リアルテキスト塾レポNo,1 ~発信するということ~

文章の持つ力って、なんだろう。
ずっと考えてきた。

口では考えていることを素直に表現するのが苦手なのに、
文章になると心の奥底が自然に紡がれていく。不思議だ。

何か迷いがあるときや、頭の整理をしたいときには、
昔から必ず文章に落として考えてきた。

そんな私が、稚拙ながら、会報誌で祖母に関するコラムを書いた。
「感動して涙がでました。」
あたたかい手紙をたくさんいただいた。
私のほうが、倍に泣いた。

文章の持つ力って、素晴らしい。
発信して受信される。反響が起こる。
楽しさ。
そして、責任。

最近は、後者の色が強い。

そんな中、尊敬する岡崎太郎さんを通じて、
今回のリアルテキスト塾講師である橘川幸夫さんと出会った。
橘川さんは、60歳を過ぎた今もなお、メディアマンとして走り続けている。

発信し続けるという、生半可じゃないパワーの要る行為。
その根源を知りたい。そう思い、今回のリアルテキスト塾に挑んだ。

春風心地よい土曜日の昼下がりに開催された、第一回目の講義。
参加者は、全12名。どんな方が集まるのかと緊張していたが、
顔なじみの方も多く、ほっと胸を撫で下ろす。

いつも勉強会で"気づき"を与えてくださっている太郎さんと、
生徒同士で肩を並べているのは、なんとも不思議な気分だが。

13時きっかりちょうど。橘川さんによる、塾生の出欠確認が始まった。

「えー、ただの出欠確認では面白くないので、
点呼されたら何かひとつ。"嘘"をついて下さい。」

初っ端からユニークな試みに、思わず顔がほころぶ。
皆、どんな回答をするのだろう。
ワクワクを隠せない。

私はもちろん、「"モンマルトル出身のアベンヌ"で掴みは間違いない 」と待ち構えていたのだが、
直前に点呼された廉屋さんの「ブラジル出身です。」と若干かぶってしまったモヤモヤ感は今でも拭いきれない。

こんな場面でも、皆個性を出したがる。面白い。

そう、授業はすでに始まっているのだ。
頭のスイッチがONになっているのを感じる。ウォームアップは、十分。

橘川さんの講義がはじまる。

「先生は、あくまで土台なんだよ。創っていくのは若者。
未来を背負う若者が、どう活性化するかが大事なんだ。」

冒頭でそう語った橘川さんは、今回のリアルテキスト塾の趣旨をこう述べた。

「日頃、どんな場面でも、例えば何の変哲もない通学路でさえも、『誰かに報告する』という目線で見る。

発信するということを意識して、インプットする。

それを続けていくと、自分の中の情報の引き出しがどんどん増えていって、たとえどんな話題をふられたとしても、話を提供することができるようになるんだ。
そういう人材を育てる授業ができたら、面白いんじゃないかなと思ってね。」

話の面白い人、創り出すコンテンツが奇想天外な人、アイデアが豊富な人…
どんな才能ある人材をとっても、情報のアンテナの張り方には圧倒される。

ネットで見つけた二次情報の寄せ集めじゃ面白くない。
私にしか書けない文章、情報を発信し続けたい。

知的欲求が駆り立てられる。学びたい!という感情を抑えきれない。

かくいう橘川さん、授業開始30分で、先ほどの話を見事に体現してみせる。

その後の講義は時局放談で進んでいくのだが、なんと…。

25歳嫁入り前の私の口からは言い難いのだが、なんと、「うんこ」という単純なキーワードひとつで、一般人が知らない興味のそそられる話を次から次へと展開せしめたのである。

その話の広げ方、転換たるや、まるで心地よく言葉遊びを楽しむフリースタイルの凄腕ラッパー。

つい先日、「全国高校生ラップ選手権」という知る人ぞ知るニッチな大会の動画をネットで見つけて、フリースタイルで次から次へとライムを刻む高校生たちのあまりのレベルの高さに圧巻されたのだが、橘川さんの講義にはそれと同じ感動を覚えたのだった。

いや、それ以上か。

まるで雪だるまのように、小さな雪のタネだった話題に新たな話題がくっついていき、膨れあがっていく。
そして最後には、私たちに強大なメッセージを残す。

結局、橘川さんは、3時間強に渡る講義の大半を、その「人間メディア」から溢れ出る情報発信で終えてしまったのだ。

インプットを極めると、こうも情報の持つパワーが内から溢れ出るものなのか。

そう、橘川さんはまさに、「歩くメディア=メディアマン」なのである。

情報を発信するとはなにか。
その本質を突きつけられた講義であった。

伝えるテクニックではなく、発信する立場としての在り方。姿勢。責任。

誰もが同じように物事を見ているようで、
実はそれぞれがフィルターにかけている世の中なのだ。

そこに、感度の良いアンテナをはって、自分自身で噛み砕き、そしてまた発信する。
これが、メディアマンとしての在り方、役割なのである。

恐れてはいけない。インプットし、発信し続けるのだ。
「不安な時こそ、自分らしさがでる。」

この言葉に、勇気をいただいた。

そして、参加者全員に課せられた「発信する課題」に、
これまたワクワク!

投稿一番乗りを果たしたかったけれど、
才ある‟同期生”のみなさんの投稿に
早速刺激をいただいている。

私も負けていられない!!!

次回の講義も、非常に楽しみである。

追伸

もうひとつの課題である、『20歳博多のキャバ嬢』になりきったツイッターが、楽しすぎる…。
架空の彼女の、バックグラウンドまで思いを巡らせて、今宵もニヤニヤしながらTweetをするのだ。
「昨日もシャンパン、飲みすぎちゃったな~。」だなんて。