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魔法を信じていた

出産後、私がたくさん居なくなってしまって、

ずっと探していた。

出産した病院に置いてきたか?

三茶に置いてきたか??

呼んでも手ごたえはいまいち。


幽霊になった感覚で、

前のめりの小走りで仕事と保育園と自宅を行ったり来たりしてきた3年間だった。

息つく間もなく…。

怒りがたっぷりたまったゾンビ母ちゃんになりながら、やるしかないので駆け抜けた。

時間が解決してくれることもある!

みっともなくても、なんとかここを越えよう。と踏ん張り続けたゾンビ。


そうこうしてるうちに、

ゾンビ気づいた。

「そういえばあの子がいない」



産後、まったくもって自分が可愛いとか美しいとか思えなくなって、

服を着て「いいな」とも思わなくなり、
いいとは感じないのに変だなという感覚だけはあったので、

手持ちの服を着てみても違和感、
なんだこりゃ?

なので相当な数を捨てて、

ユニクロやら無印の、なるべくそっけない服を買って着るしかなかった。

変だな~

変だな~

「これが自分だという感覚って、いったいどこに行った?」



「あの子がいない」

「魔法を信じていた、あの子がいない。」


これが大人になるということなのか?

どうやらあの子は死んだのだ。


わたしは一体どうやって生き始めればよいのだろう。

探している。

とても不安定で、何かの擬態をしたくなる。


しかし

死んだ、
たくさんの私を失った。

それならば
前よりもっと心地いい自分を洗い出そうではないか。

必ずある。

急がないように、焦らないように、
心待ちにしている。













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