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じいじきたる。

じいじに会いたくて、
娘はここのところ2度ほど帰りに泣いた。

なぜかお迎えに
じいじが来てくれることを願っていたようで、

私が顔を出すと

「じいじじゃない〜」

と泣くのだ。



じいじとは離れて住んでいるため、

盆暮れ正月、それ以外には数回しか会ったことがない。


それなのに、娘はじいじが大好きになった。



先月の連休のこと、

じいじは娘に会うためはるばる東京へやって来た。


保育園のお迎えに行ってくれ、

そのあとはひたすら娘と遊んでくれた。


何かしながら(料理とか、洗濯とか…)片手間な感じで娘と遊んでしまう私と違って、

じいじはただただ、遊びにつきあってあげていた。


のびのびーんとした娘の時間を壊さずに、

一緒にのびのびーんと時間を使って遊んでいた。


娘はよほど嬉しかったようで、

「たのしいー!!!!!」

と何度も言っていた。


そっか、

楽しい時ってたのしいって、言うんだ。

娘はいま楽しいんだ、

楽しいから楽しいって言ってるんだ。


それは私にとって涙が出るほど嬉しいことだった。



こんなに安心しきったこどもの顔の娘を、

あんまり見たことがなかったから。



なんにも心配しないで、

こどもはただ、

楽しいことをして、

嬉しい、楽しい、

そうやって平和そのものであって欲しい。


あなたはこどもなんだから、

どうかそうやって幸せでいて。


ママが不安な顔していようが

心配なんかしないで。


ママは大丈夫だから。


あなたが大丈夫なら、

大丈夫だから。


「ママに笑って欲しい」

的なことをあなたは言うだろうね。


そうなんだろう。



そうなんだね。



じいじはたっぷり遊んで帰っていった。


娘はじいじがまた帰ってくると言ってきかなかった。


また今度ね、あそぼうね。

幸せな、別れのあいさつをした。

娘はその「今度」を待っている。


しあわせな二人である。







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