見出し画像

気持ち

私は今年の4月から新高校二年生で、高一の春からニュージーランドのクライストチャーチに留学しています。そして色々な人に「なんで留学したの?参考にしたいから教えて欲しい」と、ニュージーランドに来て一年が経った今、よく聞かれるようになりました。自分の気持ちに正直になって考えてみると、その理由と考えは、他の留学している高校生とは少し違うなと思うようになりました。一人の高校二年生として生きている今のこの気持ちを忘れない為に、noteにしたいと思います。

私は小学校五年生の時、いきなり母と飼っていた犬を失い、父子家庭になりました。その時はじめて、大切な人を失う気持ちを知りました。そしてそれと同時に、大人に対する恐怖心と、対抗心を覚えました。だからと言ってなにもできなかった。ただただ自分の殻に閉じこもって本当の自分ともう一人の自分を行き来する残りの小学生時代を過ごしました。自分が周りから必要とされない、いらない人なんだと思い込んでいたから。その時私は、自分の身を守る術として、“嘘をつくこと“ を覚えました。お父さんにも、友達にも、沢山嘘をつきました。自分が周りから必要とされる、完璧な人であるために。誰かを守る嘘ではなく、自分を守る嘘はこんなにも沢山の人を傷つけるんだなと後から知りました。私は可哀想な子供でも、寂しい子供でもなく、自分がそういう子供にさせてたんだなって。もし過去に戻れるなら、この頃の自分に戻ってこのことを教えてあげたいけど。笑 そのくらいかっこ悪い人だったなって今考えたら思います。だからお父さん、傷つけてしまった人、本当にごめんなさい。この場を借りてもう一度謝らせてください。

中学に入って私は、神様から一つの大きな贈り物を貰いました。それは “人との出会い“ です。大切な友達との出会い、大切な先輩との出会い、大切な先生との出会い。私には勿体ないくらいの素敵な人達に出会わせてくれました。その時はじめて、人と出会う喜びを知りました。そしてその一人に、英語の先生がいました。それが私の留学を考えたきっかけでもあります。その先生は私に沢山のことを教えてくれました。人に対する愛情や、思いやりの気持ち、自分らしく生きること、自分を大切にすること。どれも生きていく上で一番大切なことだと思います。私はその優しい心に触れることができたことが、そういう方に出会えたことが、いくら美味しいものを食べた時より、いくら好きな物を買ってくれた時より、幸せに感じたからです。そして先生が最後に言ってくれた「もっともっと色んな出会いがあるよ」っていう言葉が留学を決意させました。

「強く生きたい」いつからかは忘れたけれど、気づいたらそう思うようになりました。人に助けて貰ってばかりの十六年間の人生だったから。私も優しく、立派な女性になって他人を守るためには、まず自分自身が強くならなきゃいけないなって思うのです。テニスを頑張り、中学では生徒会にも入りました。そんなことも私にとっては、小学校の頃の私には考えられないくらいの大きな変化です。そして高校生になった今、私はニュージーランドにいます。綺麗で壮大な自然を目の前にすると、自分が小さく、世界がぎゅっと小さくなった気がするんです。どんな悲しいことも、辛いことも、自然を目の前にするとどうでもよくなっちゃうような、そんな感じがすごく心地いいんです。いくら一生懸命作り出したモノでも、自然には敵わないなと思いました。それはきっと優しさも音楽も同じで、まだまだ知らない、目に見えないけど人の心を惹きつけるような何かが、世界のあちこちに転がっているような気がします。それはもしかしたら人かもしれないし、自然かもしれない。でも見つけてみるまでどう感じるかは分からないの。大切な人を失う悲しさも、それに勝るくらいの人と出会う喜びも、実際に体験しないと分からない。私にとって、人との出会いが生きていく中で一番の幸せだと気づいたから、私はこれからも沢山の人と出会うきっかけを自分自身でつくります。ニュージーランドでは、日本では出会えなかったであろう沢山の方に出会えました。国境を越えて、色々な考えや価値観、個性があって、触れることができました。そこにもやっぱり優しさがあって、それに支えられてるんだなって改めて感じることができています。まだまだそれが続くのかと思うとやっぱり生きるって幸せなことだなって思います。

沢山の優しさを貰ったから、ちゃんと返さないといけない。すべてを返すにはどのくらい掛かるんだろうってくらいの優しさを沢山貰いました。些細なことでも、私にとってはすごく大きな支えになった優しさが沢山ありました。ゆっくりかもしれないけど、絶対に返します。だから私の人生は忙しい!でもその忙しさが、私にとっての今の幸せです。人が喜んでいたら私も喜んで、人が悲しんでいたら私も悲しむ。沢山の方に出会って、凄い方を沢山見習って、見たことのない景色を沢山みて、自然の凄さをいっぱい吸収して、それを伝え、素敵な女性になった姿を見せることがお父さんへの恩返しです。家族や友達のもとを離れるとやっぱり寂しいの。それくらい大切なひとが周りにいるって知れただけで留学してよかったなって思います。みんなちゃんと誰かに愛されてるんだなあって。あたりまえすぎてなかなか気づかない幸せを、これからも沢山見つけていけますように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?