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ミシェル・オバマと黒人女性

ミシェルとの出会いは、卒論のために読んだ彼女の自叙伝「マイ・ストーリー」だった。

最初は卒論のためと渋々読んでいたが、だんだんと夢中になって読みはじめ、分厚い本にも関わらず一気読みしてしまった。

普段、日本人として日本で暮らしていて、アメリカに住む黒人女性の人生を体験することは不可能だ。しかし、この本を読んでいると、まるでひとりの黒人女性の人生を疑似体験できるような気分だった。

彼女の人生はまさにサクセスストーリーだ。幼少期は黒人街のサウス・サイド地区で育ったにも関わらず、強い意志と賢い頭脳をもってプリンストン大学、ハーバード大学院を卒業して弁護士になり、その事務所にインターンとして入ってきたバラクと恋に落ち、フェーストレディとなった。

いま、私は卒論でアメリカ社会における黒人女性の立場について調べているのだが、現代になっても、彼女たちの立場はとても弱い。例えば、まだ記憶に新しい黒人男性が警官に絞殺された事件の少し前に、黒人女性も警官に射殺されていたのだ。彼女の名前はBreonna Taylor。なぜ彼女のための運動は起こらなくて、"Black Lives Matter"は起きたのか。黒人女性の命の方が黒人男性よりも軽視されているのではないか。そこから起きた運動が"#sayhername"というものなのだが、存在すら認知すらされていない彼女の名前を言おう、という思いが込められている。

少し話が逸れたが、アメリカ社会で生きる黒人女性は生まれた瞬間から自分の立場と向き合わなければならない。そんな彼女たちにとって、ミシェルは希望の光であり、素晴らしいロールモデルなのだ。

ミシェルの人生を描いたこのマイストーリーという本はアメリカで大熱狂を巻き起こし、彼女はアメリカ全国をまわるブックツアーを行った。Netflixにその様子が公開されているのだが、彼女のツアーに参加しているのはやはり黒人女性が多く、キラキラした眼差しでミシェルを見つめている。

ファーストレディーという、一度全アメリカ国民から認められた女性。黒人女性であるにも関わらず、多くの人々の前にたち堂々と振る舞うミシェル。彼女が与える影響とパワーは計り知れない。

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