新しい世界の光

嫌いなことや人を好きになるのは簡単だけれど、
好きなことや人を嫌いになるのは、
心が千切れるほど切ない。

この新しい世界で、
こういう千切れるほど切ない事象が多くなって、
気持ち平穏でいるのもなかなか体力がいるなぁと感じる。

世界はきっとずっと昔から、
千切れるほどの切なさでできていた。
その切なさが、今、
ものすごくハッキリと輪郭を持った。

光が強すぎると影が強くできる。
輪郭は影が強いほどよく見える。

どれだけ立派な服を着ても、
どれだけ立派な事を言っても、
その肩書きも。
輪郭に差は出にくい。
自分の服や髪型、言葉に気を付ける人は多いけど、
輪郭をしっかりと観察している人は少ない。

切なさを右手に持って、
諍えないものと一緒に悶々と静かに暮らしている。
せめてトレーシングペーパーくらい使わせてくれよと思う。

夜が明けた新しい世界の光は、
いつも強すぎる。