歓喜のジロ・デ・イタリア2020振り返りと、実は予想していたブエルタ・ア・エスパーニャ2020
2ヶ月もnoteを放置してしまった。これはいかんと、意を決しての更新である。仕事が忙しかったなんて、言い訳にならないのだ。
(1)テイオ・ゲイガンハート、ジロ・デ・イタリア総合優勝!
今年一番の衝撃。友人のテイオ・ゲイガンハート(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)が、初のワールドツアー勝利とグランツール総合優勝を決めた。
応援している選手が勝つのは嬉しい。だが、友人が勝つことがこんなに嬉しいなんて、知らなかった。
2回目のステージ勝利を飾ったStage20は感極まって号泣した。スポーツ観戦で泣くなんて、人生初の経験である。
総合優勝を決める最終日Stage21も号泣する準備をしていたが、メッセージのやり取りをしながら観戦していたイギータグチの「ヒンドレーの後ろのバイクの隊列が西部警察みたいですね」という言葉により涙が引っ込んだ。
最終走者なのでバイクの数が他の選手と比べて桁違いに多く、確かに西部警察みがある。※GCNさんスクショすみません。
テイオとはジロ前も最中もちょくちょくメッセージのやり取りをしており、レースが進むごとに好調さと強さを見せる彼の姿が嬉しかった。
遠い友人に過ぎない自分を含め、彼は関わりのある人を大切にするスーパーナイスガイなのだ。パンデミックの影響で現地に応援に行けなかったのが残念だったが、その分ファンページの更新に熱を込めた。
本人公認日本語ファンページ。日本語ページのはずが、海外からのフォローが多く、あやしい英語による二か国語対応ページとなっている。
序盤に総合優勝候補筆頭のゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)とサイモン・イェーツ(イギリス/ミッチェルトン・スコット)が相次いで退場するという残念な波乱もあったが、終わってみれば若い力が躍動した清々しいジロだったと思う。
予想とか、もういいじゃないですか。実はテイオ以外はほとんど外しているのだが、テイオが勝ったからには我々も優勝である。多分。
サイモンが帰ってしまった時はちょっと落ち込んだが、レーパンのまま救急車で搬送される途中、格好良い感じに脚を組んだ写真をチームメイトに送っているのを見て少し和んだ(動画0:47あたり)
サイモンのこういうところ、好きです。
マリアローザを15日間着用したホアン・アルメイダ(ポルトガル/ドゥクーニンク・クイックステップ)の躍進については、スペシャライズド・ジャパン様のブログで書かせていただきました。読んでね。
テイオのジロ優勝の喜びについては4ヶ月ぶりのポッドキャストで存分に語らせていただきました。テイオと我々の馴れ初めやテイオのナイスなキャラを沢山紹介しています。聴いてね。
(2)ブエルタ・ア・エスパーニャ大予想と振り返り
ジロと日程が重なっている上に時間が遅いこともあって全ステージは観られなかったグランツール最終戦、ブエルタ・ア・エスパーニャ。
一応、いつもの3人で予想はしていた。まさかの閉幕後の披露となってしまったが、せっかくなので紹介したい。
特別賞ジャージの構成はツールとジロと同じなので割愛する。予想と前後するが、結果はこちら。
①総合賞 マイヨロホ
プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボヴィズマ)
②ポイント賞 マイヨプントス
プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボヴィズマ)
③山岳賞 マイヨモンターニャ
ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)
④ヤングライダー賞 マイヨブランコ
エンリク・マス(スペイン/モビスター)
ツール最終日に逆転され2位だったログリッチが2年連続でブエルタを制覇。総合争いは連日熱い戦いが繰り広げられ、めちゃくちゃ面白かった。総合2位はリチャル・カラパス(エクアドル/イネオス・グレナディアーズ)、総合3位はヒュー・カーシー(イギリス/EFプロサイクリング)。
① ハイケイデンスの良心、某K氏の予想
コンセプトは「アヤさんが堅い予想でチョイスしそうなログリッチ、イギータグチのマルティネスを除外」だそう。更に「ドゥクーニンクとミッチェルトンはデジタルストーカーに干されるので除外、残った人から選びました」とのこと。どういうことやねん。
①総合賞 マイヨロホ
リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス・グレナディアーズ)→✖
②ポイント賞 マイヨプントス
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン/モビスター)→✖
③山岳賞 マイヨモンターニャ
アンヘル・マドラソ(スペイン/ブルゴスBH)→✖
④ヤングライダー賞 マイヨブランコ
アレクサンドル・ウラソフ(ロシア/アスタナ)→✖
結果は全外し。総合賞予想のカラパスが2位、ヤングライダー賞予想のウラソフは3位でした。
今年は元気がなかった眼鏡男子マドラソ。ちょっと残念。
② 今回は堅かった!アヤフィリップの予想
ドゥクーニンクは若手中心、テイオもイェーツの2人も出ないとあって、すごく落ち着いて予想できた。そして当ててしまった。
好きな選手を無理にねじ込まなければいいのか。学びのあったブエルタである。
①総合賞 マイヨロホ
プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボヴィズマ)→〇
②ポイント賞 マイヨプントス
プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボヴィズマ)→〇
③山岳賞 マイヨモンターニャ
シモン・ゲシュケ(ドイツ/CCCチーム)→✖
④ヤングライダー賞 マイヨブランコ
エンリク・マス(スペイン/モビスター)→〇
山岳賞以外は全て的中。まあログリッチは堅いよね。K氏に「キンタナファンクラブを見習って、スタートリストにいなくてもイェーツを選ぶんじゃないんですか!?」とか言われたが、無視して普通に予想をしてよかったです。
なおゲシュケは"due to fatigue(過労のため)"DNF。他にも何人が同様の理由でDNFした選手がいて、今シーズンの過酷さを改めて思い知った。レース再開後から最終戦ブエルタまで、安定して元気で強かったログリッチは本当に凄い。
2020年はバロンドールの自転車版「ヴェロドール」を受賞したログリッチ。
文句なしに今年一番強かった選手だと思う。
余談だがレミ・カヴァニャ(フランス/ドゥクーニンク・クイックステップ)のスーパー敢闘賞受賞は嬉しいサプライズ。ツールに続き代走で出場※したブエルタだったが、連日熱い走りでレースを盛り上げてくれた。
※ツールは膝を痛めたスティバルの代わりに2日前に召集、ブエルタは胃腸炎からの回復が遅れたアーチボルドの代わりに出場。
ただのミーハーだが、カヴァニャは大好きな選手。逃げの名手でTTスペシャリストって格好良すぎでしょう。今年はフランス個人TTタイトルも獲って文句なしの大活躍でした。
2019リエージュで狙いを定めて撮ってもらったツーショットは宝物です。
Photo by Keisuke Kitaguchi
③ 大エース・イギータグチの大予想
ツールもジロも微妙に当ててしまったイギータグチ。結論から言うと、ブエルタも微妙だった。コンセプトは「全員ラテンの血」だそうです。
①総合賞 マイヨロホ
リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス・グレナディアーズ)→✖
②ポイント賞 マイヨプントス
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン/モビスター)→✖
③山岳賞 マイヨモンターニャ
ルイス・レオン・サンチェス(スペイン/モビスター)→✖
④ヤングライダー賞 マイヨブランコ
エンリク・マス(スペイン/モビスター)→〇
マスに関しては「光るソーラーパワー」という謎のメモが添えられていた。何だそれは。
モビスター移籍後、色々と(主に頭髪)健やかになっている気がしてよろしいマスくん。この写真は彼女が本気で嫌そうなのがちょっとウケる。
④ まとめ
ブエルタこそ短縮となったが、今年全てのグランツールが開催され、表彰式まで完遂できたことは奇跡に等しい。残念ながら完走が叶わなかった選手・チームがあったことは事実だが、関係者は最善を尽くしたと思う。
来年は、レースの中身以外で悲しい思いをする選手がいないことを願っている。
そして自分達の予想は笑いか精度か、どっちかに振った方がいい気がしました。ほんま、どっちつかずやでー!
ブエルタの公式テーマソングは毎年変わる上にボーカル曲。今年の曲もいい感じだったので、最後に貼っておきます。