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読ログ#2『食堂かたつむり』イメージは柔らかな、やまぶき色


これも私の大好きな一冊。
小川糸さんの『食堂かたつむり』

中学生の時に、読書感想文を書く時に選んだ本だった。
ちなみに、私は読書感想文を書く時に必ずカギカッコ「」のセリフから書き始める。
これが私のマイルールだった。

今思うと、読書感想文って面白い課題だよなと思う。
本をただ読むんじゃなくて、しっかり感想を書かせる。

ただ読むだけだと、やっぱり心に残りにくい。いくらいい本だったなぁとその時は思えても、何が良かったのか、逆に何がつまらなかったのか。それが思い出せなくなる。

感想を持つ、ということは大事なことだと思う。


それはさておき、前回の『西の魔女が死んだ』と『食堂かたつむり』には共通点が多いような気がする。

食堂かたつむりの簡単なあらすじは、彼氏に逃げられ無一文になった倫子が、嫌いなお母さんのいる地元に戻って自分で一から食堂を始めるという話。
素朴だけど、とても心があたたかくなる本。


この本の舞台も、田舎だ。倫子は、自然に囲まれて、地元の人に助けてもらいながら、地元の食材を使ってこだわりの食堂を開く。
何より、この本は料理のシーンが多い。
ひとつひとつの食材をお客さんに合わせて大事に料理していくシーンが私は大好きだ。

お友達の熊さん(動物の熊じゃないよ)に作ったザクロカレー
野菜たっぷりのジュテームスープ
ウサギを元気にして欲しいと食堂にやってきた女の子に作ったホットチョコレート
豚のエルメスの食事、パン
シンプルなお茶漬け
おかんの披露宴のコース料理

何度読んでも飽きない。

そして倫子も、自分の感覚をフルに活かしながら、食堂で料理を振る舞い続ける。


私は倫子の生き方がとても素敵だと思う。

自分だからこそ作れる料理、
自分ならではの拘りに拘った食堂、そしておもてなし
決して派手ではないけれど、自然に感謝して、その恵みを存分に、たっぷりと受ける暮らし。
自分が心から好きで楽しいと思える料理を通して、多くの人に貢献する姿
温かい周りの人たち

形は違えど、私も倫子のような生き方をしてみたい。


自然がもつ癒しの力は、途方もないくらいに偉大だ。

息がうまく出来なくなる時、ひとりぼっちになりたい時、
どうしようもなく寂しい時、悲しい時、
私は必ず自然のある場所へと向かう。

海、山、川、畑、風、太陽、美味しい空気、生き物たち

今まで何度癒してもらったか分からない。

そんな自然の力がぎゅっと詰まった一冊だと思う。


都会に住んでいて、
ふと自然が恋しくなる時
心が荒んで、素朴なあたたかさが欲しい時

手に取ってみて欲しい本です。

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