【はじめに】


 皆さんご存知の通り、日本は世界で最もタコを食べる国です。一昔前は、世界の消費の約6割を日本が占めていたそうです。ただ近年、海外で寿司をはじめとする日本食レストランが増え、タコを食べる外国人も増えました。そのため日本の消費割合が減ったのですがそれでも2018年の統計によると、まだ約3割を日本が消費しているそうです。日本の人口が約1億2千5百万人、世界の人口は約76億7千8百万人なので、世界の中で約1.63%の人口の国が世界の約30%の量を食べているわけですからその多さに驚きます。もちろんタコの水揚げのない国やタコを食べる習慣のない国も多いため、大手新聞社やテレビなどのメディアが得意な数字のマジックであるとも言えますがそれにしてもすごい数字です。
また歴史的に見ても、なんと2000年程前の弥生時代の遺跡からタコ壷と思われるものが見つかっているそうです。いかに日本人の食文化にタコが係わってきたかがわかります。

 それほど日本にとってはメジャーな食材であるにも係わらず、タコの生態についてはあまり知られていません。例えばタコの寿命、実ははっきり判っていません。1年と言う研究者もいれば、2~3年は生きるという研究者もいます。心臓が3つある、脳は9つあるなんてことも言われています。このように知られていない生態が多くある不思議な生き物です。また料理にしてもタコの『味』については実感したことがない人が多く、

「タコが好き。」

と言う人の中にも

「タコってどんな味? 」

と聞かれて答えられない人がたくさんいます。なんとも変な感じがしませんか? 

 ここでは学術的(?)と言うよりは、一料理人(私自身)が国産の生タコを20年以上扱ってきたという『生きた経験』からタコについてアレコレ思いつくままに書かせていただきました。事実と違っていることも多々あるでしょう。また、少々変な展開や意味不明なこともあると思います。まぁそこは研究者でもなく物書きとしても素人なのでお許しください。

こんな感じですが最後まで読んでいただければ幸いです。


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