海外と私⑤【アルパカ洋品店をはじめるまでの話】

「そのまんまの自分でいいんだ」「自然体の姿って美しい」
とインドで気がついて日本に戻ってきたものの、

しばらくすると、どうしても他者の視線や意見、固定観念を気にしている自分がいた。そして同時に、私だけでなく、回りの人達も往々にしてそうだということを強烈に感じるようになった。


そんな時にゼミの教授から、「ペルーで作られたアルパカのマフラーを販売してくれませんか?」という話があった。

ペルーの首都リマの貧困地域で、日本人の鏑木玲子さんという方が女性達に手芸を教えていて、それを学祭で販売し、売上げを送金してくれないかという話だった。

できることならと有志で始まった活動。

ペルーから届いたハンドメイドのものの中に、手編みのマフラーがあった。

触ると柔らかくて、触れているだけでじんわり暖かくなるマフラー。

それがアルパカの毛糸を使った手編みのマフラーだった。


母親がニットの洋服が好きだったのもあり、世代の割にはニットの洋服や小物が好きで持っていたし、よく着ていた私は、

とにかく気持ちよくて、どこか温かみのある手編のマフラーがとても気に入ってしまった。


そして初めてペルーを訪れたのは、大学4年生の卒業旅行だった。


年に一度日本に帰国する鏑木玲子さんとはその前にも面識があったが、
本当の彼女の姿を知ることになったは、この時だった。


私の人生を変えた人。



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