見出し画像

ちょっとだけ不思議な体験 #1 小さな男の子

私には霊感はありません。
でも、これらは全て
私の身に起こった本当の話。

※恐怖体験も交えているので、
苦手な方は気をつけてください。

【#1 小さな男の子】

大学生になって
一人暮らしを始めた頃
帰りが遅くなることが増えました。

その日もアルバイトが終わり
終電で最寄駅に到着し
足早に家に向かっていると
目の前の十字路に男の子が座っていました。

『こんな時間に‥大丈夫かな?』
人気も無い住宅街の路地。
5歳〜6歳くらいに見える男の子でした。

何かよっぽどの理由があるのかな?
と思いましたが、流石に心配だったので

『どうしたの?大丈夫?』
と声をかけました。
『……』
男の子は何も答えません。
『何か、私に出来ることある?』
と私が聞くと
男の子は首を横に振りました。
『お家近くなの?帰れる?』
『‥‥』
喋ってはくれませんが
首を縦に振ってくれました。

『もう遅いから、気をつけてね』
私はそう言ってその場を後にしました。

普通なら
警察に届けたりするものだと思いますが
私の中でザワザワするものがあり
その場を離れることにしました。

家に帰っても
そのザワザワの正体はわかりませんでした。
 
次の日。
その路地には誰もいませんでした。
私はそのまま大学に向かいました。

朝一番の講義は眠気との戦いです。
必死にノートをとっていましたが
やはり睡魔には勝てず
寝落ちしそうになったその時‥

教室の隅に
昨夜見た男の子の姿がありました。

『!!?!』
漫画のように驚き、
立ち上がってしまいました。

先生に注意され席に座ると
男の子の姿はどこにもありませんでした。

『階段から落ちる夢でもみた?笑』
と、隣に座っている友達に言われ
『そっか、夢か‥。』
そう理解する事で
その後もいつも通りに過ごし
アルバイトへ向かいました。

駅から直結のビルの中にある
レストランのホールで働いていたので
夕方から夜の時間はいつも混んでいました。
その忙しさで
昼間の出来事をすっかり忘れていました。

ある1組のお客さんが帰った後
座っていたテーブルを片付けようと
ホールに出ると‥

その席の近くに
あの男の子が立っていました。

『え‥‥なんで‥夢?‥じゃない‥』

しっかりと男の子と目が合い
男の子は私の目を見ています。

でも、昨夜と違う事が一つありました。

男の子が
全体的に黒くなっていました。

どの部分がとは言えないけど
確かに黒いのです。

私は後輩を呼びに行き、聞きました。
『あの席なんだけど‥』
『今お客さんが帰った席ですね。』
『‥片付けといてもらえるかな?』
『はい。いいですよ。』

後輩が片付けている席の横に佇み
こちらをずっと見ている男の子。
そこで私は確信しました。

『あの男の子は、私にしか見えていない。』

それから
駅のホーム。電車の中。大学内。バイト先。
色々な場所で男の子を見ました。
でも、何かある訳でもなかったので
そのままにしていると‥‥

‥あれ?

段々、男の子私に近づいてきてない?

そう。
物理的な距離の問題ですが
大学の講義中に見た時から、
私への距離がかなり近づいているように見えました。

そして、黒さもより増していました。
最後に男の子を見た時
真っ黒になった状態で表情も見えませんでした。

急にザワザワと胸騒ぎがし
霊感のある友達にすぐに相談をすると
『知り合いの人が話聞いてくれるみたいだから、明日会える?』
と言われ、明日会うことになりました。

次の日。
霊感のある友達に会うや否や
『ちょっと‥やばいね‥』
と言われ、知り合いの人に電話を繋ぎ
状況を話しました。

電話の相手は霊感が強い女性でした。
その後とんとん拍子でお祓いをしました。
そんな体験をしたことが無かった私には
大変な事になっている、
という状況だけしか理解できませんでした。

ですが不思議な事に
お祓いを済ませた後
男の子を見る事は無くなりました。

友達曰く。
『私に声を掛けられたことが嬉しくて、最初は付いてくるだけだった男の子が、その後悪い方に変化をし、あのままだったら事故に遭ったり、怪我をしていた。』
との事でした。

黒い人。白い人。
という括りの話をたまに聞きますが
黒い場合は良くない事が多いそうです。
※それも時と場合によるそうですが

もう一度言います。
私には霊感はありません。

霊感が無いから大丈夫と思っている方も
明日、自ら体験するかもしれません。

夜道の道端に座っている子がいたら
『大丈夫?』と声をかける前に
警察を呼ぶのも一つの手かもしれませんね。

次の話(#2 おばあちゃん)は
私が中学生の時に体験した
暖かい思い出です。

最後までお付き合い
ありがとうございました。

Twitter @0822_ayaka
フォロー、お待ちしてます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?