、上から下まで見切れるギリギリの難易度を行ったり来たりしているうちに数週間ぶりの新規ハードランプが点灯しました。認識方法を変えて確実に見え方が、地力が上がった証拠でした。

この上手く叩く意識は皆伝受験中も忘れていませんでした。特になんとかゲージを稼ぎたい卑弥呼や冥の前半部分では世界一冷静に譜面全体を認識して1ノート1ノートをしっかりと叩けと自分に言い聞かせていました。そのおかげか譜面がやけにゆっくりに見えたことを今でも覚えています。





◼️最後に



実は一度、弐寺を真面目に頑張ることを辞めようかと思った時がありました。

十段に合格した直後でした。完全に初見パワーでクッキーを抜けリユニを抜け、地力不足のまま十段になってしまった僕はその先の壁の高さに怯んでいました。この先☆12の領域に入ると本当に皆伝と向き合うことになってしまう。と。十段まで取ればまあそこそこ弐寺やってたって言い張れるよねとか、辞める理由を探してたこともあります。

それでも毎日ゲーセンには通っていましたが、☆12どころか☆11に未クリアがたくさんあるような人間が十段を掲げている事実すら精神的に苦痛だったことを覚えています。

そんな時にシャッフル再生のウォークマンから流れてきたのがSINOBUZの名曲、冬椿でした。

ああ、いい曲だな と。

そういえば、俺は音ゲーが好きでこのゲームやってるんだったな と。

涙が出そうになりました。

未クリア埋めも中伝を目指すのもどうでもいい。今日は、冬椿をやりにいこう。

そう思ってゲーセンに向かいました。

僕は弐寺を辞めずに済みました。


それから約2年半、当時あまりの高さに挑戦すら躊躇った、皆伝という称号を手にすることができました。

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冥のウイニングランに入った後は、「意外とあっさりいけたな」「ああ、皆伝合格なんだ」と、どこか他人事のような気持ちでした。アウトロが流れ始めた時、自然と涙が出てきました。やっとここまでこれた。綺麗なピアノでした。

なんとかリザルトをとって待ち椅子に座るともう泣くのを我慢できなくて、ここで泣いたら晒されると思って必死に我慢しながら車に戻りました。涙ぐむとかではありません。二十歳をとっくに過ぎた大の大人がゲームで嗚咽を漏らして泣きました。

人生でここまで長期間、同じ目標に向かったことは初めてでした。たかがゲームです。しかも皆伝といってもそう珍しいものではなく都会のゲーセンに行けば筐体で首を傾げてガチャガチャやっているのは大概皆伝です。それでもこの経験は金色の称号以上に達成感を与えてくれました。

4年間、やっててよかったです。

ここまでクソ長い文章を読んでいただいた方の中で今まさにこのゲームを頑張っている人がいたら、参考なり嘲笑なりドン引きなり、何かしらの刺激になればと思います。

最後になりましたが、専属トレーナーの如く数多くの助言をくださったフォロワー様、個人DMの内容を勝手に引用してすいません。本当にありがとうございました。





次は全白を目指します。








追記

2020/8/23 正規皆伝合格

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ミラーが逃げだとかは全く思ってないけどなんとなくスッキリしました。




















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