“例の一件”について思うこと


お久しぶりです、Ayaka Ottyです。


4月に入って以降、引っ越しや異動などでばたばたとしており、”例の一件”以降SNSから姿を消していました。


SNSの世界に出てきたくなかったとかではなく、単に多忙すぎてスマホさえも開く時間もなかったです。


いままでは、1日に何時間も開いていたSNSも、今では10分以内。相当な時間をSNSで溶かしていたんだと改めて感じました。


特に、多いと12時間以上使用していたTwitterを開かなくなったことによって、精神衛生がとても良くなった気がします。軽いデジタルデトックスですね。


さて、今日は仕事も休みで少しだけ余裕があるので、
“例の一件”を振り返ってみたいと思います。


皆さんのお時間にゆとりがあるタイミングで、
よかったらお付き合いください。


Chapter x : Downward Spiral


1.あの試合で何が起こったのか
2.個人的な見解
ⅰ.カディスCF公式アカウントについて
ⅱ.自身のツイートについて
ⅲ.今回の一件について
3.それらを踏まえて思うこと


1.あの試合で何が起こったのか
4月5日の1:30よりキックオフだったLaLiga Santander 第29節 カディスCF vs バレンシアCFの一戦、事は前半30分頃に起こった。


私はちょうどオンタイムで試合を見ていたので、途中で試合が止まっただけでなく、なにやら言い争いが起こっていることに気がついた上、何か嫌な予感もしていたからこれ以上言及するのはやめようと思い、その後はTwitterを動かさなかった。


カディスCFのDFファン・カラ選手(以降カラ選手と表記)と、バレンシアCFのムクタル・ディアカビ選手(以降ディアカビ選手と表記)が何やら衝突?口論?をしている様子が伺えた。


後に、ディアカビ選手が、カラ選手から人種差別的発言を浴びせられたと訴え、チームメイトと共にロッカールームへ引き上げた。試合は中断した。


私は、このまま試合が終わるものだと思っていた。


理由は、試合途中で選手がピッチに長時間引き上げる程の大事が起こったにも関わらず、ゲームを引き続き行うなんて考えられないと思ったからだ。
口論になった際、ディアカビ選手はかなり激怒していたように見えた。
そしてピッチをさる際はどこか悲しげな表情も伺えた。
バレンシアの選手達は、彼を宥めるように側でサポートしていた。


一方でカラ選手は手で口を押さえ立ち尽くしていた。
カディスのセルベラ監督も同じようなポーズをしているのがカメラに映っていた。


そして、ピッチに誰もいないカランサスタジアムと止まったスコアボードがひたすら映っていた。


あぁこれはやっちまったな、と思っていた。


自分が応援しているチームがこんなことを引き起こしてしまうなんてと思い、ただたたショックで仕方なかった。ショックを超えてもはや怒りのような気持ちになってきた。


しかし20分後、事は一変する。


なんと両チームの選手がピッチへと戻ってくる。


まさかの、試合再開だ。


しかしそこに、ディアカビ選手の姿はなかった。


後に各国のネットニュースにも取り上げられていたが、審判がバレンシア側に「勝ち点3が剥奪される」可能性を示唆したことにより再開が決まったそうだ。



そのことに関しても落胆した。
LaLigaにおいて、人種差別的発言を理由に試合が中断してしまうのは、今までにないケースだそう。
にも関わらず、心が傷ついた選手のいるチームに対して

「勝ち点3が奪われるから試合に戻ったらどうか」

と言えるメンタルを持っている審判団が恐ろしい。


結局、試合は2-1でカディスの勝利、しかし再び問題が起こる。


カディスCF公式(スペイン語)と日本公式アカウント、それぞれで勝利を喜ぶ(状況的にちょっと不適切な表現なのではと思われる)ツイートを投稿。


TLを見た限り、当たり前だがそれに反感を抱くサッカーファンは少なくなかった。勿論自分も含めて。


その影響でアンバサダーで唯一自分のアカウントを持っている私にDMが来る。


『お前がチームを代表して消えてくれ』
『お前がクソみたいな公式アカウント運用してんだろ』

まず、私は公式アカウント運用には一切携わっていない。試合後のツイートも私の意向で投稿されたものではない。加えて、今回の件に関して私がチームを代表して消える理由があるのだろうか。


そういう理不尽な世界で私はこれからも耐え抜かなければならないのだろうか。


そう思ってしまった。



その一件が起こって以降『カディスCFのアンバサダー』だからという理由でフォロワーが減っていった。悪口や人格否定のDMが殺到した。果たしてこれは私が悪いのだろうか?と思った。


正直冷静になれなかった。


どうしたら良いかもわからなかった。


けれどカディスジャパンのスタッフからどういった対応をしたら良いかの連絡は一切なかった。(その翌日の夜にミーティングで報告を受けた)


だから私は日付の変わった晩、自分の想いをツイートをした。


それに対し、賛否両論あった。
今思えばあの時は、冷静になれていない私のありのままの気持ちを投稿してしまったなと反省している気持ちもある。ただのファンじゃなく、アンバサダーだからこそ尚更そう思った。


けれどもう抱え込み過ぎていっぱいいっぱいになっていた。疑惑とはいえ人種差別は本当に許せないし、そんなことが起こったにも関わらずそんな投稿をしてしまう公式のことも理解ができなかったので良くも悪くもリアルで素直な投稿になった。


ディアカビ選手は火曜日、彼のSNSでカラ選手から「クソッタレの黒人」と言われた旨を言及。


その後に行われたカラ選手の会見では、そのような事は全く言っておらず、否定の姿勢だった。


その数日後、LaLigaの発表で、RFEF(スペインサッカー連盟)の調査が入ったが、確かな証拠が見つからないため調査を終了したとのこと。つまりこの一件は不透明のまま一旦終止符が打たれた。


2.個人的な見解
ⅰ.カディスCF公式アカウントについて

公式アカウントの運用に関して私が口出しする筋合いはない。ただ、公式の発言が、関係者皆に影響することは忘れないで欲しいと思っている。


また、いままでの公式アカウントの運用がファンを多く作った一方で、アンチも沢山作ったと思っている。敵を沢山作ってしまったが故に、今回みたいな事が起こった時に必要以上に炎上してしまった上に、助け舟も出なかったように感じる。


たまに見るリスペクトの欠けたツイートから、大丈夫か不安に思うこともあったが、今回はそれまでの行動が裏目に出たと言わざるを得ない。


『公式と名乗っていること』と『公式マークがついていること』をもう少し意識したらよかったのかなと思う。また、私情と公式が混同してしまっているのもあまり良く思っていなかった。サッカーに関係なさそうなアカウントをフォローしたりしているが、客観的にどう見られているかを意識する必要があったと思う。


加えて、引用リツイートでのリプの返事が多すぎるため、公式アカウントからオフィシャルで欲しい情報がすぐに得られないことも改善点だと思っている。


そんなこと言うなんて今更なんだよとの声もあった。確かに今更かもしれない。当たり前だがこれは活動をしている中で運営には言えなかった。皆さん私よりもサッカーに詳しい方だと思うし、活動している中で私が1番最年少ということもあって。そしてなによりも公式の運用をしている訳ではない為言う筋合いもないと思ったからだ。


たまたまあのタイミングで否定的な意見であることを示しただけで、これは就任当初からずっと思っていた。固すぎな、いかにも公式らしい投稿ばかりでは、見ている人は楽しいとは思わないだろう。
ただ、たまにポロッと出てくる面白さだったり
公式さんも人間味があるなぁとふと感じられれば良いのではと考える。
何事もメルマガのように”やりすぎ”ると受け取る側はそのスタンスに飽きるもの。
必要な情報は、正確にシンプルに投稿するのも良いのではと考える。
(エゴサしていいねをたくさんするのは、ファンサービスとしてアリだと思う)


個人的に参考になると思っているのはセビージャの日本公式アカウント。程よくサッカーファンとの距離が近く、尚且つ必要な情報もフォーマルに発信している。投稿やハッシュタグをうまく活用しており、私情の入った投稿はほぼない。


今後どうなっていくかは私も分からない。
ただ、有名になることよりも、心から応援したいと思われる活動を意識するとファンも知名度も増していくと思っている。


ⅱ.自身のツイートについて

まず、事が起こってすぐにカディスジャパンの方か何かしらの情報共有と指示が欲しかった。


何も分からず事が勝手に進んでいくので、
自分も冷静になれずあのような発言をした。賛否両論あったが、いま冷静に考えてみると私自身もこれは半分良くて、半分良くなかったなと思う。


学生時代、欧州の学校で人種差別を受けた経験のある身としては、たとえ『疑惑』であってもそのような事が自分のチームから起こってしまうことは許せなかった。そして、そんな事があったのにも関わらず、状況的に不適切な投稿をした公式アカウントにも嫌気がさしたのは事実。


ただ、事がはっきりしていないのにも関わらず、早々にカラ選手が悪いと主張したのはアンバサダーとして良くなかったのかもしれない。


本当は、自分のチームの選手を擁護する事が求められる事だったのかもしれない。


しかし、オンタイムでその状況を目にしていた私にそれはできなかった。たとえカラ選手が実際には人種差別的発言をしていなかったとしても、ディアカビ選手が傷つき、怒りを露わにして仲間と共にピッチを後にする姿、またその後はピッチに戻らず悲しげな表情で試合を見守る姿を見て、ここでは間違いなく”何か”が起こったとしか思えなかった。


『手のひら返しをした発言』とも言われた。
確かにそうだったと思う。振り返ると、あまりにも強すぎる発言だった。ただ、内容の履き違えや、ちゃんと理解されていない上でのリプも沢山飛んできたのでなんとも言えない気持ちになった。


初めて携わったクラブ、憧れで応援している選手、感動した試合も沢山あった。クラブを応援する気持ちは今後も変わらないが、改善が見られなければ公式SNSの運営やクラブ、LaLigaの方針には今後も否定的な意見を持ち続けると思う。


ⅲ.今回の一件について

LaLigaではこれまでいくつもの人種差別的発言による問題が起こっている。


しかし、それらの殆どが不透明のまま、要は流された形でフェードアウトしている。


これは私の憶測に過ぎないが、LaLigaにおいて人種差別問題が消えない理由は、それらの問題が暴かれて困る人(損する人)が、得する人よりも多いからなのではないかと考える。

例えるなら日本におけるいじめの問題も、明らかになると、いじめられた生徒は救われるものの、学校側や教師側、クラスメート等にその責任が問われることになる。いじめに目を瞑ったクラスメートや教師、学校側の他の多くの人に対しては後々損になるので、明らかにならない方が彼らにとっては良いということ。


つまり裏で”何か”が動いているのかもしれないと考えてしまう。個人的な見解にすぎないが。



RFEFまで調査に参入したのにも関わらず、事実を明らかにしなかったLaLigaはまるでサイコパスのようだ。


何も明らかにならない以上、

『この一件に関しては誰も責められない』


が、今の私の考える結論だ。


 
3.それらを踏まえて思うこと


はっきりわからなかったとはいえ、人種差別『疑惑』が起こってしまったことは紛れもなく事実。


LaLigaだけでなく、世界中どこであってもそんなことが起こってはいけない。
たとえ悪気がなくても、遠回しな発言であっても、


本人が傷ついたと捉えたらそれはれっきとした人種差別である。


そもそも、人種差別だけにとどまらず、相手を傷つけるような発言をし合うものはいかがなものかと思う。


8年間やっているTwitterだが、アンバサダーを始めて以降改めて本当に治安が悪いと思っている。


Twitterはアンチや誹謗中傷をする人に最も優しいツールだ。


この一件が起こった後、後輩からLINEで、


『先輩の炎上したツイートに沸く悪害キッズを見ているのが楽しい』


『そういう炎上を晒しあげてバカにしているところを外野から見ているのが楽しい』


と言われて、なんだか悲しくなった。


確かに”サッカー界隈”におけるTwitterの治安は本当に良くない。というより、もはや悪い。悪すぎる。


彼らが応援しているチームが不甲斐なく負けてしまった時、ファンやサポーターはそれを悪く言う人もいるし、対戦相手のファンやサポーターは雑魚とか弱過ぎとか言う人もいる。


また、気に入らない投稿を見つけては晒しあげたり、サポーターの悪口を共有する投稿も目にする事がある。


サッカーというスポーツを、そんな風に楽しむ人がいるのだと思うと、なんだか悲しくなった。


もはやサッカーではない、何か違ったエンターテイメントであると思う。それとも、それが本来のSNSにおけるサッカーのあるべき姿なのか。私はそうは思はないが、実際に楽しんでいる人が多数いる以上、この風習は消えないと思う。


今回の件に関して、私は何を発言しても叩かれるんだと思っていた。


なので、その一件以降必要以上に叩いてくる人たちに関しては、第三者を使ってほぼ全員ミュートまたはブロックの対応をした。


だからこれまでも、これからも、私に誹謗中傷の投稿やアンチコメントは届かない。
そして、今回のことを機に、改めてSNSの使い方を考え直そうと思った。


タイミングよく、前述したようにものすごく忙しくなった為、最長でも数十分しかSNSを開かなくなってから、精神的にものすごく楽になった。


要は、そういうことなんだと思った。


それから、今後PRを目的としたアンバサダーやインフルエンサーを雇うサッカークラブは、コンプライアンス教育や、SNS運用の指導なども積極的に取り入れていくと良いと思う。


こんな時、こう対応すると良いとか、
アンチコメントや誹謗中傷の早急なケア
緊急時における早急な指示など


できるだけ早く、的確な対応ができるSNSの専門家(弁護士ならベスト)などがいたら良いなと思う。


私は事務所に所属していないので、
マネージャーがいる訳でもないから、
たまに対応がわからず、独断で進めてしまう事がある。
スタッフに相談したくても、以前別件で相談した際、忙しかったからか、そのメッセージがスルーされてしまったことを機に相談しづらいと思ってしまったことから、躊躇するようになった。


また、カディスジャパンオリジナルのアパレルに関しても、アンバサダーに何のアナウンスメントがないまま販売が決定しており、知らぬ間に他のモデルを起用した写真の投稿を目にして知ったのも事実だ。


カディスジャパンのポッドキャストでも言われているが、カディスCF日本公式を運営しているスタッフは皆サラリーマンで、仕事の傍らこの活動をしている。


皆さんお忙しい中アカウントの運用や、企画等を考えておられ、本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。
だが、アンバサダーとスタッフとの連携がなかなかとれていないのかなと思う事があった。


ワクワクして飛び込んだサッカー界、
やはり裏側的な部分を見てしまったと思うこともある。


だが、これで終わりにしてはいけないと思う。
どんどん改善して、より良い形で日本でもっとサッカーが盛り上がって欲しいと思っている。



私がどんな形で貢献できるかはわからない。



けど今は、自分にできることを見つけ出し、それに向かって進めて行っている最中だ。


自分の経験とそれらを踏まえて得た知見から、
サッカー界に少しでもポジティブな要素を与えられたらなと思う。



最後まで読んでいただきありがとうございました。


月曜日のセルタ戦より、アンバサダー活動を再開致します。残り少ないシーズンにはなりますが、どうぞよろしくお願い致します。


最後に、いつも相談に乗ってくださる
しずる 村上さん本当にありがとうございます!



To be continued....


#EndTheHate


Ayaka Otty

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