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読ログ#6『ねむり』わけわからんかった本

なぜ村上春樹はこの本を書こうと思ったのか
なんでこんな終わらせ方にしたのか
結局、なにを伝えたかったのか

全くわからない。


村上春樹の『ねむり』

だいたいの本を読んだ後に感じる充足感や
達成感、納得感を5段階評価で表すとすると、
この本は1。

書いてることは理解できるんだけれど、意味わからん。
結局村上は何を伝えたかったのか、
主人公はどうなってしまうのか、
全然わからず気持ち悪い。


村上春樹といえば、ノルウェーの森を思い浮かべる人が多いと思う。
私も小学生かな、中学生かな、そんくらいの時に読んだ。
特に記憶に残ってない。もう1回読みたいとも思わない。

なんか重苦しくて長かった、というぼんやりとした印象だけがある。

それに対してこの本『ねむり』は、ちょっと長めの短編小説だ。
90ページ弱くらいしかないので、30分かからないで一気に読みきった。
スラスラ読めるのは、淡々と書かれている文章のおかげだと思う。


歯科医の夫と幼稚園くらいの息子をもつ主婦が、眠れなくなる、という話。

平凡で単調的な毎日。
真面目だけどつまらない夫。
夫によく似た息子。

「私」はひょんなことをきっかけに眠れなくなったが、
睡眠の時間が浮き、どんどん活動的になっていく。
家族は、「私」が眠っていないことを知らない。

眠れないまま、2週間が過ぎても「私」は覚醒したままだった。
眠たくなるどころか、どんどん意識は覚醒し、エネルギッシュになり、
なぜか容姿もどんどん若返っていく。

「私」と対比するように描かれているのが、夫と息子だ。
彼らは何があっても一度眠ってしまったら起きない程、眠りが深い。

私はある夜、眠っている夫の顔をしばらくじっと眺めたことがあった。
布団のわきから奇妙な角度で裸足の足が突き出されていた。
まるで誰か他人の足みたいな角度で。口が半開きになり、下唇がだらんと下に垂れて、時折思い出したように鼻のわきがぴくっと動いた。目の下のほくをがいやに大きく、下品に見えた。目の閉じ方もどことなく品性がなかった。まぶたがたるんで、色あせた肉の覆いのように見えた。
まるで阿呆みたいに眠っている、と私は思った。まるで阿呆みたいに眠っている。なんて醜い顔をしてこの人は眠るんだろう。

眠らないことで若返り、エネルギッシュになっている「私」に対して、
阿呆みたいにぐーすか眠って、醜くなっていく夫。
夫に似た息子の憎たらしい寝顔。


私はこのシーンの「私」の気持ちが、よくわかる。
眠れない自分の横でスヤスヤと寝ている人間の寝顔が、やけに憎たらしいと感じてしまう、そんな感情をもったことがある。


この本はなかなかに薄気味悪い。
ホラーなんかじゃない。暴力シーンがあるわけでも、幽霊が出てくるわけでもない。

にも関わらず、どこか主人公に対してほんのちょっとの共感と気持ち悪さを感じる。


余りにもこの本が何を伝えたかったのかわからなかったので、ググって誰かの感想を読んでみた。

最後「私」が乗っている車を誰かが左右に揺らして倒そうとする、というシーンで終わるのだが、それは「私」が”眠れないという覚醒状態”から”現実”に戻ってくることを示していると書いていた。

なるほど、そういうことなんか
しっくりくるような来ないような


もうちょっと時間をおいて、また読んでみます。

もし読んだことある人がいたら、ぜひどう考えたか教えてください。



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