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自分の「ありたい」は自分のもの②

前回のつづき。

英語を話すことでジブンを深く掘り下げていくはずが、「I」が消失する、という怪現象が起きてしまう。ここには一体、何が起こっているというのか?解決編である。

質問されるたびに、「I」が消えていく

Why?に応える言葉を探しながら、その理由を、その時起こったことでしか語れない。
なぜ絵を描くのが好きなの?
兄姉が描いていたから。自分も描いてみたら、すごく楽しくてハマった。
なぜ難しい本や辞書を読むのが好きなの?
図書館でも家でも、分かりやすくて絵もたくさんある本は人気で、すぐ取られてしまうから。競争率の低いのから読んでみたら、面白くてハマったんだ。
なぜパンダのニュースに興味を惹かれたの?どうしてパンダが好きなの?
息子が好きだったから、それを応援するうちに自分も好きになったんだよね。

私はどこを切っても基本的にまず流されて、そこで楽しさや面白みを見つけて深めていく体質らしい。周りがやっていたら素直に自分も従うし、何かに自分の意見を主張して獲得することを徹底的に避けている。
そう、最初から「I」を使おうとも思っていない…!
自分の意思を貫き通した経験がない=流されることに意思を使ったということ。そりゃ『起きた事』しか語れず、そこには「I」が消える。

(メガネが私。「I」を見失って途方に暮れておる)


私は私自身のことを、本当はこう思っている

私は自分の意思で、「I」を消していた。それでも一応、会話は成り立ってしまう。そこで私専用に、こんな質問が投げかけられた(普段は同じお題で各々答える)。さすが、『ジブンのあり方English』である…

What do you think of yourself?
あなたは自分自身のことを、どう思っていますか…ですと?
なぜだか動悸がして、とっさに出てきた言葉が「not logical」だった。私は本来、感覚的な人間です、って言いたかったのに、『感覚的な』がどうしても出てこなくて…(涙)ブルース・リーのあの名言で説明すれば良かったか。
I love the phrase 'don't think, feel.’

お気づきだろうか。自分のことを言い表すのに、本来って言葉が付いていることに。私はやっぱり、「I」を隠滅していたのだ。
私は、自分のことを。
絵に描いてみたら、ウソ偽りなく表せるのさ。

I think of myself a lion that acts as if she is a sheep.
pretend、という単語も使えるかも。
(おー、髭男の大好きなあの曲は、そういう意味だったのか!)
I think of myself a lion pretends to be a sheep.

私は自分のことを、ライオンだと思っている。雄々しくて、情熱的なエネルギーのカタマリ、としてのライオン。
ではなぜこのライオンは羊のように振る舞っているのかというと、多分、本性を見せると誰かを傷つけてしまうと思っているから。誰かを傷つけた経験が、後悔として残っていて、もう二度と同じことを繰り返さないという固い決意になっているみたい。

だけど、この後悔をもう一回、勇気をもって掘り下げてみる。
すると、自分が無知で未熟だったゆえに傷つけてしまった(=誠実じゃなかった)経験と、優しさへの期待に応えられなかっただけの経験とが、混在しているのが見える。

私の面立ちは、とても優しく作られている。
この面立ちが相手に、バシッと意見を述べることより、にこにこ笑って受容することを期待させるらしい。私は「優しい人だと思ったのに、そんなこと言うなんて」と咎められることが多くて、その度に申し訳なかった、と謝って、そんな自分を嫌いになった。今思えばそんな勝手な期待、知ったこっちゃないのだが、自分を好きになりたくて、私は羊になった。切ない。
『アナと雪の女王』のエルサだって、自分を隠し続けるのには限界があると知って、ありのままでと歌っているのにね。


英語が話せなくなるとき

英語を習得していく際、人は2つの壁に直面するという。
1つは単語や文法の知識が乏しいがゆえに話せない壁、もう1つは「自分の意見を持ってない」から話せない壁。
でも私は、さらにもう1つの壁があることに気づいてしまった。
自分の意見を隠している、あるいは偽っている(=別のものに置き換えている)と、話せない壁。

細かく言えば、「テンポよく会話を続けようとして、当たり障りのないことしか喋れない壁」もあるんだけど。

やはり自分にも、会話相手にも、大切なのは『何を話したいのか』
本当に話したい言葉を選ぶ、そこに時間をかける勇気を持ちたい。
この英会話レッスンが素敵なのは、終わった後、分からなかった英単語より『自分は本当は、何を話したかったんだっけ』を考えられるところ。頭の中はもう、カッカとしているけどね。

自分の気持ちを表す言葉。私は今、Netflixでも、自分が「おぉ」と共感した台詞を英語字幕にして確認して、自分の気持ちや考えを表す言葉をストックしている。楽しい。


一人の中に、色々あっていいから

英語は自分に素直になれる言語だから、私は話しながら『まるでカウンセリングみたい』とも感じる。それは、私が他者との関わりで羊を被ったからなんだけど…だけど、それを認識できた今、私には希望が見えている。
ジブンのあり方Englishは、自分を何回だって語っていい場だし、何回も語るうちに、私は本当に話したい単語を選べるようになると信じている。

たけうちさんは言う。

「私が知っている私」と「あなたが知っている私」は違いますよね。どちらが正解も間違いもないですが、「どうありたい」はありますよね。
あり方Englishも、自分の本質みたいなモノを探すというよりは、複雑な自分をそのまま知覚して、でも「ありたい自分」に沿って「選ぶ」「決める」が大事だと思っています。

いい言葉や。心のノートにメモっとこう。
『どうありたい』は、社会の中で、他者との関わりの中で、つい見失いがちだからね。

ちなみにこの、複雑な自分をそのまま知覚する、というハッとするフレーズは、佐宗邦武『直感と論理をつなぐ思考法』の中の「世界を複雑なまま知覚せよ」からです。これまたたけうちさんからオススメいただいた本で、実に素晴らしかった。

何事だって、始まりは自分がどうありたいか。
どうありたいかの舵は私のもの、決して手を離さないようにしたい。
I want to act like a lion with full of love, passion, and brave.


おまけ

3歳の次男は保育園で英語を習っているのだが、私よりもはるかに英会話の本質ってやつを理解している。
『喋りたいことを、喋る!』

ありがとうございます!自分も楽しく、見る人も楽しませる、よい絵を描く糧にさせていただきます!