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旅立った患者さんからの手紙


がんの切除術して
化学療法してがんばってきたけど
もうこれ以上の西洋医学の治療はしたくないと
うちの病院を訪ねてきた患者さん。 
 
代替療法してて
毎日外出しては
銭湯にいってきたり
美味しいご飯食べてきたり。
 
まだ若いからって
主治医が
西洋医学の治療をすすめても
本人の意思で
副作用の続く治療は望まなかった
 
1ヶ月ほど病院で
過ごし退院。
その後、
自宅で過ごして亡くなったと
奥様からの手紙。
 
手紙の中に
治療をしないと決めた主人のことを
見守って受け入れてくれた
先生と病院の皆様に感謝って書いてあった。
 
 
わたしの今いる病院は
先進医療なんてできないし
看護レベルも
決して高くないけど

この手紙にあったように
本人たちを見守ったり
本人たちの意思を
できるだけ尊重しようとする
病院だなあと思う。
 
患者さんを
受け入れる入れないは
わたしが決めることではないけど
 
それぞれの患者さんは
自分自身ののぞむ姿があり
ニーズを持っているのだ。
 
本人たちの意思を
できるだけ尊重しようとする
というのは
 
わたしの理想の看護である。
そんなことができる場所が、今いる場所だ。

でも
やりたいと思いつつ
わたし個人としての葛藤は
とてつもない。
 
どこまでも
本人の希望に
より添えればいいけど

自分にそこまでの
キャパシティがないことも
体力や気持ちが
全然追いつかず疲れてしまうことも
身に染みて経験している

自分が特別ダメなわけじゃなく
ただ本当に
苦しいし難しいことなのだと思う

(お仕事って楽しいことがいいっていうけど
 そうゆう意味でこの仕事って
 わたしにとって幸せなのかなって思う)


でもね、
治療をしたくないけど
病院においてほしいと
思う患者さんの気持ち
少し想像できる。
 
だって1人じゃ怖いもの。

治療をしないと決めたとしても
生きることをあきらめる必要はなく
 
1人で頑張らなくてもいい
医療者の専門知識があって
自分の不調をいつでも相談できて

何かしらの方法を探したり
日々安心して過ごすことができる

そんな場所があったって
いいじゃない。
 
わたしはそう思う。

だからそんな人たちの
支えでありたいなあと思う。
(綺麗ごとカナ〜)
 

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